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04/JUN/2015 from Sarajevo to Uzice

サラエボを後にし、次に向かうのはお隣の国セルビア。

朝11時からヒッチハイク開始です。
止まってくれるかなぁ。
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なかなか止まってくれないなぁと思っていたら、向こうから歩いてきたおばさんが僕たちの少し前に立ちました。
そして、おもむろに手を水平に上げるおばさん。

まさか…!

そう。なんと、このおばさんもヒッチハイカー!
地元のおばさん&おじさんでもヒッチハイクするんだ!!
まさかのライバル出現です!!笑
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手当り次第に親指を立てる僕たちと違って、おばさんは乗せてくれそうな車を見分けて効率よくアピール。
僕たちよりも早く乗せてくれる車を見つけて去って行きました。さすが!
 

その後、欧米人バックパッカーの青年も僕たちの前を通りがかりました。彼もヒッチハイクするみたい。
「ここでヒッチしてるんだね。じゃあ僕はもうちょっと下流のところでヒッチハイクするよ。」、と言って去って行きました。ヒッチハイクのマナーをちゃんとわきまえていて良い感じ。

さっきの地元のおばさんは後から来たのに堂々と僕たちよりも上流でヒッチハイクしてたし。
多分地元の人の間ではそんなルールはなくて、止めたもん勝ちなんだろうな。笑
 

スルプスカ共和国を抜けてセルビアを目指せ!

しばらくヒッチをしていたら小腹が空いたので、ボスニアの伝統的なパンを頬張ります。
どこのパン屋でも売っているこのグルグル巻きのパン。中にはチーズや肉が入っています。
味が濃いのであまり一度にいっぱいは食べられないけど、カロリーが高そうなのでヒッチハイクにはうってつけです。
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それから、しばらくすると1台の車が止まりました。
「乗せてあげるけど、荷物をちょっと降ろしてくるから待ってて。」
そう言って去って行った車。

しばらく待っていると、戻ってきました。
英語が全く喋れないけど「ファイブ・ユーロ!」と連呼しているので、5ユーロで乗せて行ってくれるっぽい。

チップで5ユーロ払うぐらいならまあいっか、と思って乗り込みます。
そして念のため携帯の電卓で運転手に値段を確認すると、なんと表示されていたのは50ユーロ!!
事前に確認しといて良かった…危なかった…。

その場で急いで降りて、元の場所まで数百メートルぐらい歩いて戻ります。
 

その後、気を取り直してヒッチを再開すると、その10分後ぐらいに一台の車が止まってくれました。

乗せてくれたのはヤブス。
トルコ人で13年前からボスニアに住んでいる人で、英語は話せません。
ヤコブの両親はトルコにいるので、15時間かけて車で会いに帰ったりしているそうです。
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ヤブスはパストリーでシェフの仕事をしていて、今日は仕事で50キロぐらい先のゴラジュデという街に行くので、そこまで乗せて行ってくれる事になりました。
 

途中、車で走っていると「スルプスカ共和国」の看板が見えました。
ここはボスニア・ヘルツェゴビナの一部で、ボシニャック人が住むボスニアとは違い、ここはセルビア人を主体とする共和国。
一つの国の中に複数の民族がいるから争いになってしまう。民族が違うというだけで争ってしまう悲しい現実。
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今日も絶好調のヒッチハイク!!

それから1時間ほどでゴラジュデに到着。ありがとう。
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さあ、ヒッチ開始!
…と思ったらすぐに車が止まった。

え??一瞬夢かと思ったけど、ドライバーが乗れ!というジェスチャーをしてる!
まさかの開始3分でヒッチ成功!!こんなの初めてだ!!
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乗せてくれたのはボスニア人のラダン。
セルビアの山奥でハチミツ屋さんの仕事をしているそうです。
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僕たちと同年代のラダン。
恐る恐る戦争の話を聞いてみると、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦争の時に彼は9歳だったそう。
戦争で親戚が2人も亡くなったけど、今は平和に暮らしている。と言っていました。

同じ時代をのほほんと過ごしてきた僕たちと違って、大変な時代をくぐり抜けています。

あと周辺国々との言葉の違いについて聞いた時に、「この辺の国の人たちは完全に同じ言葉を話すのに、セルビア語だボスニア語だと分けたがる。馬鹿げてるよ。」と言っていました。
 

しばらくすると道路に立っている地元のヒッチハイカーを発見。
優しいラダンは彼も拾ってあげていました。

これは途中に通った世界遺産の街。
ラダンによるとこの橋が有名みたいです。
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そしてセルビアに入国!
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しばらく走った山の中のレストランで降ろしてもらい、ラダンと別れました。
どうもありがとう。
 

セルビアで映画出演のオファーを受ける。

車から降りたらすぐに雨が降ってきたので、レストランの軒下で雨宿り。
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サラエボで買ったパンをむしゃむしゃ食べていると猫が。
あと1個しかないからやらんぞ!
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そんな顔したって絶対やらんぞ!!笑
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雨がやんだらヒッチ再開。
全然車が通らない道で1時間ぐらい待ってたら、一台の車が止まりました。

「君たち日本人?こんなところで何してるの??笑」

助手席に乗っていた男性が笑いながら話しかけてきました。

”ヒッチハイク。笑”

「だろうね。笑 俺たちは今セルビアで映画の撮影しているんだ。でもウジツェには行かないんだ。ごめんよ。」
そう言って、走り去って行きました。
 

と思ったら50メートル先ぐらいで止まって、バックで戻ってきた!
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「君たちはこの後どこへ行くの?」

”このままヒッチハイクでトルコに行こうと思っています。”

「もし時間があったら俺たちの映画に出てみないか?日本が舞台の映画なんだ。エキストラだから何も喋らなくて大丈夫だから。」

”え、映画に?”

戸惑っていると、バンの中から日本人が出てきました。
「私たちもエキストラですけど宿泊や食事はタダだし、一日最低でも150ユーロはもらえますよ。」

”えっ?! 150ユーロ!! 一日で?!!”

”出ます!!笑”

金額に目がくらんだ僕たちは即決で連絡先を交換。
内容すらよく分かってないのにセルビアでの映画出演を決めたのでした。
 

「じゃあホテルに戻ったらメールでスケジュールを連絡するから。ありがとう!」
そう言い残してバンは去って行きました。
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…。

…勢いで出演すると言ってしまったけど、そんなうまい話ほんとにあるのかなぁ?
アジア人目当ての新手の詐欺だったりして?
撮影と称して山奥まで連れて行かれて身ぐるみ全部はがされるんじゃないかな?

後から考えたら怪しいとこだらけで、怖くなってきた。
中に乗っていた日本人もだまされてるんじゃないのかなぁ。

まあ、後でメールするって言ってたし、ひとまずそれを待つ事にしよう。
 

カウチサーフィンのホストに知らされた驚愕の事実。

自称映画のスタッフたちと別れた後は、再びヒッチハイク。

始めてからほどなくして大型のトレーラーが止まってくれました。
乗せてくれたのはトルコ人のフミット。またトルコ人だ!
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フミットが運んでいるのは水。
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今はイスタンブールからサラエボまで水を運んだ帰りだそう。そんな長距離を運転するなんて大変だなぁ。
そう言えばオーストリアでヒッチハイクしていた時も大型トラックはトルコからのトラックばかりだった。
きっとトルコはヨーロッパ諸国の工場みたいな位置づけなんだ。

これがフミットが持っていた手書きの地図。これを頼りに運転しているのだとか。
言葉もフランス語とトルコ語しか話せないから大変そう。
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南米でもよく乗せてもらってたけど、やっぱりトラックは座席が高いから見晴らしが良くて気持ちいい!
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道々にはセルビア正教の教会もたくさん。
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そして、美しい田舎道を抜けると見えてきました。ウジツェの街です。
でかい!!ウジツェはベオグラードに次ぐセルビア第二の都市だそう。
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フミットにはトラックが止まりやすそうなガソリンスタンドで降ろしてもらいました。
どうもありがとう!
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ウジツェではカウチサーフィンで見つけたホストの家にお世話になる予定。

ホストの家はウジツェの郊外にあるので、ガソリンスタンドから1.5kmぐらい歩きます。

「僕の家は地図のこの辺り。3階建てでバラの花が地面から3階まで育っている建物だよ。」
ホストが事前に家の情報を教えてくれていました。

バラの花が3階まで??

どんな家なんだろう?
ワクワクしながら家を探していると…

見つけた!間違いない、この家だ!!
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家のドアをノックしても反応がないのでしばらく階段で待ちます。

そしたらそこらじゅうに猫が!
バラと猫の楽園。まるで天国のような家だなぁ!笑
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しばらくすると、玄関のドアがあきました。
今回ウジツェでお世話になるのはリッキーという男性。

リッキーは映像や写真の撮影、編集をする仕事をしているそうで、仕事中だったからノックの音に気付かなかったみたい。
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リッキーはフリーランスで働いているから「ほどほどに仕事して、たくさん旅行する。」というライフスタイルだそう。旅先で出会う人たちはフリーランスで働く人がかなり多い。
 

”そうそう、そう言えばさっき山の中で映画に出演しないかって誘われたんだ。嘘みたいな話でしょ?”

軽く自己紹介を終えた後にリッキーに映画の話をしてみると、彼の口から思いがけないセリフが…。

「それレディガガの彼氏が出てるやつでしょ?日本の森を舞台にした映画で、セルビアでロケをしてるんだよ。」

”え??知ってるの??”

”ていうか、レディガガって?!!”

つづく



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