イランの遊牧民にごちそうを頂きました。そのお味は?
23/JUL/2015 in Chama
アスカルのテントに戻ると、お姉さんがお昼ごはんを作っていました。
お昼ごはんは羊肉のシチュー。
羊肉は臭みが強いかと思ってちょっと怖かったけど、新鮮な肉だったみたいで全然臭くなくて美味しかった!
お姉さんは料理上手です。
肉は週に2回ぐらいって言ってたから遊牧民の家族にとってはごちそう。
きっと私たちのために用意してくれたんだ。
ごはんを食べながらみんなとお話し。
アスカルがこんな本を持って来てくれたので、これを使って会話します。
Farsiというのはペルシャ語のことで、英語圏の人がペルシャ語を勉強するための会話本です。
昔一度だけドイツ人の旅人がこの場所を訪れたことがあって、そのときにこの本をプレゼントしてもらったそうです。
それ以来アスカルはこの本を頼りに独学で英語を勉強しているんだって。
話し相手もいないのに独学で喋れるようになるなんてすごい!
ごはんの後、お姉さんがテントの隅から何かを取り出したと思ったら、民族衣装でした。
「これ着てみて!女性用はこっち!」
そう言って、サイズが小さいドレスが破れそうになっているのもお構い無しに、私にグイグイ着せて来ます。
”危ない!破れる!”
って言ってるのに、結局全部着せられて、こんな感じになりました。笑
男性はピアノの鍵盤みたいな黒と白の縦縞がついた服と帽子。
女性はワンピースの下にもう一枚スカートを重ねたドレスです。
私たちが民族衣装を着て遊んでいると、横でお母さんが糸をつむぎ始めました。
下の毛糸玉をクルクルと回すと、毛束が長い糸になっていきます。
私も教えてもらってやってみたけど…全然できない!!
何回やっても全く糸にならない。難しいんだなぁ。
それからもしばらくペルシャ語を教えてもらったりしながらテントでゆっくりさせてもらいました。
アスカルによると、このテント生活は1年のうち夏の間のたった3ヶ月だけだそうです。
それ以外の季節は村で過ごすんだとか。
この辺りは冬はすごく寒くて雪がたくさん降るから、放牧できないんだって。
イランって砂漠の国で暑いイメージだったけど、こんなところもあるなんて意外です。
話をしている途中にテントの隅に変なものを見つけたので何となく被ってみました。
これは遊牧民の帽子…ではなく、テントの天井にぶら下げる飾りです。笑
遊牧民の生活では運べる荷物って限られているけど、こんな重たい飾りをわざわざ持ち運んでるみたい。
きっとこういう色鮮やかなものがあると生活が明るくなるんだろうなぁ。
見ず知らずの私たちに優しくしてくれたアスカルの家族。
ささやかなお礼にと、最後の血圧測定をさせてもらいました。
(世界ぽろり旅の血圧測定についてはこちら)
みんな病院にはなかなか行けないそうなので、喜んでもらえました。
よかったよかった。
テントから辺りを見回してみると、川の水は綺麗だけどほとんど草もない茶色い大地。
こんなところで毎日生活するのは大変だろうなぁ。
放牧できていることが不思議なぐらいです。
楽しかった遊牧民の人たちとの滞在も終わりの時間が近づいてきました。
今日こそはサルアガセイエッドという村に向かわなければ。
ここを去るのはすごく名残惜しかったけど、家族のみんなにお別れを言ってテントを後にしました。
サルアガセイエッドへのバスは、昼の2時か3時に来ると言われたから2時から待ってたけど、全然来る気配がありません。
”まだかなぁ?”と2人でつぶやきながら道端で待っていると、一台の車が私たちの前で止まりました。
「どこから来たの?写真を撮っていい?」
言われるがままに写真を撮っていると、別の車が止まりまた写真を撮らせてほしいと言われました。
その後はとっかえひっかえ人がやってきて、私たちの周りには常に人だかり。
もう30分は写真を撮ったり質問攻めにあったり。最初は嬉しかったけどさすがに疲れてきたな。笑
みんなとにかく話がしたいし、一緒に写真を撮りたいみたい。
そして、また2台の車が止まり、中から15人ぐらいの家族が一斉に降りてきました。
家族の人たちは女性が多くてとにかく賑やか。
ずーっと話してくる。
写真もいろんな組み合わせで延々と撮り続けて止まらない。
終いには何故か出会った瞬間の動画を取りたいから、と言って、「ハロー、ハウアーユー」から始まる挨拶を何度も何度も撮り直し。
こっち ”疲れた!” って言っても、ごめんねー、と言いながら撮り続ける女性たち。
やっと挨拶の動画が撮れたと思ったら、「今度は私の息子と出会った時のシーンを撮るから!」と言ってカメラを回し始める母親。
なんてマイペースなんだろう…。
家族は「ありがとう」と言って最後にスイカを分けてくれました。
疲れたけどスイカが美味しかったからまあいいや。笑
その家族が去った後は、また誰かに声をかけられるんじゃないかと思って、ビクビクして顔を上げることができなかった。。
何となく有名人の気持ちが分かったような気がします。笑
それぐらい、イラン人の私たちに対する好奇心は強烈だった。
今日は一体何枚写真を撮られただろう。何回国籍を聞かれただろう。
ほんと、イラン人は私たちに興味津々だ。
バスが来るまでは、アスカルのお父さんがずっと一緒に待っていてくれました。
待っている間は、アスカルのお父さんと一緒に遠くに置いたペットボトルに石を当てるゲームをしていました。
私たちは何回投げてもなかなか当たらないのに、お父さんは一発でペットボトルを倒したかと思ったら、その倒れたペットボトルに向かって追い打ち。3回、4回と連続して当てていました。
お父さんコントロール良すぎ!さすが遊牧民!笑
そんなこんなで結局バスが来たのは午後4時。
丸々2時間待っていたことになります。
これで遊牧民の家族たちとは本当にお別れ。
すごくお世話になったし、貴重な経験をさせてもらえて感謝です。
みんなありがとう。
kicco
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