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02/APR/2014 in Fukushima

福島市から東へ。
住居制限区域の飯舘村を走る。
出入りは自由にできるけど、宿泊は認められずお店を開くことも許されない地域。
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気休めだと知りながらも、マスクに湿らせたガーゼを入れて、放射性物質が身体に入らないように祈る。
緊張感と不安からか、軽い頭痛がするのを押し殺しながら進む。

途中の山間にはいくつも汚染物質が積み上げられていて、田んぼや畑だった場所は表層が除染で取り除かれ、不自然に平坦で地形になっている。
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除染作業に当たる方々。
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村には民家やお店、郵便局など、いろいろな建物があるけど、どれも閉まっている。
村は人が住んでこそ。
人がいなくなった村は異様な空気に包まれていた。
村が呼吸していないのが分かる。何かの映画に出てきそうな光景だった。
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そのまま車を東へ走らせ、海岸沿いの南相馬市へ。

南相馬市にも、実は陸前高田市のように一本松がある。

奇跡的にもこの一本松は、まだ命を絶やしていない。
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町の人を勇気付けるはずのこの松の周りは、汚染物質の袋できれいに囲まれていた。
誰が、何の目的でそうしたのか分からないけれど、今の福島の現状をそのまま現しているように見えた。
立ち上がろうとする人々を阻む汚染物質の存在。
遠目には見えないけれど、確かに存在する魔の手。逃げ場のない威圧感。
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宮城・岩手の海岸線はきれいに片付けられ更地になっていたのと比べ、福島の海岸線はまだ壊れた家やひっくり返った車もそのまま。
がれきも残っている状態で、他の県よりも明らかに遅れていた。
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宮城・岩手は海岸線だけが被害にあってるけど、福島は県全体が被害にあっているから除染が優先で手が回っていない。
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廃棄物仮置場の工事。最終的にはどこに行くんだろう。
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行く当てがなく、放置された廃棄物。
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そのまま南に行くと、帰還困難地域の浪江町に入る。

許可車しか出入りできない地域。
すれ違う車は大型トラックや、マスクをつけた人をのせたバスばかり。
でも不思議なことに、外で警備にあたっている方はマスクをしていない人が多かった。
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1時間ほど走ると立ち入り禁止の看板にぶつかったので、今日は福島市まで引き返すことにした。
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福島駅の近くにも、線量計が。
今日は0.368μSv/h。
飯舘村で見た汚染物質付近の線量計では1.6μSv/hだったからだいぶ少なく感じてしまうけれど、通常の放射線量は0.008〜0.048μSv/hなので、10倍ぐらい。
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こんな人が大勢いる町でも、除染作業を行っている。
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でも、人々は普通に生活していて人も車通りも多い、至って普通の町のように見えるから不思議でならない。

既に避難指示が解除された地域もあるけれど、戻りたいのはお年寄りばかりで、若者は戻りたがらないのでコミュニティが成り立たない。
未来の日本の縮図のよう。
 

この日の夜遅くに、福島に赴任して一ヶ月のみーねーちゃん(きっこの姉)に会った。
新しい環境で大変そう。がんばれー。

福島名物の円盤餃子を食べました。
あと、2件目で福島名物の馬刺とか郷土料理を。
だいごろとみーねーちゃんは日本酒を色々頼んで、美味しい美味しいと言っていました。
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東北に行った感想は、お母さんの一言に集約される。
「外から見てても何も分からんでしょ。」

ほんとにその通りで、みんながどう考えてるのか分からないし、深く知るには時間が必要。

それでも、復興はまだまだ遠く、特に福島は先が見えないことは分かった。
津波で被害にあった村や、放射能の被害にあった村の中には、
悲しいけれど復興しないまま消えてしまう村もあるんだろうな。

その場所に例え戻れなかったとしても、場所を変えてコミュニティだけは復活させられたらいいのに。
でもそれすらもきっと難しいんだろう。

自分にできることが分からない。
もどかしい気持ちを鎮めるために、せめて募金でもしよう。



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