サボテンの花。別れの夜。そして空港へ。
24~26/FEB, 4~6/MAR/2015 in Santiago
マウリシオの家で目覚めた朝。
二人は朝早くから仕事に行ってしまったので、私たち二人はサンティアゴの街を散歩。
日本に要らない荷物を送ったり、ボリビアで壊れたハードディスクの予備を買ったりしました。
その後、メトロの駅へ向かって街を歩いていると、突然ものすごい勢いで私たちの横を走り抜ける人が!
車は青信号で普通に進んでるのに、その間をまるで映画のワンシーンのようにすり抜け、そのまま路地まで走っていきました。
何が起きたのか分からなくて、ぽかんとする私たちに、近くにいた人が教えてくれました。
「今のはひったくりだよ。君たちも気をつけて。」
初めてひったくりを目の当たりにしました。
こんなに速く走っていってしまったら、捕まえるのは難しそう…。
プロのひったくりだ。。
チリは治安が良さそうなのに、やっぱりそんなことがあるんだなぁ。
そして帰りのメトロに乗り込むと日本語で書かれた漫画を読む女の子がいたので、だいごろが声をかけました。
私たちが降りる数駅の間話をしましたが、彼女は日本が大好きな大学生だそうです。
日本の漫画を買っては読んでるみたい。可愛らしい。
「また連絡します」と言ってくれた彼女とメールアドレスを交換して別れ、再びマウリシオの家に帰ってきました。
そしてお昼過ぎ。
いつものようにチチと遊んでいると、マウリシオがバタバタと帰ってきました。
そして仕事着のままキッチンに直行しクッキング開始。
私たちのために昼ご飯を作りに帰ってきてくれたみたい。
忙しいのにありがとう。
相変わらずの手際よさでキッチンで何やら作っている…と思ったら、あれ?いない。
すると外からバチバチという大きな音が!
溶接してました。笑
しかも病院の仕事着のまま。
そしてマウリシオが帰ってきてから十分も経たないうちにごはんの完成!
お豆のスープ。優しい味で美味しい!!
ご飯を食べ終わると、マウリシオはまたバタバタと仕事場に帰って行きました。
マウリシオが仕事に行った後、ふと足元をみるとこんな事に。
もちろん、彼女のごはんです。笑
チチは娘だからごはんも私たちと一緒です。
でも豆は嫌いみたいで全然食べていませんでした。
そんなチチを横目に私たちは夕ご飯の準備を始めます。
こんなにもお世話になってるんだから、せめてごはんぐらいは作ろう。
マウリシオとヴィクトリアからもらったことに対して、ほんの少ししかお返しできないけど。
まずは食材の買出し。
マウリシオの家の近くの市場に行きます。
野菜も肉も卵も、何でもめちゃくちゃ安い!
市場が近くにあるっていいなぁ。
その後、家に戻ってキッチンで料理開始。
マウリシオの家には炊飯器があって快適です!
日本の炊飯器みたいには炊けないけど、でも炊飯器があるだけ嬉しい。
いつもお鍋でお米を炊くのは難しくて苦労するのです。
水加減が難しかったり、弱火が出来ないコンロだったり、気付いたら真っ黒こげになってたり…。
今日作ったのは、私たちが旅で泊めてくれた人にいつも振る舞っている肉じゃがとお好み焼き。
二人が帰ってきたので料理を見せると、「これは何て言う料理?どうやって作るの?」と、料理好きのマウリシオは興味津々。
二人とも喜んで食べてくれました。
食事の後は、ヴィクトリアが豆を剝いていたのでお手伝い。
この写真はヴィクトリアが持ってきてくれたのはサボテンの花。
「サボテンの花は1日しか咲かないのよ。咲くのは多くても1年に1回。このサボテンはまだ2回しか咲いたことがないの。」
サボテンの花はすごく大きくて美しい。初めて見ました。
その話を聞いた途端、急に儚く見えました。
こんな貴重な花を見ることができて、マウリシオ家に歓迎されてるみたいな気持ちに勝手になってしまいました。
そして別れの夜。
この日もごはんを作りました。
醤油味のパスタ。
それから、折り紙でバラを作りました。あと折り鶴も。
そしたらマウリシオが「この二つのバラが僕とヴィクトリアで、この鳥がチチだね!」と言ってすごく喜んでくれました。
最後は、お別れの前にみんなで散歩に出かける事に。
もちろんチチも一緒です。
チチは小さい頃はリードをつけて散歩していたみたいだけど、今はリードなし。
信号とかもちゃんと見て渡っていました。
いくら慣れていても、不意に道路に出ちゃったりしそうで心配になっちゃう。
これは、二人が通っている教会。
ヴィクトリアは熱心なキリスト教徒で、イタリアで修行していたこともあるそうです。
そしていよいよお別れの時。
二人にお礼を言って家を出ようとすると「車を出すから」と言って、わざわざ空港まで送ってくれる事に。
チチも一緒です。
普段、助手席はチチの席だけど、今日は私たちがいるからヴィクトリアの膝の上。
チチは車に乗るのも大好きなんだって。
そういえば初めてチチとマウリシオと出会った時もこの車で来ていたんだっけ。
私の愛犬は車が大っ嫌いで車に乗る度にゲーゲー戻してたのに。チチはすごいな。
そして無事空港に到着しました。
結局、与えてもらったもののほんの一部しかお返しできなかったけど、時間が経つにつれ申し訳ないという気持ちよりも、居心地の良さの方が強くなっていくのを感じられるようになりました。
旅をしていると、どうやっても貰うことの方が多くなってしまうけど、結局その時にできることを精一杯やるだけなんだなって思います。
それでお世話になった本人たちに返せなかった分は、日本に帰ってから出会う旅人に返したり、これから出会う誰かへの親切として返していけばいいんだ、きっと。
マウリシオ、ヴィクトリア、チチ、どうもありがとう。
すごく楽しい4日間。お世話になりました!
kicco
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