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26/JUN/2015 in Serbia

この先は撮影中の内容なので詳しくは書けません。ご了承ください。
 

夕暮れ時から雨がパラつきだしたロケ現場。

「ストップ!」がかかる度に、ナタリーの周りにはスタッフが真っ先に駆け寄って傘をさし、髪にビニールでできた帽子を被せていました。さすが主演女優!

エキストラはちょっとぐらいの雨だったら放置されているというのに…。
まあ当たり前か。笑
 

まだまだ続くメインキャスト陣との撮影。

ナタリーが登場してから二つ目のシーンを撮っていた時。
三回目ぐらいのショットでナタリーが何かを訴えました。

完全に役に入り込んでしまったのか、自分の演技に納得がいかなかったのか、かなり取り乱しているナタリー。
メイクさんや傘を持った人が急いで駆け寄り、ナタリーの様子を確認しています。

そして、ナタリーはディレクターと話したいと言ってモニターのあるテントへと入って行きました。
撮影スタッフやAD、エキストラたちはナタリーとディレクターとの話し合いが終わるのを待ちます。

しばらくディレクターと二人きりで話したナタリー。
戻って来ると別人のようにご機嫌でした◎
 


その後は順調に撮影が進み、気付いたら辺りはすっかり真っ暗になっていました。

夜の深い森の中で進む撮影。
今日は僕たちエキストラも休みなしで出番が続きます。
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今日は昨日とは違って待ち時間が全然なくて、ロケ現場に来てからはずっと撮影。

だから、ごはんをゆっくり食べる時間もなし。
ネマニャやアシスタントスタッフが、食堂からディナーをパッキングしてロケ現場へ運んでくれました。
今日も撮影がないのに現場へ来ていたきっこも、スタッフに混じって運ぶのを手伝っていました。

パック詰めされたディナーはロケ現場のテント横に置いてあったけど、なかなか食べる時間がない。
撮影の合間を見計らって急いで搔き込みました。

そしてまだ半分も食べ終わらない内に、再び撮影に呼ばれます。
エキストラだと思って油断してたけど、思ったより忙しい。

ちなみに撮影中にちらっとテントの方を見てみたら、きっこもちゃっかりディナーをもらっていました。さすが。笑
 


撮影の最後は大きなクレーンを使って上空から撮影。

建設現場で見かけるような大きなクレーンにカメラマンが乗り込んで撮ります。
クレーンのアームが真っ黒な空高く伸びていくのを、口をあんぐりさせながら眺めます。
こんな大掛かりな装置を使うなんてすごい!!
 

しばらくすると撮影機材とエキストラ、役者さんたちのスタンバイが完了。
最後の撮影なので、スタッフが全員テントから出てきて撮影の様子を見守っています。

よく見てみるとスタッフの数もすごい。
衣装さん、メイクさん、カメラさん、照明さん、音声さん、マネージャー…最低でも30人はいる。
映画の撮影ってお金も時間もめちゃくちゃかかってるんだ。
 

そして、ついに撮影二日目の最後のシーンが終了。

今日もきっこは撮影もがないのに雨のパラつく極寒の森の中、6時間以上も現場をじーっと立って見ていました。
 

まさかのどんでん返し。きっこも撮影に参加できる?!

ポリスマン役の”たつや”を含むエキストラ数人は居残りで撮影があるので、僕たちは一足先に衣装室のあるベースキャンプへと戻ります。

他の人の撮影が終わるまでの間はコーヒーを飲みながら休憩。
もう明け方で寝る時間だけど、暖かくて美味しいコーヒーが身体に沁み渡ります。

他のエキストラたちは私服で出演している僕と違って着替えに時間がかかるので(笑)きっこと二人でゆっくりしていると、昨日と今日の撮影中ずっと話していて仲良くなったモンゴル人のテイコがやってきました。

初日の撮影の所でもちょっと触れたけど、テイコはモンゴルの伝統的な遊牧民の家で産まれ育ちました。
僕たちにはモンゴル人の友達なんていなかったから、彼の話は何を聞いてもびっくりするくらい面白い事ばかり。
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”テイコの家にはどんな動物がいるの?”

「モンゴルで主な家畜は5種類いるんだよ。
 馬、ラクダ、羊、ヤギ、牛。その他にも、ブタとか鶏を飼うこともある。」

”そうなんだ!何頭ぐらい飼ってるの?”

「まず、馬は百頭で…」

”ひゃくとう!?”

「うん、モンゴルでは普通。」

”なんでそんなにいっぱいいるの?食用?”

「食べることもたまにはあるけど、基本的には乗り物として要るんだよ。」

”でも乗り物だったら一人一頭でいいから、一つの家にそんなにいっぱい要らないでしょ?”

「ううん、要るんだ。
 毎日ちがう馬に乗るようにしないと、馬が疲れちゃうから。
 例えば、学校に行くとき乗る馬と、学校から帰ってきて友達のところに遊びに行く馬は別の馬に乗るんだ。
 だから、一人当たり10頭以上の馬が要るんだよ。」

”そうなんだ!全然知らなかった!!”
 

テイコはさらに続けます。

「例えばおじいちゃんが馬を売りに行くときの話をしようか。
 僕の家から馬を売りに行く街までは7日間かかる道のりなんだ。
 だから、おじいちゃんは7頭の馬を連れて行って、毎日交代で馬に乗るんだよ。
 それで街に着いたら7頭の馬を全部売って、儲けの一部のお金を使ってバスに乗って帰ってくるんだ。」

”なるほど!!”
 

テイコの話は僕たちの全然知らない世界の事だから何を聞いても面白い!

「馬ってすごく賢いんだよ。
 俺の学校までは15kmもあったんだけど、朝馬に乗って馬の上で寝ていたら、勝手に馬が学校まで連れて行ってくれるんだ。起きたら学校に着いてるんだよ。車よりも全然便利でしょ!」

他にも、冬は子ヤギや子羊は寒くて死んじゃうから抱っこして一緒に寝る話や、おじいちゃんが弓矢の名手だった話をしてくれました。

モンゴルの生活、気になるなぁ。
 


もう空も明るくなり始めた朝の4時頃。
モンゴルの話で盛り上がっていると、居残り撮影をしていた”たつや”が帰ってきました。
これでホテルへ帰れるぞ!あー疲れた!!

エキストラ全員の着替えが終わると、いつものドライバーが運転するいつものバンに乗り込みます。

「明日も同じ時間、同じ場所にバンが迎えに行くから。それじゃあゆっくり眠って疲れをとって。また明日。」
ネマニャは全員と視線を交わすと、最後に僕たちの方に駆け寄って来てこう言いました。
 

「明日、きっこも撮影があるよ!よかったね!」
 

”え?! 撮影?!!”

驚きながら尋ねると、

「そう。待機している残りのエキストラも一緒だから。」

やった!!きっこも撮影に参加できる!!

今日の撮影が予定よりもスムーズに終わったからなのか、ディレクターの気が変わったからなのか。
どちらにしても、これまで2日間ずっと待ちぼうけだったきっこに出番が回ってきた!
 

”明日になったらまた無くなるかもしれへんけどな。”

まだ疑っている様子のきっこですが(笑)、このタイミングで明日のスケジュールが変更になる事はまずなさそう!

これまでずっと僕たちの撮影を見るだけだったきっこ。
嬉しい事に最後の最後でどんでん返しが待っていました!

明日は二人で撮影だ!!

つづく



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