地球の不思議?インチキ? 赤道の上で理科の時間。
26/MAY/2014 in Quito
エクアドルと言えばその名の通り、Equator 赤道。
それにまつわるスポットに、キトにいる間に行っておこうと思っていたのです。
バスを乗り継ぐ事1時間半ほど。
たどり着いたのは赤道記念碑。
といっても、大掛かりな像と緯度0度の看板があるだけで、実はここは正確には緯度0度ではありません。
とりあえず来てみたものの特にする事がなかったのでそのまま帰ろうかと思いましたが、入場料が一人US$3もしたので記念写真を撮ってから外に出ました。
さて前置きはこのくらいにして、本日のメインイベントはここから500メートルほど歩いた所にあるこちら!
この見るからにいかがわしい施設にあるのです。
日本にあったら完全に無視して通り過ぎている所ですが、なんとこの中に本当の緯度0度のラインがあるのです。
入場料は一人US$4。赤道記念碑よりも高いです。
中に入ると、しばらく待たされた後に、ガイドが中を案内してくれるシステム。
素晴らしいことにガイドは英語とスペイン語から選べます。
始めはエクアドルに住む部族について展示を見ながら色々と説明してくれます。
内容が多岐に渡るので割愛しますが、なかなか興味深い内容でした。
そして、ここからがこの施設の見せ所。
まずは正真正銘、正確な緯度0度。
ここが本当の赤道という事でさっきとは打って変わってテンションが上がる2人。
北半球と南半球を行ったり来たりして遊びます。
看板にもGPSで計測したと書いてあります。
ガイドによると、緯度0度が正確に測り直されたのは驚くべき事にわずか三年前の事だそうです。
そして、その緯度0度の線上に並ぶ怪しげな器具の数々。
太陽時計やコリオリ力を説明する物など、色々あります。
赤道直下では釘の上に簡単に卵を立てる事ができます。コリオリ力が働かないからです。
釘はよく見てもただの釘で頭は平たく、卵もそこらへんから持ってきた生卵。
半信半疑でやって見ましたが、コツさえ掴めばビックリするほどすぐ立ちます。
きっこはものの数十秒で立ててました。
成功すると証明書とスタンプがもらえます。
そして、一番興味深かったのが洗面台に水を流す実験。
まず洗面台に水を溜めて葉っぱを浮かべます。そして栓を抜くだけという簡単なものですが、これを赤道直下・北半球・南半球で行うと、なんとそれぞれで全く異なる結果が得られるのです。
まずは線の北側=北半球でやると、水は反時計回りに渦を巻きながら流れていきました。
我々は北半球に住んでいるので見慣れた光景です。
今度は線の南側=南半球に洗面台を移動してやってみると逆向き、時計回りに流れるのです!
さらにさらに、これを線の真上でやるとどうなるでしょうか?
そう。真っ直ぐ下に流れ落ちるのです。
現象を目の当たりにするとかなり驚いたのですが、後でよくよく考えてみるとどうもおかしい。
コリオリ力は「2vΩsinθ」で求められます。(vは速度、Ωは地球の回転角速度、θはその地点の緯度)
定数を調べるのがめんどくさかったので自分では計算していませんが、これに実際の数値を入れると限りなくゼロに近い数字になり、渦に与える影響は全くないと言っても構わないレベルになるそうです。
赤道上で実験した時は風も吹いていたし、使った洗面台もそれほど精巧な物に見えませんでした。
なので、限りなくゼロに近いコリオリ力が他の要因による力よりも大きく働くとは到底思えません。
という事は、洗面台の栓を抜いたガイドのインチキであった可能性が高いという事になります。
あとで気づいてがっかり。
とはいえ、台風のような大きな物には実際に働く力なので、理科の勉強としては面白い題材だと思います◎
(北半球の大型低気圧は反時計回りに渦を巻き、 南半球では時計回りに渦を巻きます。)
以上、赤道の上で遊んで来たお話でした。
daigoro
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