終わらない南京虫地獄 × ハリウッド映画の撮影部隊に合流せよ!
24/JUN/2015 in Uzice
ブルガリアのソフィアからセルビアの西の端ウジツェまでヒッチハイクを終え、深夜に宿にたどり着きました。
泊まったのは手作り感溢れる小綺麗なホステル。
長い移動を終えて、ようやくベッドへ横になりました。
南京虫地獄は終わらない
ベッドに入ってからしばらくしたその時、なんか親指がちくっとしたような…
もしやと思って携帯の明かりで見てみると、黒くて小さい虫がまさに私の血を吸っているところだった!!
やっぱり南京虫!!!
まさかこんな綺麗そうな宿で出没するなんて…。
しかも明日からはハリウッド映画の撮影が始まる。
もし前回のサラエボみたいな事になったら、私の役はなくなってしまうかもしれない…。
(前回の悲劇はこちら▶︎南京虫の攻撃で顔面フルボッコ × 世界大戦の震源地)
親指に乗っていた南京虫をサッと潰して、ベッドをよく確認します。
見当たらなかったのでもう一回寝ます。
…今度は肘がかゆい。
携帯の明かりを灯すと、また南京虫!!
急いで倒してから、今度は長袖を着て、顔を刺されないようにタオルをかぶって寝ます。
映画の撮影に参加する為にも、絶対に顔だけは守らないと。
数分後。
また親指に違和感…。
また一匹殺す。
一体何匹出てくるん?
どうしたらいい?!
とにかくこのベッドはやばい。
さっきまでは2段ベッドの下に寝てたけど、今度は上へ。
上の方が湿気は少ないし、昼間は明るいから南京虫が少ないはず。
ベッドに上ってシーツを入念にチェック。
すると特大の南京虫がライトにびっくりして逃げ惑った。
今まで見た中で一番大きい南京虫。きもっ!!
ビックリしすぎた私は完全にパニック!
おぞましすぎて鳥肌がぶわっと立ちます。
しかもパニックになりすぎて殺しそびれた。
もうだめだ…。
だいごろの提案で、リビングルームで電気をつけたまま寝袋にくるまって寝ることにした。
ようやく寝付いたのは夜中の2時になってからでした…。
そして、朝の5時に他の宿泊客が起きてきて目覚めた。
今日は映画の撮影だって言うのにひどい寝不足だ…。
もういやだ、南京虫…
ちゃんと毎日シーツを掃除しているこんなホステルでも出るんだ。
そしてだいごろは相変わらず無害。
羨まし過ぎる。
今回泊まったホステルは南京虫なんて出そうにもない清潔なホテル。
そもそもウジツェ自体に南京虫はほとんどいないそうなので、宿の人も「初めての出来事でビックリした」と言っていました。南京虫を持ち込んだのはきっと私たちのようなバックパッカーだ。
宿は数ヶ月置きにベオグラードから業者を呼んでクリーニングサービスをしてもらっているそうだし、今回の出来事の直後にも業者を呼んでいました。なので、ウジツェの街に行く際は南京虫の事は全然心配しないで大丈夫です。(南京虫は出ましたが、この宿はすごく良いホステルだったので名前はあえて出しません。)
一度目が覚めてしまったので、寝不足だけどベッドには怖くて寝そべれないから、だいごろのズボンでも修復することにしました。
だいごろが映画の撮影に履いていけそうなズボンは、両膝が見事にパックリ破れてしまっていたから。
仕上がりは不細工だけど、穴が開いてるよりははるかにましだろう。
(でも結局またすぐに破れたけど。笑)
ハリウッド映画のロケに合流せよ!
そしてその日のお昼頃。
ようやく映画スタッフのネマニャから連絡がきました。
「今日の午後3時半〜4時ぐらいにウジツェのバスターミナルで迎えに行くから。」
果たして映画の話は本当なのか?
山奥に連れられて行って身ぐるみをはがされてしまうのか?
とにかくネマニャと合流するのは間違いなさそう。
一ヶ月ずっと待っていた答えが、いよいよ今日出ます。
そして、約束の時間の30分前、午後3時にバスターミナルに着くように宿を出ました。
レインコートを着て小降りの雨の中を歩いていると、「ヘーイ!!」と私たちを呼び止める声が。
振り返ってみると、なんと一ヶ月前にウジツェに泊まっていた時に街を案内してくれたミロシュでした!
久しぶり!!
(ミロシュとの出会いの記事はこちら▶︎良いカウチサーファー。悪いカウチサーファー。)
“今からいよいよ映画撮影に行くんだよ” ってミロシュに言うと、
「ロケ地の近くをドライブするときは、いつも君たちがいないかどうか探してたよ。」「映画、絶対見るから!」って言ってくれました。
ミロシュと別れてからしばらく歩いて、バスターミナルに到着しました。
ネマニャからの情報では、迎えにくるのはメルセデスの白いバン。
ほんとに来るかなぁ。
どきどきです。
しばらくすると、1台メルセデスのバンがやってきました!
…が、中のおじさんは全然目を合わせてくれません。どうやら違う車みたい。
でもこの車は紛らわしい事にこの近くをぐるぐる巡回していて、何度も思わせぶりな態度(?)を取られました。笑
それから待つ事1時間。
約束の時間の4時になってもバンは来ません。
やっぱり嘘だったのかなぁ。
もし車が来たとしても新手の詐欺かもしれないから油断しないようにしないと。
怪しい車だったら絶対に乗らないようにしよう。
4時15分。
車が全然やって来ないので、近くにいた人に携帯を借りてドライバーに電話をしました。
そしたらドライバーは英語を話せて、「あと五分で行くから」と言われました。
そして待つことさらに15分。
ついに…来た!
白いメルセデスのバン!!
中を覗いてみると意外にも多国籍!
中国人と日本人とセルビア人。
合わせて8人ぐらいが乗っていました。
みんなベオグラードからこのバンに乗ってやってきたそうです。
”うん。大丈夫そうやな。”
だいごろと確認してからバンに乗り込みます。
私たちはまだ新手の詐欺かどうか疑っていたので、バンの中にいた人たちに話しかけてみます。
隣に座っていた女の子はセルビア人で、主演女優のスタントをするんだと言っていました。
スタントと言ったら危険なシーンを俳優の代わりにするものだと思っていたけど、彼女は後ろ姿だけしか写らないシーンや遠くに写るシーンなどで主演女優の代わりに演技をするんだって。
演技学校にいる訳でもない、ただの学生だと言っていました。
3人いた中国人はみんなセルビア在住の人で、セルビア語はペラペラだけど英語は全く喋れませんでした。
”What’s your name?” すら通じなかった時はショックでした。笑
でもセルビア人とは何の隔たりもなく会話出来てるから何だか不思議。
そして、みんなと話をしている間にバンはセルビアの山奥へ。
バンから降りてみると、そこは山の中にある倉庫街。
果たしてそこで待っていたのは…。
つづく
kicco
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