スーダンで人気ナンバーワンのハネムーンスポット。
01/SEP/2014 in Kassala
きっこの体調が大分回復して来たので、今日は2人でカッサラの象徴であるタカ山へ行ってみる事にしました。
カッサラの中心部からバスに乗り「あそこに見えている山に行きたい!」と伝えると、15分ぐらい走ったところで降ろされました。
タカ山は目の前に見えているのですが、山が大きすぎてどこから登ったら良いのか分からずキョロキョロしていると、バスに同乗していた地元の若者が「俺が案内してあげるよ」と言って同じ所で降りてきました。
名前はモハメド。
本当にスーダンにはモハメドっていう名前の人が多いなぁ。
彼によるとこの近くに大きなモスクがあるそうなので、タカ山に登る前にまずそのモスクへ行く事にしました。
10分ほど歩くと大きなモスクが見えてきました。
そしてその先にあるのはタカ山。間近でみるとかなりの迫力です。
近くで子供たちが走り回って遊んでいたので、カメラを向けてみるとこのポージング。
チームワーク完璧だね!
モスクは泥と日干しレンガで作られていて、中ではお年寄りたちが静かにお祈りをしていました。
丸いドームのような建物の中に入ってみると、天井は丸くぽっかりと開いていて、たくさんの鳥たちが巣を作って暮らしていました。
その下にはおそらくムスリムたちが祈りを捧げるであろう聖なる箱?が置いてありました。
モハメドによるとここだけは絶対に雨が降らない神聖な場所だそうです。
砂埃と鳥の糞が降り注ぐ下にこんな重要そうな物が置かれているのがシュールでしたが、自然と人とが一つになっている感じがして、何だかスーダンらしいなと思いました。
街にある賑やかなモスクとは違いタカ山に抱かれてひっそりと佇むモスクは、イスラム教とは別の宗教の建物のような、不思議な雰囲気を醸し出していました。
モスクからタカ山に向かい始めると、次第に人通りが多くなってきました。
モハメドが親切にも引き続き案内してくれます。
道の脇には綿菓子の屋台。
なんだかお祭りの出店みたいで、突然日本に戻ったような変な感覚になりました。
その後、タカ山への登山口?に到着すると、周りには手をつないだスーダン人のカップルがチラホラ。
百円程度の入場料が必要だったのですが、いつのまにかモハメドが払ってくれていました。
山へと続く階段にはスーダン人のカップルだらけ。
実はカッサラはスーダン人たちのハネムーンスポットとして有名で、ほとんどのスーダン人がここをハネムーンの地に選ぶほど定番の場所となっているそうです。
そしてこのタカ山はその中心地で、カップルは一緒に手をつないでこの山の中腹まで登り、愛を深めるのだとか。
そもそもほとんどがイスラム教徒であるスーダンの男女が人前で手をつなぐ事はまずあり得ません。
しかし、ここカッサラのタカ山を登るときだけは、スーダン人カップルが堂々と手を繋いで歩くというレアな光景を見る事が出来るのです。
私たちの旅もハネムーンのようなものなので、彼らと一緒に登山開始!
と言っても15分ぐらいでメインスポットに到着しました。
スーダン人のハネムーナーたちがここを訪れるのは、ここには聖なる泉があってその水を飲んだら子宝に恵まれるという言い伝えがあるためだそうです。
周りには一眼レフを首からぶら下げたカメラマンがたくさんいて、どのカップルも楽しそうに記念写真を撮っていました。
そんなほのぼのとした登山道の横では、イスラム教徒の男性たちが熱心に夕方のお祈りをしています。
山の中腹にはカラフルなお茶屋さんが並び、カッサラコーヒーやシャイを楽しむ人で大賑わい。
幸せそうな笑い声が聞こえて来たので話かけてみると、ハネムーンにカッサラを訪れたカップルとそれを祝う家族でした。
僕たちもコーヒーとポップコーンを食べながら話に花を咲かせます。
僕たちを案内してくれたモハメドまだ20歳で、大学生。
英語は学校で勉強中なのでまだ片言です。
彼が片耳だけヘッドフォンをつけて音楽を聴いていたので聞かせてもらうと、なんとスーダンのバスで流れていたあの演歌みたいなスローテンポの音楽でした。
あのローカルな音楽を若い世代も同じように聞いているなんて驚きです!
その後は彼の英語が片言すぎて会話が続かなくなって来たので、お互いの国の言葉を教え合ったり、ひたすら写真を撮りあったりして遊んでいました。笑
気がつくといつの間にか辺りは真っ暗。
案内してくれたお礼と入場料を払ってくれたお礼に私たちがお茶代を払い、真っ暗な階段を下りる。
帰りはバスでカッサラの街へ帰りましたが、彼はバスまで一緒に着いて来て見送ってくれました。
そして居候している建物の前でバスを降りる時にお金を払おうとすると、「もう彼からお金はもらっているよ」とバスの集金係の人に言われました。
あんなに長時間案内してくれたのにバスのお金も払ってくれてたなんて!
少し申し訳ない気持ちになりながらも、今日もまたスーダン人のホスピタリティに癒された一日でした。
daigoro
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