さすがホスピタリティの国!親切な人々に支えられたヒッチハイク。
10/JUN/2015 from Skopje to Ohrid
今日はマケドニア首都スコピエからオフリドという街へ向かいます。
オフリドはアルバニアとの国境近くにあって、湖と教会が綺麗なところだそう。
今日もヒッチで向かいますが、スコピエの街が大きすぎるのでどこから始めていいのか分からず、宿の近くから適当に始めます。
今日はあいにくの雨。
スコピエの街にはこんな荷馬車の道路標識もあります。
しかし、1時間ぐらいヒッチしていても全く手応えなし。
昨日スコピエに来た時はあんなにリアクションも良くてすぐに止まってくれたのに。
まるで昨日とは別の街みたい…。
やっぱり都会から地方へ向かうヒッチハイクは難しい。
通りすぎる車ナンバープレートを見ても、スコピエを示すアルファベットの車ばかりです。
やっぱり親切なマケドニアの人々。
雨に打たれてだんだんと元気がなくなってきていた僕たち。
しばらく同じ場所でヒッチしていると、自転車に乗った男性がやってきました。
「ここでヒッチハイクしても無理だよ。ここから2キロぐらい歩いた所にある道路でやってみな!」と教えてくれました。地図まで書いてくれて親切です。
2キロかぁ。ちょっと遠いけどここにいてもダメそうなので、歩きます。
大通りに出ると、前方の並木の向こうに教会らしき巨大な建物が。
近づいてみるとそこはマケドニア正教の教会で、これまたバカでかい!
さすがスコピエだ…。笑
大きいだけじゃなくて、中もの造りもなかなか豪華。
祭壇にイコン(聖人の肖像画)がたくさん並んでいるのが、いかにも正教会といった感じです。
その後、教会の先でヒッチを始めましたが、またしても手応えなし。
1時間ぐらいすると、前を通りがかった女性が話しかけてきました。
「私もよくヒッチハイクをするけどここはダメよ。」
そう言って、スコピエの町の外れまで行くバスを教えてもらいました。
マケドニアって古くからホスピタリティの国って言われてるらしいけど、その名に恥じない親切な人たちばかりです。
教えられたバスに乗ってようやく町の外れに立った頃には、もう昼の3時。
こんな調子だとスコピエを出る前に日が暮れてしまいそうだ…。
ヒッチをしている後ろには、地元の子供たち。
僕たちに興味津々で、目が合うと恥ずかしそうに笑います。
すると、子供たちが何やらジェスチャーで訴えかけてきました。
なんだろう?と思っていたら、家から椅子を二つ持ってきてくれました。
そしてこれに座れ!というジェスチャー。笑
ありがとう!
お言葉に甘えて、僕たちのヒッチハイク史上初のパイプ椅子に座ってヒッチ開始です!
そして子供たちの優しさに触れて元気が出てきた頃、ついに一台の車が止まりました。
「隣の街まで行くけど乗って行く?」
乗せてくれたのはデアンという名の同い年ぐらいの男性。
“これからアルバニアに行くんだ。” というと、最近マケドニア国内で起きたのアルバニア人との衝突の話に。
コソボでもそうだけど、ここマケドニアでも民族紛争が起こっています。
デアンはアルバニア人のデモで、特殊部隊にいた友達二人をなくしたそうです…。
実は僕たちが来るちょうど1ヶ月前にも、スコピエ北部のクマノボという場所でアルバニア人と警察の間で銃撃戦があり、22人が亡くなったばかり。
昨日の夜の銃声もそんな民族間の衝突の一幕だったのかもしれません。
その後デアンは、ゴスティバルという街の料金所まで連れて行ってくれました。
デアンの仕事場はゴスティバルの手前なのに、わざわざ料金所でお金を払ってまでここまで乗せてきてくれました。こっちの方が車を捕まえやすいからって。
ありがとうデアン。
料金所の前でヒッチ開始。
そしたら10分で大型のトレーラーが止まってくれた!
乗せてくれたのはアルバニア人のトラック運転手。
彼はムスリムで写真撮影がNGなので、写真は外の風景だけ。
ついでに名前も聞き忘れてしまいました…。
彼は英語を話せなかったけど、このトラックでガラスを運んでいる事を身振り手振りで教えてくれました。
そして途中で見えたこの工事現場を指差して、またしてもジェスチャーを交えてアルバニア語で何やら話しています。
どうも「この新しい道路は全部中国が作っている。」と言っているみたい。
そして、オフリドの手前40キロぐらいの分岐点で降ろしてくれました。
どうもありがとう。
マケドニアの絶品料理に感動!
トラックの運転手が降ろしてくれたのは、オフリドへ向かう道とアルバニア国境へ向かう道との分岐点。
降ろしてもらった場所はヒッチがしにくそうだったので、オフリドの表記がある方向を目指して歩きます。
しばらく歩くとガソリンスタンドがあったので、きっこはトイレに。
僕はその間にヒッチを開始しました。
そしたら開始二十秒で車が止まってくれた!
まさかそんなに直ぐにヒッチが成功するとは思ってなかったので、トイレに行っていたきっこを待ちます。
帰ってきたきっこも、「え、もう見つかったん?!!」と言ってビックリしていました。笑
今回乗せてくれたのは、オフリドに住むエロ&アレの兄弟。
エロとアレ。なんか日本に来たら飲み会でいじられそうな名前です。笑
オフリドの街に近づいてくると、アルバニアの国旗やモスクがたくさん。
アルバニアってあまり僕たちの身近な国じゃないけど、コソボやマケドニアなど、この周辺の地域での影響力はかなり大きい。
乗せてもらった所からオフリドの街まではすぐだったので、30分ぐらいで到着。
エロ&アレ。どうもありがとう。
エロ&アレに降ろしてもらったのはオフリドの街のど真ん中。
所々にモスクや教会が点在する穏やかな街です。
丸一日ヒッチハイクをしてかなりお腹が減っていたので、降ろしてもらった所を歩いていた地元の人にオススメのレストランを聞いてみます。
マケドニアではかなり英語が通じるので楽チン。
そしたらみんなが口を揃えてオススメしてくるレストランがあったので、そこへ行ってみました。
レストランがあったのは街の中心から歩いて10分ぐらいの場所。
そして、これまた英語の話せるお店の人のオススメの料理を全部オーダー。
出てきたのがこんなの!
マケドニア料理なんて初めて食べたけどうまかったー!
お腹が一杯になったら宿へ。
今日の宿は街の中心から二キロも離れたところにあったので、疲れてるけど頑張って歩きます。
Webで予約する時に地図に示された場所が間違っていて、見つけるのにかなり苦労しましたが、1時間ぐらいしてようやく発見!
普通の家を改装した宿のようです。
この宿にはキッチンもWiFiもないけど、ダブルで7ユーロとめちゃめちゃ安かったのでここに決めました。
マケドニアの観光地でこの価格の宿はまず見つかりません。
部屋に案内されると新築の匂いがします。
どうやら宿を始めてまだ数日目だったようで、破格の7ユーロは期間限定のお試し価格みたいです。
部屋の中には新品のテレビと冷蔵庫とエアコンに、新品のバスルームとトイレまで。
快適なベッドでぐっすり眠りました◎
湖の美しいオフリドの街。
そして次の日はオフリドの街歩き。
今日は天気が良くて気持ちいい。
オフリドの街は湖と丘に挟まれた所にあって、丘の上には城壁が残っています。
これは丘に登る斜面にあったマケドニア正教の聖クリメント教会。
中に入ってみると教会の内壁一面に当時のフレスコ画が残っていて、なかなか見応えがありました。
丘の斜面には教会や家々が並ぶ可愛らしい街並が続きます。
街の建物や人々の暮らしを観察したり、丘の上の城壁に登ったり。
途中でちょっと道をそれると、湖沿いの小道に出ました。
涼しい風が吹き抜けて気持ちいい。
春の草花が咲き乱れる湖畔。青い水面も綺麗です。
そして小道を歩いた先にはこんな可愛らしい教会が。聖ヨハネ・カネヨ教会です。
天気が良かったので、しばらくこの場所でひなたぼっこ。
湖沿いには教会ばかりが建てられているけど、街の他の場所に行くとモスクもあります。
マケドニアの人口のおよそ4分の1はアルバニア系のムスリムたち。
未だに争いが絶えないのはそのアルバニア人たちが分離独立を主張しているから。
しかもマケドニアはアルバニアだけでなく、ブルガリアやギリシャ系の人々も含む多民族国家。
さらにマケドニアという国名が古代マケドニア帝国と同じだという理由で、当時マケドニア帝国の一部だった周辺諸国からかなりの批判を浴びているそう。
数えきれないほどのいざこざを抱え、争いの絶えないマケドニア。
でもそこに住む人々はホスピタリティに溢れる優しい人々ばかり。
そして、これまでに訪れたボスニアも、セルビアも、コソボも、そしてこれから向かうアルバニアの人々も。
そんな人々が互いに争い、殺し合っているなんて、なんて悲しいんだろう。
青く澄み渡った湖の横に建てられた可愛らしい教会を眺めながら、そんな事を考えていた昼下がりでした。
daigoro
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