長距離バスでまさかの乗り過ごし…。そして聖なる僧院で眠りにつく。
17〜18/JUN/2015 from Thessaloniki to Rila Monastery
ギリシャ第二の都市テッサロニキに着いた夜。
このあとブルガリアに移動したかったので、駅の周りでブルガリアへの国際バスを探します。
ツーリストインフォメーションに聞いても「もう閉まってるから無理」と言われたけど、なんとか夜行バスを扱っている会社のオフィスを発見しました。場所は駅の東側です。
チケットを無事購入したけど出発は日付が変わる時間だったので、それまでオフィスで待機。
でもエアコンも効いてるし、Wi-Fiもあるし、ウォータークーラーもあるしでめちゃくちゃ快適でした。
長距離バスでまさかの乗り過ごし…!
バスは深夜0時に出発予定だったけど、遅れに遅れて日付が変わった午前1時過ぎに出発。
でも最近の移動はずっとヒッチハイクだったので、久々のバスに二人ともご機嫌です。
これまで何度もバスに乗ってきたはずなのに、今日はバスに乗るのがめちゃくちゃ新鮮。
初めて乗る時みたいな変な感じです。
そしてバスはブルガリアに向けてひた走り、もう何時だか確認する気にもならないぐらい眠たい時間帯に国境に到着。
バスの中に係の人が入って来てパスポートチェック。外にでなくていいから楽ちんでした。
国境には免税店や巨大なカジノが見えます。
ブルガリアに入ったら小さい店がたくさんあって、深夜なのに何軒か開いていました。
そしてブルガリアへの入国手続きが終わったら、二人ともすぐに爆睡。
気付いたら朝になっていました。
時計を見ると午前7時。
でも私たちが降りる街には早朝5時ごろに着く予定。
”え?!乗り過ごした!”
ドライバーにも乗務員にも着いたら起こしてくれと頼んでいたはずなのに…!
携帯のGPSを確認すると…やっぱりとっくの昔に私たちが降りる予定だったブラゴエフグラッドの街を通り過ぎてました…。
慌ててドライバーに相談すると、しまった忘れてたという感じのリアクション。
乗務員の人が会社のオフィスに電話をかけて何やら確認を始めました。
そして、「ソフィアに着いてから、ブラゴエフグラッドに行くバスに無料で乗せてあげるから」と言ってくれました。
そこからは1時間もしないうちにソフィアに到着。
ソフィアに着いてすぐにギリシャ側に折り返すバスがあったので、なんとかそれに乗ることができました。
なんとかなってよかったけど、時間的にはものすごいロスだな…。
そしてようやくブラゴエフグラッドに到着。
よく考えたらここに早朝に着いてても何もすることがなくてひたすら待っていた思うので、むしろバスで寝られてよかったかも。
パン屋さんで朝ごはんを買って、リラの村に向かうミニバスに乗り込みました。
写真は優しいパン屋さんの店員。
彼女は私たちにこの街の地図をくれました。店で買ったら数百円はするやつです。どうもありがとう。
ミニバスの窓から見えるのはのどかな田園風景。
パン屋に売っていた謎のドリンクを買って飲んでみましたが、すごい味。
味がビールっぽいけど何かが発酵しててて酸っぱい。マズイってほどじゃないけど、多分もう2度と買わないと思う。笑
私たちがいま向かっているのはリラの僧院。
ブルガリア正教の総本山として有名な教会があって、その周りが修道院になっている場所。
そこではもちろん何人もの修道士が活動しています。
リラの村に着いたら、さらにミニバスに乗って僧院のある山奥へと向かいます。
バスは1日3本だけ。次のバスの出発が2時間後だったので、街でカフェをしたり、食料の買出しをして待つことに。
カフェは安くて美味しかった!
東ヨーロッパのカフェのクオリティ高し。
これは村にあった小さな商店で買出ししていた時に見つけた変な形のトマト。
この国の炭酸飲料は2.5lとか3.0lが普通に置いてあって、1lとか1.5lの需要が少ないみたい。
これはブルガリアのどのスーパーに行っても置いてあるトマトとナスのソース。
この時に初めて見つけて買ってみたのですが、めちゃくちゃ美味しくて、この後のブルガリア滞在でもかなりお世話になりました。
そのままパスタソースとして使えます!玉ねぎとかとも良く合う。
山の奥のリラの僧院へ。
リラの村からミニバスに揺られて山道を抜けるとリラの僧院に到着。
リラの僧院は静かな山間ありました。
門をくぐると、真ん中に佇む美しい教会。
派手派手しさのない落ち着いた雰囲気に引き込まれます。
教会の内側の壁には一面のフレスコ画。
教会中は撮影禁止ですが、たくさんの美しいフレスコ画がありました。
外壁にはこんな生々しい地獄絵図も描かれていました。
そして、教会の周りを取り囲むように修道士たちが生活する僧院があります。
そうそう、そういえばここで日本人の団体客に出会って驚きました。
スペインでもイタリアでも出会うのは韓国人や中国人の団体で、なんだか切ない気持ちになったけど、こういうちょっとマニアックなところが日本人には人気なのかな。
僧院の装飾はすごくユニークで雰囲気がある。
いつまで見ていても飽きる事がありません。
そして、なんとこの僧院には宿泊する事ができるんです!
私たちがここに来たのも僧院に泊まるため。
宿泊の受付開始までまだ1時間ぐらいあったので、僧院の片隅に座って待ちます。
目の前にはドバドバと流れ続ける水場が。
試しに飲んでみたら、この水めっちゃ美味しい!
お前も好きなんだね。
あ、こいつも。
さらに待っていると、ブルガリアの中学生たちに写真を撮ってと言われました。
次は高校生。
みんなフレンドリーで可愛らしい。
そしてようやく宿泊の受付が開始しました。
通常の観光客は立ち入り禁止のエリア。
僧院の最上階に案内されました。
私たちが泊まるのはこの部屋。
部屋の中はシンプルです。
シャワーはないけど一晩泊まるには十分です。
部屋を一歩出ると教会が目に入って心が和みます。
上から眺められるのは宿泊客だけの特権。
教会の横には時計がある塔がありました。
この時計の機械仕掛けが面白くて、二人でじーっと眺めていました。
1時間おきに鳴る鐘は、ちゃんと時間の数だけ鳴るように設計されていて感動しました。
色んな角度から教会や僧院、山々を眺めます。
ここの空気は本当に清々しくて、呼吸をしているだけで心が澄み渡っていくかのようでした。
僧院の夜
夕方、雨が降りました。
雨が降ると木の匂いと森の匂いが一気に立ちこめる。
ここはキリスト教の施設だけど、古い木の匂いが日本のお寺を彷彿とさせます。
懐かしいし、心が落ち着きます。
雨音を聞きながら僧院の部屋の中で過ごす静かな時間。
窓の外には深い山々。
だいごろの姿が見えないと思ったら、僧院に住み着いた友達と遊んでいました。笑
ここの猫はよく太ってた。笑
猫なのに足取りが重くて、ドタドタ歩いてました。
山奥の僧院は21時になってもまだ明るい。
でもだんだん空気が冷たくなってきて、山に霧が立ちこめてきました。
長袖を着ていないと肌寒くて、昨日までいたギリシャの暑さが嘘みたいです。
ここの雰囲気が本当に好きだ。
静けさ。
人がいなくなってから時々見かける修道士。
煙突から登る食事を作る煙。
食堂から聞こえる食器の音。
鳥のさえずり。
そして夜。
僧院に明かりが灯りました。
夕立で濡れた木造の建物と石畳に反射する柔らかい光。
その優しい光が眠りについた教会をぼんやりと照らしていました。
僧院の部屋に戻りベッドに横になる。
まるで俗世とは切り離されたような山の静けさと、荘厳な僧院。
私たちはそんな素晴らしい雰囲気に包まれて、優しい眠りに着いたのでした。