6ヶ月越しの約束。ゴールデンサーカスに会いにビーニャにやってきました。
25/JAN/2015 in Viña del Mar
サンティアゴでジャスミンの家にお世話になった後、僕たちはバスでサンティアゴから数時間の場所にあるリゾート地 ”ビーニャ・デル・マル” へ向かいます。
バスの出発直前にバスターミナルに着いたので、昼ご飯にホットドッグを買って急いでバスに乗り込みます。
やっぱりチリのホットドッグはアボカドのペーストがたっぷり。
もうホットドッグはいいやと思っていたのですが、安さに負けて買ってしまいました…。
ビーニャデルマルと言えば、綺麗なビーチと美味しい海鮮、そして日本人旅人が集う ”汐見荘” という有名な日本人宿もあります。
だから、サンティアゴへ来た日本人旅人たちはみんなビーニャの汐見荘へ行って、ビーチと海鮮と快適な宿を楽しむというのが王道。
でも、僕たちがここへ来た理由はそのどれでもありません。
僕たちはサーカスを見るためにビーニャにやって来ました!
多分チリを旅した人に「ビーニャにサーカス見に行って来た。ビーチにも汐見荘にも行ってないよ。」って言ったら、きっと「なんでやねん!!」って突っ込まれる事でしょう。笑
でも僕たちはこのビーニャにいるサーカス団にどうしても会ってみたかったのです。
そのサーカス団の名前は ”ゴールデンサーカス” 。
去年ブラジルからベネズエラの国境を越える時に出会った”シューヘイ”が働いていたサーカス団です。
シューヘイは10代の時にサーカス団で働くようになり、その後チリにやって来てゴールデンサーカスの音響スタッフとして数年間働いていたそう。
そしてブラジルワールドカップが行われる2014年を機にサーカスを退団し、南米を巡る旅をスタートさせました。
そんなシューヘイと僕たちはマナウスからサンタエレナへの旅路で出会い、一緒にエンジェルフォールを見に行ったりしました。
「チリに行った時は是非見に行ってみて!」
そう言って、旅の道中でシューヘイから渡された一枚のチケット。
”うん、絶対見に行くよ!”
そう約束したのが、僕たちが旅を始めてまだ3ヶ月目の2014年7月初め。
今日が1月末だから、およそ6ヶ月越し!
そんな大事な約束を果たすために今日はビーニャまでやって来ました。
ビーニャのバスターミナルに着くと、ほとんどの観光客が向かうビーチとは反対方向に歩き始めます。
歩いていると、道々にはゴールデンサーカスの看板が!
ここにも!
この街にはゴールデンサーカス以外のサーカス団もたくさん来ているみたいで、そこらじゅうにサーカスのテントが建っていました。
サーカス激戦区です。
サーカスなんて日本ではほとんど見かける事がないので、チリでこんなにサーカスが人気なのが驚きです!
そして歩く事30分ぐらい。
ゴールデンサーカスのテントが見えてきました!!
6ヶ月前にもらったチケットを見せて入場。
あのボアビスタでもらったチケットがこんな所で使えるなんて、なんか感慨深いなぁ。
中に入るとスタッフがこのサーカス団を率いているヘルマンさんを呼んで来てくれました。
シューヘイが日本にいる時からお世話になっていた人です。
奥さんの圭子さんはチケットの販売で大忙し。
その横には子供ちゃんがいました。
圭子さんはチケット売りの合間をみて僕たちの所に来てくれて、忙しいのにシューヘイのエピソードを話してくれたり山盛りのポップコーンをくれたりしました。
夕方の公演なのに大盛況のゴールデンサーカス。
お客さんはみんな家族連れで、子供たちはみんなワクワクしている様子。
そして開演すると、ヘルマンさん圭子さんの子供たちが登場!
オープニングで会場を盛り上げた後も、一輪車のパフォーマンスを頑張って演じていました。
あの歳で舞台に上がって演じるのって凄いなぁ。
サーカスが始まると会場のお客さんからは大歓声。
空中ブランコや綱渡りなど、これぞサーカスといった演目が繰り広げられます。
僕たちはサーカスなんて子供のとき以来なので、すごく興奮しました。
特にきっこ。
僕の横で ”キャー!キャー!こわい!!落ちる!!!” とずっと騒いでいて、最初から最後までうるさかったです。笑
休憩中や開園後にスタッフと話してみるとフレンドリーな人たちばっかりで、みんなシューヘイの事を話してくれました。
写真は音響のスタッフさん。
シューヘイも旅に出る前はあそこで働いていたんだなぁ。
サーカスの途中で「Frozen」のキャラクターに扮して歌を歌うっていうパフォーマンスがあったんだけど、雪の女王のエルサが登場した途端に興奮した子供たちがステージに殺到!
キャーキャーと喜ぶ子供たちに囲まれて歌を歌うどころではなくなるエルサ役の女性。
そこにお父さんお母さんがカメラを持ってやって来て、ステージは一瞬にして記念写真の撮影大会と化しました。笑
結局このパフォーマンスは歌を歌うはずだったのに、一度もマイクを使う事なく終了。
「スタッフが子供や大人たちを止めないのかな?」と始めは思ったのですが、よく考えたらそれはあり得ない。
だってサーカスってお客さんを楽しませるためのもの。
だったら、ステージに上がってエルサとハグして感激する子供たちと、その写真を撮って喜ぶ大人たちを止める理由なんてないですもんね。笑
なんかその様子を見ていて、夢を売る仕事っていいなぁと思いました。
お客さんを笑顔にすることが仕事。
突き詰めたらどんな仕事だってお客さんの笑顔に繋がると言えばそうなのかもしれないけど、サーカスみたいに目の前にいる人を笑顔にする。
それが仕事であって、それが一番の報酬でもある。
そんな働き方もありだなって。
公演が終わって会場の外へ出ると、サーカスのテントの横にトレーラーを改造したキャンピングカーがたくさん停まっていました。
そしてそこでは、さっきまでステージで演じていた子供たちが遊んでいました。
このサーカスの大きなテントとキャンピングカーが彼らの家。
広い広いチリの中を移動しながら、サーカスの出演者や舞台裏のスタッフみんなが一緒になって家族みたいに
生活しています。
シューヘイもそんな家族の一員だった。
だから、どのスタッフにシューヘイの事を聞いてもみんな笑顔でシューヘイの事を教えてくれるし、少し淋しそうにしていました。
シューヘイはみんなにすごく愛されていたんだな。
今日はわざわざビーニャまで来たけど、このままサンティアゴに帰ります。
ビーチリゾートに来たのにビーチにも行かず。海鮮も食べず。汐見荘にも行きません。笑
6ヶ月越しの約束が果たせて、シューヘイの家族だったサーカスの人たちと会う事が出来て、もうビーニャに思い残す事はありません。
”ヘルマンさん、圭子さん、そしてシューヘイ。ありがとうございました!”
daigoro
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