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23/JUN/2015 from Sofia to Uzice

今日はブルガリアの首都ソフィアから、セルビアのウジツェを目指します。
ウジツェは一ヶ月前にハリウッド映画の出演オファーを受けた街。
明日は映画の撮影に合流する予定の日なので、何としてでも今日中にウジツェに辿り着いておきたい所です。

だったらバスに乗ればいいのに…。というツッコミが入りそうですが、行ける所までヒッチで突き進んでダメになったらバスに乗る作戦です。
本当は安全を取って全部バスで移動するべき所ですが、やっぱりヒッチの楽しさの誘惑には勝てませんでした…。笑
 

ソフィアから国境へ。

何としても今日中にウジツェに辿り着くぞ!
ヨーグルトを食べて気合いを入れてから、朝8時にアイグンの家を出ます。

そこから歩いてトラムの駅へ。
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さらにメトロを乗り継ぎソフィアの街の端っこまで。
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メトロを降りたら、ヒッチハイクがしやすそうな場所を探して歩きます。
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結局メトロを降りてから30分近く歩いて、10時すぎにようやく街の外れのガソリンスタンドでヒッチ開始。
ここからウジツェまであと500キロ近く。こんなペースで間に合うかな?
ちょっと焦ってきます。
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その場所でヒッチを始めてしばらくすると、「ここは場所が悪いから」と、イヴァンという男性が数キロ先のポイントまで乗せて行ってくれました。
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イヴァンとは5分ぐらいしか話せなかったけど、従業員20人を抱える企業を経営しているそうです。今はその仕事中。

目的地とは反対方向だったけど、わざわざ僕たちのために車を走らせてくれたみたい。
どうもありがとう。
 


イヴァンに降ろしてもらった所はかなりよさそう。
でも時刻はもう午前11時です。急がないと。
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焦る気持ちを抑えながらヒッチハイク。
なついてきた野良犬のおかげで待ち時間を楽しく過ごせました◎
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そこでヒッチすること45分ぐらい。
ようやく一台の車が止まってくれました。

乗せてくれたのはシェールという名前のおじさん。
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シェールはアフガニスタンの出身で、学生時代に語学の勉強でブルガリアに来ていたそう。
そしてその時に出会ったブルガリア人女性と結婚して、それからはずっとソフィアに住んでるんだって。
仕事は翻訳家。全部で7カ国語もできるそうです!すごい!!
 

「ちょうど今から国境まで行く用事があるから乗せて行ってあげるよ。」

なんでも、シェールは国境で警察に拘束されたアフガニスタン人7人と警察官との通訳のために呼び出されたんだとか。
アフガニスタン人たちは仕事のためにブルガリアに不法入国しようとしたみたい。
 

ソフィアからセルビアとの国境まではどこまでも田園風景が広がります。
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国境には一時間ぐらいで到着。
お礼を言ってから歩き出そうとしたら、シェールに呼び止められました。

振り返ると、近くの売店でミルクコーヒーやお菓子を買ってくれていました。
シェールのところに戻ってありがたく受け取ると、ついでに車に積んであった大量のハーブもくれました。お茶に入れると美味しいそうです。

どうもありがとう。シェール。
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一ヶ月振りのセルビア!!

シェールと別れてから少し歩くと国境が見えてきました。
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ブルガリアのイミグレをサクッと通過すると、次のセルビアのイミグレまではかなりの距離。15分ぐらい歩きました。
こんなに長い国境は久しぶりだ。
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そしてセルビアのイミグレに到着。
久しぶり、一ヶ月ぶりのセルビアです!

バックパックにはシェールにもらったハーブ。
見た目がかなり怪しいから税関で捕まらないか心配です。笑
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どうもここの国境を徒歩で越える人は少ないらしく、イミグレでは車と同じ列に並ぶ事に。
前後を車の行列に挟まれるなんて初めてだ。笑
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セルビアへの再入国は問題なく完了し、国境を超えた所でヒッチを再開します。
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セルビアとブルガリアは時差が一時間。
今の時刻は、時計の針を一時間戻した、セルビア時間の12時すぎです。

しばらくそこでヒッチをしていると、一台の車が止まりました。
そして降りてきたおじさんが、何故かドイツ語で「ご飯と飲み物をご馳走したい!」と、何度も何度も言ってきます。

でも僕たちには時間がないから、ご飯を一緒にしてもゆっくり話せない。
ただご馳走になるのは申し訳ないからと断ったんだけど、おじさんが10分だけでもいいからどうしてもというのでお言葉に甘える事に。
 

声をかけてくれたのはオーストリアのウィーンからきたおじさん。ここに座ってと国境にあったレストランのテラス席に案内されます。

そしてメニューを持ってきて、好きな料理を頼んでいいからと言われました。
あまり頼むと悪いので、遠慮してブルーベリージュースとスープとパンを二人でシェアする事にしました。

出てきたのはこんな料理。久々のセルビア料理は美味しかったなぁ。
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そしてそんな私たちの様子を見ていたおじさんは、「じゃあ、俺は中で食べてるから!」と言って、店の中で友達とご飯を食べ始めました。

え!?
僕たちと一緒に話したいから誘ったんじゃなかったの?

どうやらおじさんは、ただ僕たちにご馳走したい、助けたいと思って声をかけてくれたみたい。
名前も聞けずじまいだったけど、すごく優しい人でした。
どうもありがとう。
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昼ごはんを食べ終わると時刻は午後一時過ぎ。
思いの外ゆっくり一時間も食事をしてしまったので、急いでヒッチを再開します。

でもこの国境は車通りがかなり少なくて、なかなか車は止まってくれません。

こんな所からバスに乗るのは難しいから、近くの街までヒッチで抜けるしかありません。
もし車が捕まらずに時間切れになったら、間違いなくここでテント泊。
明日の撮影には間に合わなくなってしまいます。
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しかし、もうダメかもしれないと思い始めていた頃。
歩き回って場所を変えながらヒッチしていると、ついに一台の車が止まってくれました!!

乗せてくれたのはソフィアに住んでいるジミッター。
ここから200キロぐらい先のニシュの街に行くそうなので、乗せて行ってもらえる事になりました。
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ジミッターは英語がペラペラだったので、どこで勉強したの?と聞いてみると、こう言っていました。

「俺の高校は理数系で、英語の授業が週に19時間もあったんだよ。だからこれぐらいは話せるさ。
ちなみに、残りの6時間が数学、もう6時間がブルガリア語の授業だったよ。」
 

ジミッターは37歳で三児のお父さん。
出身はブルガリアの中部で、両親もそこに住んでいます。

今日は明日の仕事のためにニシュの街まで行って前泊するそうです。
ジミッターは、「あさっての週末には家族のところに帰れるよ。」と嬉しそうにしていました。
 

ついにウジツェ帰ってきた!

そして西の街にはセルビア時間の16時に到着。
ジミッターにバスターミナルの近くで降ろしてもらいました。
どうもありがとう。

ニシュは街のど真ん中に城壁の残る穏やかな街です。
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今からヒッチをしたらもうさすがに撮影に間に合わなそうだったので、ニシュからウジツェへのバスのチケットを購入。

バスは18時発の1便だけだったので、重たいバックパックを背負ったままちょこっと街歩き。
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でもすぐに疲れたので、カフェに行ってウジツェの宿の予約をしたりしながら休憩しました。
 


そして18時過ぎ。
久々のバスで快適にウジツェへ向けて出発!
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車窓からはセルビアののどかな風景。
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今回の旅に出るまでは全然知らなかったセルビアという国に、まさか2度も訪れる事になるなんて思ってもみなかったなぁ。
1ヶ月前に離れた町へ向かっているのはなんだか感慨深い。
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そしてバスは日付が変わる頃にウジツェに到着。
バスターミナルからは、真っ暗で人通りのない治安の悪そうな通りを小走りで宿へ。
20分ぐらいかかりました。
 

宿に着くとスタッフがウェルカムドリンクにラキアを振る舞ってくれました。なんだか何もかもが懐かしいなぁ。

荷物を置くとすぐにメールチェック。
撮影スタッフのネマニャに、明日のロケ地までのピックアップのお願いをしていたので、返事が来ていないか確認します。
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メールボックスをみてみると、まだ返事は来ていない。
でもいつもネマニャからメールが来るのは深夜遅く。明日は映画の撮影があるから、今日のところはさっさと寝て疲れを取ろう。

おやすみなさい。
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しかし映画撮影を前日に控えたこの夜に、まさかの南京虫祭りが待っていたのでした…。

つづく



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