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17〜31/AUG/2014 in Sudan

この国ではびっくりするほどぼったくられる事がありません。

バスも、タクシーも、レストランも、商店でも、どこへ行っても普通の値段を教えてくれます。

途上国ではぼったくられるのが当たり前と思っていた私たちは、初めてスーダンの人たちと接した時に驚きを隠せませんでした。

(*途上国におけるぼったくりについてはこの後のエチオピアで色々と考えたので先の記事にゆずります。)
 


子供たちは無邪気に「ハロー、ハロー」と言って手を振り、遠慮がちに握手しにきたりするけど、それ以上は何も求めない。

「マネー!」「チョコレート!」「ビスケット!」「ワン・ダラー!」の応酬はない。
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誰かに写真を撮らせてもらっても、チップを要求されない。

貧しい国々で道案内を頼むとチップを要求されるのが常識だけど、そんな人はこの国にはいない。

それどころか、向こうから食事やお茶をご馳走してくれるほど。
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もちろん、全くぼったくる人がいないとまでは言わない。
ごく稀に高値を言ってくる人やチップをねだる人もいるけど、今まで訪れた貧しい国々と比べると遥かに少ないし、こっちが難色を示すとすぐに引き下がる。
 


スーダンは間違いなく貧しい国。

観光資源もなければ食べ物が育つ土壌もない。

なのにこの人の良さは一体なんだろう。
 

宗教?
でも宗教はおとなりのぼったくり大国エジプトと同じイスラム教。
だから宗教ではない気がする。
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ひとつ有力そうな理由は、この国に観光資源が殆どないこと。

例えば数少ないスーダンの観光名所であるピラミッドはこれ。
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エジプトはこれ
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これぐらいの圧倒的な差がある。

スーダンには観光地的な見どころが殆どない。
だから訪れるのはアフリカを縦断する人ぐらい。
アフリカ縦断する人でも飛行機で飛んでしまったり、首都に一泊だけして通り過ぎる人も多い。

だから、観光客が来たら嬉しいし、良い思いをして帰ってほしいと自然に思うんじゃないかな。
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でも逆に観光客が増えるほど人は欲深くなる。
お金をどう稼ぐかということにしか目が行かなくなる。

これは旅人誰もが感じていることだと思う。
同じ国でも、観光客が多いところにはしつこい客引きや悪質なぼったくりや詐欺が多い。

観光客が人をだめにするのかな。

観光資源が乏しいスーダンのような国にこそ、大切なものがあるのかもしれない。
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それともうひとつ聞いた話によると、スーダンは砂漠の国だから旅人に最大限尽くす文化が根づいたそう。

砂漠を越えて村にようやく辿り着いた旅人は、自分たちが手を差しのべないと死んでしまうほど消耗している。
だから水や食べ物や寝床すべて提供して助けてあげる。
特に水は惜しげもなく分け与えたそう。

カッサラにも誰もがいつでも手にできる水瓶がありました。
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でも、それだけでもないだろうな。
砂漠地帯の国なら他にもたくさんある。

だからスーダンみたいな国は本当に珍しい。

ここでは水ってもの凄く貴重だからよっぽど強い意志がないと分け与えられるものではない。
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それはもう文化としか言えない何かがこの国にはある。
代々受け継がれてきた形のないもの。

厳しい自然だからこそ培われたものなのかもしれない。
地元の人同士のふれあいを見ていたら分かる。

家族は毎日集まって家長を敬い、伝統に従って一緒に食事をする。
夜になると近所の人が集まってゆっくり和やかにお茶をする。
エジプトでよく見た殴り合いのけんかなんてどう転んでもなりそうもない。

がつがつしない、穏やかでやさしい空気がずっと流れている。

この人たちは、心が豊かなんだ。

それなのに一方でこの国では紛争が絶えないのは何故なんだろう。
同じ国民が戦っているなんて信じられない。
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そして、私たちはそんなたくさんのスーダンの人たちにすっかり癒され、この国を後にするのでした。

次はぼったくり大国という噂のエチオピアへと向かいます。
 

▶︎次回:世界一ウザい国エチオピアへ。



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