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27/JUN/2015 in Serbia

撮影3日目。
昨日の撮影終了後にあったネマニャからのサプライズ告知により、今日は僕もきっこも二人とも撮影がある日♪

ネマニャの話によると、今日の撮影も夜から次の日の明け方までの予定。
連日に及ぶ深夜の撮影で二人とも疲れが出てきていたので、昼間はホテルの部屋でゆっくり休みました。
 

だいごろ、小澤さんとの競演。

今日も昨日と同じくロケ現場に着いたらすぐに撮影開始。
昨日撮ったシーンよりも、時系列で言うと前にあたるシーンの撮影です。

エキストラには台本が与えられないので、今から撮影するシーンが昨日撮影したシーンに繋がるのを頭の中でイメージしながら撮影に臨みます。

撮影初日は動き方が分からなくなった所をモンゴル人エキストラの”テイコ”に助けてもらったので、今日は同じ事にならないようにきっちりADに役者とエキストラの動きを確認します。

ADからのエキストラへの指示はかなり手早く行われるので、指示が出たらすかさず質問。でもエキストラへの指示にADの手間を取らせないように、シーンの設定から自分で判断出来る所は判断して、質問は最小限にするように意識しました。
 

そして、小澤さんと一緒のシーンを撮影していた時。

小澤さんに「君、日本人だよね?」と言われたので、”はい。そうです。”と答えると、

「シーンの途中で君にこの顔写真を渡すから、君はそれを受け取って隣にいる彼と一緒に写真を確認する演技をしてくれないか。その方が動きが出ると思う。」

小澤さんからアドリブで指示が出ます。

”分かりました。”

なんかこの時、「今回のシーンが映画に使われるかどうかは分からないし、そもそも自分はほとんどカメラには写ってないとは思うけど、今自分はハリウッド映画に参加してるんだ。」っていう実感が湧いてきました。

そして、何度もカメラの位置が変わる中、小澤さんに指示された演技をひたすら繰り返したのでした。
 

あ、そう言えばこの撮影の途中に、ロケ現場の中を中国人の団体バスが通りました。
この辺りは数千年前の原生林が残っている事で知られていて、観光客もたくさん訪れるみたいです。

バスに乗っている中国人たちは、セットで撮影をする僕たちの方を見て「何をしてるんだろう?」と、首をかしげています。

そんな様子を見たADは手に持っていた無線を使って、「みんな手を降ってー。中国人がこの森を買い占めに来たよー。」とジョークを飛ばしていました。笑
 

きっこ、初めての映画撮影に挑戦。

一方その頃。
きっこはどうしていたかというと…

—–きっこの日記—–

今日はまさかの撮影日。
ないと思っていたけど、あった。

午後3時に集合して衣装を着ました。
前に衣装合わせした、ボロボロのパーカーと泥にまみれたズボン。

でもしばらくして、やっぱりこっちに着替えて。
と言われ、出てきたのは着物。

そして特殊メイクが施されたマスクをかぶるために、髪の毛を全部上げて帽子みたいなのをかぶって、おでこ全開の恥ずかしい状態に。
それから手と首元にメイクをして完成。

そして、最前線でカメラに写る予定の幽霊たちは特殊メイク。
一人当たり数時間かけてメイクしていました。大変!!

あとはただひたすら待ち。。。

幽霊仲間のちえみとまりちゃんや、他のセルビア人幽霊たちと一緒に待ちます。

—–きっこの日記おわり—–
 

ハリウッド映画でだいごろときっこが競演する?!!

話は僕の撮影に戻って、小澤さんとのシーンを撮っている所。

一連のシーンを撮り終えると、今日も主演のナタリーが登場しました。
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今日は僕たちが参加しないシーンもあったので、ナタリーや小澤さんの演技を間近で見守ります。

すると、何度も撮り直していたシーンで小道具の一部が壊れてしまいました。
しかもその小道具はひとつしか用意されていなかったので、静まり返る現場…。

ADが無線でディレクターに確認して、ディレクターの判断を待ちます。
 

…そして数分後。

「みんなに悪い知らせと良い知らせがある。」

無線でディレクターの指示を受け取ったADが口を開きました。

「まずは悪い知らせ。
 小道具が壊れたから撮影は続けられない。
 そして良い知らせは…、このシーンにOKが出た!今から全員ランチタイムだ!」

その声と同時に周りにいたスタッフ全員から拍手が起こります。

”やったー!やっとランチが食べられる!!”

って思わず言ってしまったけど、よく見たら空は真っ暗でもうすっかり夜。
撮影陣はみんな昼夜が逆転してるから、夜の7時に食べる食事はランチと呼ぶみたい。笑

スタッフやエキストラが食堂に向かう中、ナタリーはいつもの車に乗ってロケ現場から去っていきました。
今日のナタリーの撮影はこれで終わりのようです。
 


お腹が減っていたエキストラメンバーはベースキャンプへ戻ると、一目散に食堂へ。
今日はキッチンを搭載したトレーラーとシェフが来ていて、いつもより豪華なディナー…、じゃなかったランチです。やったー!

他のスタッフたちも一斉に休憩に入ったので、食堂にはランチ待ちの大行列。
まだかなぁとご飯を楽しみにしながら並んでいると、どうも様子がおかしい事に気付きました。

よく見たら僕の前に並んでいる人たち全員、特殊メイクした幽霊だ!!怖すぎる…!

着物を着た幽霊たちは特殊メイクをして動きにくいのか、フラフラしながら列に並んでいます。
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そして、食堂に並ぶ幽霊たちの異様な光景にビックリしていると、なんとその中の一人はきっこでした。笑

”あれ?まだ撮影してないん?”
きっこたちは別の場所で撮影をしていると思っていたので、まさかこんな所にいるとは。

”うん。撮影は日付が変わってからになると思う。”

”あれ、じゃあもしかしてこっちのエキストラと一緒かな?”

そう思って、ふとスケジュール表を見てみると、
なんと僕ときっこたち幽霊のエキストラが登場するのが同じシーンになってる!

”ハリウッド映画できっこと共演?!!笑”

どっちもエキストラだから背景程度にしか映らないだろうけど、面白すぎるシチュエーション。
この後の撮影が楽しみです♪
 

だいごろ、撮影中に森で遭難?!

かなり遅めのランチの後は、森の中で待機。
ひたすら次の出番が来るのを待ちます。

昨日は食事をする暇もなく撮影があったからすぐに出番が回ってくるだろうと思っていたけど、全然招集がかからない。

待っている間はエキストラのメンバーで話をします。
日本人のメンバーは個性的は人ばかりで面白かった。

この日は、セリフ付きで出演していた長谷川さんという男性と話をしました。
長谷川さんはスロベニアでガイドの仕事をしているそうで、ちょっくらバイトしにきたおじちゃんって感じでした。撮影中は「スロベニアで働かない?」と、しきりに勧誘してくるので要注意です。笑

長谷川さんはすごく人当たりが良くて話し好きなので、撮影そっちのけ(?)で出演者の人に次から次へと話しかけていました。
一回「アクション!」って言われてるのにまだ話してて、周りが動き出したのを見て慌ててたのが面白かった。笑
 

長谷川さんには「だいごろさん、その衣装めちゃくちゃ似合ってるよ!ハマり役だね!」と何度も言われました。

”当然です。これ全部私服だし、一年がかりで役造りしたようなもんですから。笑”
 

この時に長谷川さんと一緒にいたのは僕と同年代の日本人エキストラ”ようすけ”。
ようすけはNHKワールドのディレクターをやっているので、撮影の方法や裏話を色々と教えてくれました。
普段とは逆の立場の仕事をするようすけは現場をすごく楽しんでいるように見えました◎
 


2時間後。
ひたすら森の中で待ち続けていた僕たちエキストラメンバーは、眠気と寒さでだんだん口数が少なくなってきました。
地面は雨でぬかるんでるから座れないし、ここは標高が高いし夜の森の中だからとにかく寒い…。

エキストラの中にお年寄りの中国人の男性がいたのですが、気付いたら木の根っこの所に横向きになって寝ていました。おじさんは待っている間はずっと辛そうにしていたので、失礼かもしれませんが、横になっているおじさんを見つけた時は死んじゃったのかと思ってビックリしました。笑
 

それにしても寒い…。
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「これがホントのザ・フォレストだね。」と冗談を言いながら待っていると、森の中から足音が聞こえてきました。
 

足音の方向を見てみると…、

なんとナタリーでした!!
まだ撮影が残っていたんだ。

もう日付が変わっているけど、今日のナタリーはすごくご機嫌。
極寒の森で遭難しかけていた僕たちエキストラに、「ハロー!」と笑顔を振りまきながら前を通り過ぎていきました。
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出典:http://blog.livedoor.jp/outofblue/tag/ナタリー・ドーマー
 

そしてナタリーのシーンの撮影に再びエキストラとして参加し、今日の撮影は終了。
きっこと同じシーンの撮影は結局ありませんでした。明日撮る事になったのかなぁ?
 

森の出口へ向かって歩きながら辺りを見渡してみると、そこにはさっきまで凍えて遭難しそうになっていた深い森が。

確かにザ・フォレストだ…。
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きっこ、ついにハリウッド映画の撮影へ!

その頃きっこは…。

—–きっこの日記—–

深夜3時ごろ。
ようやく森の中へ移動するように指示が入りました。

でもあいにくの雨模様。
こんな状態で撮影できるのかな…。
また明日撮り直しとかになるのかな。

テントの中でみんなで待ちます。
 

しばらくするとネマニャがやってきました。

「1、2、3…。」
幽霊の数を数えます。

でも、どうやらちょっと足りないみたい。

「Where are Colleague yureis(同僚の幽霊たちはどこだ?)」と私に聞いてくるネマニャ。

さっき見かけていたので”あっちにいるよ。”と教えてあげましたが、幽霊の同僚っていう言葉に思わず笑ってしまいました。笑
 


そして幽霊が全員集まりました。
雨はまだ上がらないけど撮影決行です。

撮影現場へと向かう森の小道はどろっどろ。
滑りそうになるのをスタッフになんとか支えてもらいながら歩きます。

そして立ち位置について撮影開始。

私はマスク被ってたから正直何が起こってるのか全然分からなかったけど(笑)、撮影は着々と進んでいきました。

そして撮影は無事終了。
あんなに待ったのに撮影は一瞬だったな。
 

森の中からベースキャンプへは歩いて帰ります。
雨でぬかるんでて歩きにくいなぁと思ったその時、
思いっきり滑って転んで、衣装がどろどろになってしまいました…!

後で衣装さんに怒られるかと思ったけど何も言われなかった。
撮影が終わった後で良かった…。

もし転んだのが撮影前だったらどうなってたんだろう。
考えただけでも恐ろしい…。
 

衣装を脱いでバスに乗り込んだときはもう朝の5時をまわっていて、すっかり夜も明けていました。

エキストラメンバーが揃うとネマニャがやってきて、エキストラの撮影は今日で全て完了した事が告げられました。元々の予定では明日も撮影があるはずだったけど、だいごろも私も今日で撮影終了。

私たち二人のハリウッド映画への出演は、間違いなくこの旅最大のサプライズだった。
私の出番は少なかったけど、現場を見ているだけでもすごく刺激的で楽しかったな。

そして、このスケジュール変更によって撮影が前倒しで終わった事が、私たちの次なる大きな出会いへの前兆だったのでした!

つづく



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