キトでグアヤサミンの絵に惚れる。
28/MAY/2014 in Quito
キトに来てからかれこれ二週間近く経つが、ずっと気になっている事があった。
ホステルのリビングの左奥にあった絵だ。
小さいレプリカながら圧倒的な存在感を放っている。
実はガラパゴスに着いて最初に食事をした店の壁にも同じ画家の手によるものであろう絵がたくさん飾ってあった。この絵の作者はきっとエクアドル出身だと思うし、かなり好みの画風だったのでずっと頭の片隅に残っていたのだ。
キト最終日、宿にあった絵を再び見て思い出し、ようやくこの絵の作者について知る機会ができた。
画家の名前はオズワルド・グアヤサミン/Oswald Guayasamin (1919.7.6~1999.3.10)
調べた所によると、彼は中南米を代表する画家で、作品は社会的に立場の弱い人達をテーマにした物ばかりだそうだ。また社会主義を目指す政治家や活動家、そして芸術家などに受け入れられてきた画家でもある。
あのフィデル・カストロとも友好があるそうで、彼の肖像画も手がけている。
グアヤサミン美術館に飾ってあったフィデルとの写真。
そしてなんと、彼の作品を展示した美術館がキトにある事が判明。
しかも宿からそれ程遠くない所だったので、彼について調べた次の日に朝早起きして向かう。
宿からバスで5駅ほど移動した所から歩いて丘を登る。
持っていたのがデフォルメされた地図だったので思ったよりも距離があり、汗だくになりながら上り坂を30分以上かけて上った。
美術館の入り口で一人US$6払って中へ。
広い敷地の中にグアヤサミンが晩年を過ごした家と美術館がある。
ここからのキト市街の眺めも素晴らしい。
グアヤサミンの作品にキトの街をモチーフにしたものがあったが、それらの絵とここからの眺めはよく似ていた。
悲しい時は黒、起こっている時は赤といった具合に色を使い分けていて、キトの絵だけでも相当な枚数を描いているようだ。
建物内は撮影禁止なので写真はないが、グアヤサミンの邸宅の中にはキト出身のアーティストの作品が沢山あった。また彼の生活していた部屋、所持品、画材などがそのまま残されていて、アトリエ内に充満した絵の具の匂いがとても印象的だった。
写真はグアヤサミンのクローゼット。
美術館の人に頼むと、ここの撮影は特別にOKを出してくれた。
グアヤサミンの家の横には彼の作品を展示している建物が併設されていて、ここでは広い空間でゆっくりと彼の作品を味わう事が出来る。
一番印象に残っているのはこの絵「Lagrimas de Sangre(血の涙)」
チリの有名な社会主義大統領であり暗殺されたサルバドール・アジェンダをテーマにして描かれたものだそうです。
芸術を通して世界へ訴え続けた彼の生き様と強烈な作品の数々。
美術館を後にする頃には、すっかり彼の作品の虜になっていました。
僕は両足のない子供を見るまでは、自分に靴がないと言って泣いていたんだ。
by Oswald Guayasamin
daigoro
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