アイアントレインの鉄鉱石の上から見た絶景は地獄の始まりだった…。
15/APR/2015 from Shum to Nouadhibou
午後7時過ぎ。
周りにいた人たちが急にざわざわし始めました。
何だろう?
もしかしてアイアントレインが来た?
よく分からないけどいつ列車が来ても大丈夫なようにザックを背負って立ち上がります。
そしたら周りにいた地元の人が声をかけてきました。
ジェスチャーで、「客車はこっちだよ!」って教えてくれているみたい。
でも僕たちは客車じゃなくて鉄鉱石に乗るんだよなぁ。笑
しばらくすると軋みはじめる線路。
ん、遠くに見えるあれはもしかして…。
ゴゴゴゴゴゴ
砂煙の中からだんだんと近づいてくる轟音。
ついにアイアントレインの先頭車両が見えてきました!
きたーーー!!
アイアントレイン!!
鉄鉱石を積んだ世界一長い列車。
どこまでも行っても終わりが見えない。
そのあまりの長さに圧倒されてしばらく見とれてしまいます。
写真では伝わらないかもしれないので動画もどうぞ!
*レールと車輪がこすれる金切り音が激しいのでボリュームにご注意ください。
キキーーッ!!
けたたましいブレーキ音を轟かせながら、いつまでたっても僕たちの目の前を通過し続ける貨物車両。
”これ本当に止まるのかな?”と心配になるぐらい長い長い列車。
先頭車両が見えてから5分ぐらい経ってようやく列車が止まりました。
”よし!乗ろう!!”
アイアントレインが何分ここに停車するか分からない。
それに勝手に貨物車に乗り込んで来る乗客を待ってくれるはずもありません。
バックパックを背負って大急ぎで乗り込みます。
運動の苦手なきっこ。頑張れ。
早く乗らないと発車しちゃう!!
重いザックを背負ったまま必死で貨物車によじ登るきっこ。
続いて僕も乗り込みます。
乗り込んでしばらくすると、突然ガタン!!という大きな音がして列車が走り出しました!
なんとかザックを降ろして貨物車のふちの部分にしがみつきます。
走り出した列車はのろのろと進み、だんだんとシュムの街から離れていきます。
すると、どこからともなく声が聞こえてきました。
ん?なんだろう?
辺りを見渡してみると、線路沿いから地元の人たちが声をかけてくれてる!!
「頑張れー!」って言ってるのかな?
風の音がうるさくて何も聞こえないけどありがとう!!笑
発車した後、落ち着いて周りを見てみると乗り込んだのはこんな列車。
鉄鉱石が貨物車からあふれんばかりに山積みです!
鉄鉱石の上を歩いてみるとイメージと違って大粒の石と細かい砂が混ざった感じ。
そして鉄の匂い!!
それにしてもすごい量の鉄鉱石とすごい数の車両…。
こんなに大量の鉄鉱石を毎日毎日運んだら、地球に穴が空いちゃうんじゃないかと思うぐらい。
調子に乗って写真を撮ってみる。
きっこは強風に煽られながら、頑張って友達の結婚式の為の動画を撮ります。
生まれて始めての冒険にかなりテンション高め。笑
それからしばらくすると、空が真っ赤に染まり始めました。
アイアントレインの上から見た砂漠に沈む夕陽。
日が沈むと風が涼しくて気持ちいい。
貨物車に積まれた鉄鉱石の上に乗って、ガタガタの線路に揺られながら見る砂漠の景色は格別です。
さて、日が沈んだら暗くなる前に寝る準備!
まずは作戦通り、バックパックをゴミ袋に詰めて埃から守ります。
足元を見ると山積みにされた鉄鉱石。
今日はこの上で寝るのか…。
試しにマットを敷いて、ゴミ袋を上下に着てみるとこんな感じに。
左側がザックで、右側はなんと寝転がってるきっこ(!)です。完全にゴミですね。笑
マットを敷いても背中に石が当たって痛いけど、大きめの石を端に寄せたらなんとか寝るスペースは確保できそうです。
それにしてもきれいな夕焼けだなぁ。
日が沈んだら全然暑くもないし、風も強いけど寝転がればなんとかなる。
景色も最高だしこれなら意外とぐっすり眠れそうだ♪
鉄鉱石の上にゴミ袋に包まれた足を伸ばして空を見上げます。
これまでアフリカで何度も経験してきた死ぬほどキツい移動。
こんな移動はもう一生に一度だと思って必死で耐えた、思い出すのすら辛い思い出たち。
しかしこの後、まさかそんな数々の経験を超える”地獄”を見ることになろうとは、この時は夢にも思っていなかったのでした…。
つづく
daigoro
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