パタゴニア一周ヒッチハイクの旅、始まる!!
17/DEC/2014 from Buenos Aires to Cañuelas
僕たちがブエノスアイレスから次に向かうのは、南米大陸の南部にある広大なパタゴニア。
一年中寒くて風がめちゃくちゃ強い事で知られています。
その風の強さがパタゴニアの代名詞とも言われていて、台風並みの風速50メートルを超えるのが日常茶飯事という過酷な大自然です。
そんなパタゴニアにどうやって行こうかと先人たちのブログを調べてみたところ、どうやら交通手段は主にバスか飛行機の二択。
そしてパタゴニア地方のバスは飛行機並みに高いので、アルゼンチンの闇レート(アルゼンチンではインフレのため闇両替が横行しています)や周遊航空券を利用して安いフライトで飛び回るのが主流のようです。
でもせっかくの広大なパタゴニアを一気に飛んでしまうのは味気なさすぎる。
かと言ってバスに乗った所で何十時間も降りる事なくただ通過するだけだし大差ないような気もする。
うーん。
ブエノスアイレスのマクドナルドでビッグマックを食べながら悩んでいた私たちは、アフリカで出会ったマレーシア人のケインの言っていた事を思い出しました。
「パタゴニアは治安もいいし俺は全部ヒッチハイクだけで旅したよ!冬だったからめちゃくちゃ寒くて本気で死にそうだったけどけど、我慢強い人なら楽しめると思う。」
そうだ!ヒッチハイクだ!
それならお金がかなり節約できるし、車の中で地元の人とたくさん話ができて地に足のついた旅になりそう!
それにヒッチハイクともなればスペイン語は必須だろうし、否が応でもペラペラになるはず!
これだ!
思いがけない名案に心躍る二人。
でも二人ともスペイン語がほとんど話せない上にヒッチハイクなんて日本ですらやった事がありません。
それにアルゼンチンやチリの南部はかなり寒いだろうから車がつかまらなければ野宿になって凍えるかもしれない。そもそもパタゴニアの人口なんてめちゃくちゃ少ないからヒッチハイク自体が成立しないかもしれない。それに南米は治安が悪い地域が多いから危ない目に合うかもしれない。
でも、イメージすら出来ない旅路にかなりの不安を抱えながらも、二人の心はヒッチハイクでパタゴニアを巡る事にほぼ決まっていました。
だって全く想像できないはずなのにのに、めちゃくちゃワクワクしてくるから。
もうこの時点でバスや飛行機という選択肢は二人の頭から消え去り、後はいつどこからスタートするのか?現金はどれくらい持って行くのか?
具体的なことを決めて行きます。
よし!出発は明日にしよう!
僕たちがまず最初に目指そうと決めたのは南米最南端の街ウシュアイア。
ここブエノスアイレスからは3200キロ南にあります。
で、もし無事にウシュアイアまでたどり着けたらそこから折り返してチリに入って、首都のサンティアゴまで3000キロぐらいをもう一回ヒッチハイクで北上しよう!
どこまでできるのか全然わからなかったけどそう決めました。
でもネットで色々調べてみるものの、ブエノスアイレスからウシュアイアまでヒッチハイクしたという情報なんて全然ありません。
英語で調べてみても、バイクや自転車で南下した日記がいくつか出てくるだけで、このルートをヒッチハイクする事について細かく書かれた情報はなかなか出てきません。
数時間調べ続けましたが全然手がかりがなかったので、二人とも腹をくくりました。
めちゃくちゃ不安だけど、やってみるしかないかな…。
という事で、つい数時間前までは全く予定になかった「パタゴニアをぐるっと一周するヒッチハイク旅」をする事になりました!笑
サンティアゴまで無事たどり着けたら最後はアルゼンチンの北部を西から東へ横断してブラジルへ抜けるつもりなので、合計すると一万キロ近い距離。
寒くて人の少ないパタゴニアの大地を、二人ともシャイなくせにやった事もないヒッチハイクで移動するという、僕たちにとっては想像すらできない未知の挑戦。
95%の不安と5%のワクワクを胸に、いざ出発です!!
生まれて初めてのヒッチハイク in アルゼンチン
そして次の日。
ケインが「ブエノスアイレスからのヒッチハイクは危険だから郊外の”Cañuelas”辺りから始めると良いよ。」と教えてくれたので、まずはブエノスアイレスの郊外にあるCañuelasという街を目指します。
でもCañuelasへ向かうバスは一時間に一本しかなくて、一時間半近く待ってようやく来たバスに乗り込んだら、現金で支払いは出来ないと言って降ろされました…。
このバスに乗るには専用のカードが必要だったみたい。
次のバスまでまた一時間も待つのか…。
まだスタート地点にすら立てていないのにこんな調子で大丈夫かなぁ。
不安ばかりが募ります。
二人でがっかりしてバス停に座っていると、さっきのやり取りを見ていたおじさんが声をかけてくれました。
「Cañuelasなら電車でも行けるよ。教えてあげるから着いて来な。」
それに、近くにいたお姉さんも「バスか電車に乗るなら小銭が必要になるからこれを使って。」と言って、コインを沢山くれました。
なんて優しい人たち…。
おじさんが駅のホームまで案内してくれて、電車代まで出してくれようとしたけど、そこはさすがに断って電車へ。
途中で一度乗り換えをして、一時間ほどで目的のCañuelas駅に到着しました。
でも駅に着いたのはいいけどどこから始めたらいいのか、どうやったらいいのか全然分からない…。
やると決めたものの、二人とも何も頼りにするものが無かったのでかなり緊張気味。
ひとまず腹ごしらえをしようと、駅の前の屋台で昼ごはんを食べる事にしました。
炭火で焼いたチョリソーをパンに挟んだチョリパン。アルゼンチンやチリでは定番の食べ物です。
シンプルだけどスパイスのきいたチョリソーが美味しい!
さて、ご飯を食べ終わったらもうウダウダは言ってられません。
いよいよヒッチハイク開始です。
どこから始めたらいいのか全然わからないけど、とりあえず人に道を聞きながら車が沢山いそうな大通りを目指します。
そして見えてきた大きな道。
看板にはRuta3と書いてあります。
これがウシュアイアまで続く3200キロの道路。
僕たちのチャレンジの舞台です。
ビュンビュンと車が行き交う見知らぬ道路に立つと、これまでの旅で一度も感じた事のない感覚に襲われました。
大海原に二人だけで放り出されたような不思議な感じ。
自分がどこに立っているのかも分からない。次の瞬間に自分がどこにいるのかも分からない。
心の底から不安で、心の底からワクワクする。そんな感覚。
ヒッチハイクってこんな感じかな?
映画やドラマでみたヒッチハイクのシーンを想像しながら、恐る恐る立てた親指。
そこから全てが始まりました。
daigoro
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