絶叫ドライブ! × ブルガリアのローカル銭湯に突撃!
19/JUN/2015 from Blagoevgrad to Sandanski
2泊もしてしまった心休まるリラの僧院から、麓にあるブラゴエフグラッドの街に戻ってきました。
バスターミナルから1キロぐらい歩いたガソリンスタンドで軽く休憩とメールチェックをして、ゴミ箱から段ボールを探し、近くの横断歩道のあたりでヒッチハイク開始。
目指すはサンダンスキの街です!
でもしばらくすると、通りがかったお爺さんに「ここは無理だよ」と言われてしまいました。
だけど、ここ以外に良さそうな場所もない。
仕方なくそのまま続けていたら、5分後に1台の車が止まりました。
「サンダンスキまで行くけど乗ってく?
10分後に戻ってくるからここで待ってて!」
乗っていた男性は早口の英語でそう言うと、“フォーン!”というエンジン音を響かせて勢いよく走り去っていきました。
マリオの絶叫ドライブとシュワルマ屋さん
“ほんとに戻ってくるかなぁ?”
”白タクじゃなかったやんなぁ?”
と言いながら二人で道端に座って待っていると、10分後にさっきの車が戻ってきました。
「さあ、乗って乗って。」
車に乗っていた男性は近くに住んでいる友達を拾ってから、サンダンスキへと続く道路に車を走らせます。
乗せてくれた若い男性はマリオ。そして友達はイリャンという名前です。
マリオの車は見た目は古いけど、良いエンジンを積んでいるみたいでかなりパワフル。
それにずいぶん急いでるみたいで、めっちゃ飛ばします!
ブラゴエフグラッドからサンダンスキまでの道は片側一車線で、しかも対向車がバンバン来てるのに抜かしまくる。
対向車と頭スレスレですれ違う。
死ぬ!!
この旅で危なっかしい運転は何度もあったけど、その中でも確実に3位には入るぐらい恐かった…。
猛スピードで車を追い越しながらマリオが話します。
「二人は何の仕事をしているの?俺は自分のビジネスがあるんだ。」
聞く所によると、マリオはサンダンスキでシュワルマの店をしているそう。
自分で始めたビジネスなんだって。
「それからサンダンスキはすごく良い所だよ。
保養地で温泉や自然が豊かで、特に週末が人で賑わって楽しいよ。
今日は金曜日だから君たちはラッキーだね。」とマリオ。
そうなんだ!
でもいつものように宿の予約をしてないから、安宿が残っているのかがちょっと心配になります。
ブラゴエフグラッドからサンダンスキにはあっという間に到着。
多分普通の運転なら2時間かかる所を驚異の40分というタイムで走り抜けたマリオ。
早くて助かったけど、疲れた。。
こっちこっち。
マリオに呼ばれて、降りた場所の裏にあったボロボロの建物の中へ案内されました。
入ってみると、そこにはキッチン??
そして、その先に行ってみると、なんとお店!
しかも街の中心地!
ここはマリオの経営しているシュワルマ屋さんでした。
お店側は新しくて綺麗。まだ改装している途中のところもあります。
”そうだ、ちょうどおなかも減っているし、お礼に何か食べていこう!”と、シュワルマを二つ注文します。
すると、マリオが手際良くささっと作ってくれました。
すごい速い!車の運転も速いけど仕事も速い!!
この手際の良さは見習いたい。運転は見習いたくないけど。笑
私もファーストフード店で働いたらきびきび動けるようになるのかな。
山盛りの具材を詰めてくれたシュワルマを渡されお金を払おうとしたら、「これは君たちへのプレゼントだよ。」と言われました。
“いいよいいよ、払うよ!!だって車に乗せてもらえただけで本当に十分だから!”
でも何度言っても全然取り合ってくれず、「いいから、食べて!」とテーブルに座らされました。
ついでに、「ブルガリアにきたらこれは飲んでおかないとね!」と言って水牛ヨーグルトまでくれました。しかも大きいやつ。ブルガリア人は本当にヨーグルトが大好きです。
マリオがどうしてもお金を受け取ってくれないので、お礼にブルガリア名物のバラを折り紙で折ってプレゼントしました。
そしたら喜んでくれて、店に飾ってくれました。
ありがとう、マリオ。
ブルガリアの温泉地、サンダンスキ。
マリオと別れた後は、ガソリンスタンドで調べておいた宿へ。
着いてみると、こんな自然いっぱいな素敵な所でした。
“Keremidchieva Kushta Guest House” という宿です。
週末だし人気の宿だから空いてるか心配だったけど、マリオがぶっ飛ばしてくれたおかげでなんとか部屋にありつけました。私たちの直後に来た人は満室と言われていたので、ほんとにギリギリだったみたい。
ベランダ、バストイレ付きの広々とした個室。キッチンもあるから自炊もできる。完璧。
これで二人で一部屋14.8ユーロだからなかなかお得です。
その後、部屋で洗濯をしたりしてゆっくりしていると、宿の人が街を案内してくれると言ってくれました。
ちょっと疲れていたけど、せっかくなので連れて行ってもらう事に。車で出かけます。
街の中心にある広々とした公園を歩きます。
そして、連れて行ってくれたのがこんな場所。
よく見ると座っている女性の人が目にタオルみたいなものをあてています。
宿の人が、「蛇口から出ている水を触ってみて。」と言ったので、手をあててみるとびっくり!
ほっかほかの温泉でした。
硫黄の匂いがプンプンするけど、飲んで大丈夫なのかなぁ。
そう思いながら飲んでみたら、身体中がぽかぽか温まった。
この源泉には治療効果があるから、街の人たちがやってきてここで汲んで帰るんだそう。
さっきの写真に写っていた女性の人は、目の治療をしていたのでした。
その近くには屋外の温水プール。
たぶん地熱を利用していると思うけど、この地域ならではの贅沢な施設です。
その後も小川が流れる緑豊かな公園をゆっくり散歩。
公園には背の高い木々が多い茂っていてすごく気持ちいい。
しかもめちゃくちゃ広くて、何キロにも渡って遊歩道が続いています。
地元の人もここが大好きみたいで、たくさんの人が散歩に来ていました。
そして快適な宿でぐっすり眠った次の日の朝。
昨日の公園が気に入ったので朝のお散歩にやってきました。
昨日の源泉が湧き出ている場所には、ペットボトルをたくさん抱えたおじさんたちが車で来ていました。
10ℓのペットボトルを何個も何個も抱えています。今日も少しだけ飲んで鋭気を養います。
そしてその横にあったのが公衆浴場。
午前中は女性の時間帯だったので私だけ入りました。
入湯料は1.8レフ(約130円)。
だいごろは外で待ちぼうけ。
そして温泉の方はと言うと、地元のおばあちゃんたちで大賑わい。
中はこんな感じ。
昨日来た時は掃除の時間だったので、お願いして写真を撮らせてもらいました。
左側にあるシャワーで綺麗に身体を洗ったり、垢擦りしたり。
垢擦りをする以外は日本の銭湯と何ら変わりません。
屋外の温泉だから開放感があって良い。
真ん中の浴槽みたいになっている所にお湯が張ってあるのですが、日本人の私には温度がぬるくて残念だった。もっと温かいと思ってたのに。
おばあちゃんもちょっと不満げで番頭さんに温度を上げてってお願いしている様子でした。
奥には寝転がれるスペースがあって、温泉に入って温まってからみんな寝転んでいました。
おばあちゃんたちが興味を持って何やら話しかけてきたけど、残念ながらブルガリア語は全く喋れない私。
どうやら「どこ出身なの?」と聞かれてるっぽかったので、日本人だって言うと喜んでくれました。
温泉から出ると、だいごろが外のベンチで待っていました。
する事なくて暇だったかな?と思いきや、なんとこの公園にはWi-Fiが飛んでいたらしく、それで遊んでいました。
こんな公園の、しかも端っこの方にまでWi-Fiがあるなんて!
でも、ブルガリアの底力はこんなもんじゃなかった。
次に向かった首都のソフィアで、ブルガリアの驚異的なWi-Fi事情を存分に思い知る事になったのでした。
つづく
kicco
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