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29/AUG/2014 from Khartoum to Kassala

今日は首都のハルツームからスーダン東部にあるカッサラへバスで移動する日。
バスは朝6時半出発で115ポンド。
ミナーベリーというバスターミナルへ出発の1時間前に到着しました。

バスターミナルの入口には厳重なゲートがあり、一人ずつ荷物チェックをするので大行列。しかも大雨が降って来てずぶ濡れに。朝っぱらからテンションがさがる。

地元の人に聞きながらバスターミナルの中でカッサラ行きのバスを発見すると、意外にも超綺麗な大型バス。
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座席にもビニールがかかったままの新車です!
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でも、バス乗り込む前に車体の下にある荷物入れにザックを預けようとすると、なんと荷物係の人が油性のマジックでザックに直接番号を書き込みました!
慌てて止めたけど時すでに遅し。
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ひどい!日本では考えられない!
お母さんから借りてるバックパックなのに!

この国の人は何も気にならないのかな?
何回もバスを乗ってる人の鞄なんて、どれがいつの番号か分からなくなるだろうに…。
日本だったら損害賠償問題にも発展しかねない。

まあ…しゃーないか。スーダンだし。
 


バスに乗り込むといつものようにスーダン音楽が流れる。
相変わらず単調で演歌みたいな音楽だ。

今回は席が前の方だったので、初めて字幕を読んでみる。
「ムハンマドとその家族を讃えよう」
「金曜はお祈りしよう」
といった内容の歌詞。
宗教的な歌だったとは知らなかった。

それから、スーダンの漫才。
何言ってるのか全く分からないけど、車内は大爆笑。
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バスのスタッフが番組を変える。

すると、画面に現れたのは一人の男性。
男性が眈々と語りかける。

男性と交互に現れるのは津波の映像。
ヤシの木が覆い茂る場所。インドネシアだろう。

この映像が衝撃的だった。
ビーチに座っていて津波に飲み込まれる人。
家にしがみついていたけど流されてしまった人。
浜に打ち上げられた遺体。
瓦礫に紛れて変に曲がった遺体。
海に浮かんでいる遺体。
無造作に並べられた遺体。
ブルドーザーで運ばれる大量の遺体。
あまりに生々しい…。

村に押し寄せる津波。
映像の中に赤丸の印がついていると思ったら、そこには仏像があった。

それとは対象的に、瓦礫の中で無傷で立つモスク。

そう、これも宗教番組。

男性は語る。

「アッラーを信じていさえすれば、こんな目に合わずに済んだのに。」

次第に声を荒げ、涙を流しながら訴え続ける。

バスの中の人は哀れみの目で映像を見つめる。

…こうやって、公共の乗り物でも当たり前のように宗教番組を見て、
イスラム教が心の奥底に染み付いていく。

それにしても、津波の映像を利用するなんて。。
 

途中、バスのスタッフからマンゴージュースとおやつが配られました。
イメージしていたアフリカのバスとは全然違ってサービスがいいです。
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あと、車内に乗り込んで来た売り子から買った茹でた豆。
最初は全く興味なかったけど、私を取り囲むように座っていた人が全員この豆を買ったのでよっぽど美味しいのかと思って半信半疑で買った。
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でも、全然美味しくない。ただの塩味の煮豆。
ビニールみたいな味がするし豆のうまみもないし、失敗した。
しかも、後日この豆のせいで大変な目に合う。
ちなみにだいごろは全く手をつけませんでした。

他にもポットに入った飲み水を持ってバスのスタッフが回って来たけど、例によってミルクコーヒーみたいに茶色く濁った泥水だったので遠慮しておきました。。

赤ちゃん用のボトルに入った水が茶色く濁っているのが分かりますか?
これを赤ちゃんが飲むのかと思うとショックです。。。
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バスは9時間ほど走り、車窓からはカッサラのシンボルであるタカ山が見えて来ました。
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バスターミナルはカッサラの街の中心から少し離れた所にあったので、街へはタクシーで移動します。
カッサラのタクシーはこの水色の車。バスターミナルには何故かトゥクトゥクはいませんでした。
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タクシーを降りて向かったのはカッサラのスークの近くにある”ダルフール”という名の安宿。
写真左側の水色の建物にあります。
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部屋は3人部屋ですが、今日泊まっていたのは私たちだけ。2人で60ポンド(約700円)でした。
トイレは汚物が溢れていて汚いし、蚊だらけなのに蚊帳もありませんでしたが、他に安そうな宿が見当たらなかったので今日はここで我慢する事にしました。
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宿のバルコニーからはカッサラのシンボルであるタカ山が見えています。
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荷物を置いて宿の人にパスポートを見せてチェックインしていると、上の階に日本人が泊まっているぞと教えてくれました。

泊まっていたのはオオヤマさんと言う方で、もう何年も世界を旅している長期旅行者。
今年は西アフリカをモロッコからカメルーン辺りまで旅してから、東アフリカを北上しているそうです。かなりの強者。
 


宿で一段落してから私たちが向かったのは、あかおさんから紹介してもらったカッサラで働いている”ゆうき”という女性の滞在先。
ゆうきは私と同い年。初対面でも肩を張らずに安心してお話できる、とっても魅力的な女性でした。

彼女は開発コンサルという仕事をしていて、 JICAと一緒にプロジェクトを進めています。任期は2年って言ってたかな。
この職種、企業ではなくプロジェクト単位で採用されるというスタイルでプロジェクトが終わった途端になんと解雇されてしまうらしく、その後別のプロジェクトを探して就活しなくてはいけないそうです。何たる不安定さ…!
ゆうきの職場の人は、世界各国を点々としているような人ばかり。
こんな職種があるなんて知らなかった。
 

私たちがゆうきの滞在先に着いたとき、土曜にも関わらず打ち合わせ中でした。
「ちょっと待っててね」と言いながらユウキが手渡してくれたのがこれ!
抹茶しふぉんと麦茶!!
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甘さ控えめの日本の味と、懐かしい麦茶の味!
麦茶ってこんな味だったなぁー!!

お菓子と麦茶で感動していた私たちに、ゆうきはさらに追い打ちを掛けてきます。

「代々受け継がれた日本の食材がたくさんあって、食べきれないからどんどんもらってくれていいよ」とありがた過ぎるお言葉!
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カレー、そうラーメン(最近日本で流行っているらしい)、マルタイの棒ラーメン、ふりかけ、ポカリなどお言葉に甘えてたくさん分けてもらいました!!!
感激です!!
 

ゆうきの滞在先はカッサラプロジェクトに関わる開発コンサルメンバーがずっと引き継いできている場所。
外の食事は同じものばかりで飽きるし栄養のバランスも良くないので自炊することが多いそうです。

キッチンには日本の調味料がずらり。
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これだけあれば何でも作れる!
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ゆうきの滞在先(3階立て)の屋上からはこんなに綺麗にタカ山が見えました。
高いビルが全然ないからなぁ。いい眺めです。
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ゆうきの打ち合わせが終わってから、ゆうきと3人で川沿いのお茶屋さんへ行くことにしました。

これがエチオピアから流れるガッシュ川。
今は雨季なので川幅が広いですが、乾季には枯れ川になるそうです。
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カッサラは砂漠のオアシス。
このガッシュ川の水が濾過され地下水となってこの村の地下に溜まっているため、年間を通じて水環境に恵まれているそうです。
 

お茶屋さんは乾季は川底に広々と椅子を並べるそうですが、今は雨季なので川岸にずらりと並んでいます。

山と川を眺めながら、地べたに座って名物のカッサラコーヒーを飲む。気持ちいい!
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カッサラはコーヒーが美味しい事で有名で、街の至る所でコーヒーを飲む事が出来ます。
シルバーの変な形をしたのがコーヒーポット。上から出ている繊維はフィルターの代わりです。

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ちっちゃい湯のみに砂糖をたっぷり半分ぐらい入れて、上からコーヒーを注ぎます。
一杯飲み終われば、また砂糖を追加してもう一度コーヒーを注ぎます。
これぞ、スーダン流!

カッサラはエリトリア国境に近いので、他のスーダンの街に比べてコーヒーが美味しいようです。
同じスーダンでも濃度やスパイスの配分が様々なのが面白い。
でもだいごろはコーヒーに砂糖を入れるのが好きではないので、甘すぎてもはや別の飲み物だねと言っていました。
 

コーヒーを飲んでゆっくりしていると日も暮れてきたので、今度は晩ご飯を食べる事に。

ゆうきオススメの店へ向かいます。
 

歩いていると何故か道路脇にいっぱいいたアヒル。野生??
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今日の夕食はカッサラ名物の石焼ラム肉。
その日しめたばかりの新鮮な肉を使うのが自慢のお店です。
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良いにおいが漂ってきます。
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ラム肉は全然臭みがなくておいしい!
しかも三人でたったの60ポンド(約700円)。
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スーダン流、手で食べるごはんのコツをユウキから伝授してもらいました。
ライスを食べるときは手で握ってから親指で押し出すようにすると食べやすいそうです。でもやっぱりごはんはパラパラとこぼれやすくて難しかった。笑

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あー、楽しかった!
 

でも…実はこの夕食の途中から私の身体に異変が起こっていました。

味はおいしい…けど、なぜか胃のむかむかが止まらない。

食事を食べ終わった後もなんだか調子が悪かったので、ユウキと別れた後はすぐに帰って眠ることにしました。
 

▶︎次回:きっこ、アメーバ赤痢&細菌性赤痢にダブル感染で倒れる!!
 



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