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20~21/SEP/2015 from Shanghai to Kobe

フェリーの中で迎えた世界旅行最後の夜。

関門海峡も通過し、船は瀬戸内海へ。
もう完全に日本の中を進んでいる。

そして明日の朝には、神戸に着く。じんわりと実感が湧いてきます。
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デッキから部屋に戻ると、ふと、いいこと(?)を思いついた。

野宿で使っていたロールマットを広げて、ヒッチハイクで使っていた油性ペンで一作業。
アルゼンチンで買ってからずっとお世話になっていたロールマットはもうボロボロです。
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ロールマット一つからもいろんな思い出がよみがえってくるなぁ。

(ロールマットとの出会い。ヒッチハイク旅の様子はこちら:人生初ヒッチハイクで二人とも大号泣。。
 


それから、二人で ”日本に帰ったら食べたいもの” を出し合ったり。

日本に帰ってやりたい事を書き出したり。

そんな楽しい妄想をしていたら、あっという間に夜の12時半。

船はしまなみ海道の来島海峡大橋の下をくぐります。
尾道今治ルート。私もだいごろも自転車で走ったことがあります。懐かしいなぁ。
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さあ。あとは、寝て起きたら神戸!

ぐっすり寝よう…

なんて甘い考えは、だいごろが許してくれません。
 

”きっこ!”

「なに?」

”瀬戸大橋、見るやろ?”

「え…」

”見るやろ?橋一個見るのに5000円っていう計算やん。”

「??」

最初は意味が分からなかったけど、どうやらだいごろは私と一緒に橋を見たくて言っているみたい。
船の運賃の22,000円が、関門海峡、しまなみ海道、瀬戸大橋、明石海峡大橋の4つの橋を1回5000円で見られるアトラクションと考えたら元が取れるという論理。
現金な私を釣るための作戦のようです。笑

「うーん、起きれたら起きる。」

そう言って布団に潜り込みました。
 


 

そして、夜中3時前。

”きっこ!!きっこ!!!”

「…」

”起きて!行くで!!!”

「…」

だいごろは、威勢良く寝ぼけ眼の私を叩き起こしてデッキへ。

眠い。。
 

デッキに行くと、暗い夜にぼんやりと浮かび上がる瀬戸大橋。
しまなみ海道は華奢な感じだったけど、この橋はどっしりとしていて強そうです。
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眠いけど橋の下をくぐる瞬間は好き。
船の動きがゆっくりだから、橋がクレーンみたいに動いているような錯覚を覚える。
気持ち悪くて、気持ち良い。

夜も眠らずに稼働し続ける瀬戸内工業地域の工場群。
今もここで働いている人たちがいるんだなぁ。
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しばらく橋を眺めながめてから、再び布団に潜り込みました。

元気なだいごろはこのまま夜通し起きてるつもりみたいです。
 


私が寝ている横で、だいごろは日記を書いていました。

これがその時の日記。
帰国5時間前の徹夜中のだいごろの文章をそのまま載せます。

ーだいごろの日記ー
よくやった!

ほとんど何の計画もなしにエクアドルへ飛んだのに、これ以上ないぐらい上出来な旅だった。
あんな事やこんな事をやってみたい。旅の前に夢のように思い描いていた想像をはるかに超える体験がたくさんできた。
二人とも本当によくやった。やりきった。

今日、昼寝をして目が覚めたら船は五島列島の横を進んでいた。
そして壱岐を通過して福岡が見えてきた。

日本!!
ついに日本に入った!

日本ってどんなところやったかな?
三十年近く住んでたのに、なんだか想像するのが難しい。思い出せない。変な感じ。

中国で両替して財布に入れていた千円札を手に取ってみるけど、おもちゃのお金みたいにしか見えない。
ずっとこれを使って生活していたはずなのに。
 

あと5時間で旅が終わる。

でも悲しかったり寂しかったりはしない。
だって思い残す事は何もないから。

やりたい事は全てやり切った!

今はただ、一つの旅が終わろうとしている。それだけ。

日本に帰ってからの日々が待ち遠しい!

ー日記おわりー
 

そしてついに、日本の地を踏む瞬間が!

”きっこ!!きっこ!!!”

再び、寝ぼけ眼をこすりながら眼を覚まします。

”夜が明けたで!朝日が綺麗やで!起きな損やで!!”

まったく、だいごろは最後の最後まで貪欲でクレイジーだ。笑

だいごろに引っ張られてデッキへ出てみると、朝日。
確かに綺麗だ。雲の感じも良い。眠たい私にはちょっと眩しすぎるぐらい。

今日もいいお天気です。最終日にも天気に恵まれるなんて、晴れ男晴れ女の私たちらしい。
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眩しい太陽の光を浴びながら、船の進む先に目を凝らします。

もうちょっとで見えるはず。
せっかく起きたからには、見逃す訳には絶対行かない。

しばらくすると見えてきたのは…
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明石海峡大橋!!
神戸だ!ついに帰ってきた!私たちの故郷に!!
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じーんとした。

今まで1年半、行くところ全てが知らない場所だった。

でも、今日初めて知ってる場所にやってきた。
それがすごく嬉しくて、安心した。
 

”あぁ、ここ、知ってる。”

そう思うだけでじんわりと目に涙が滲んだ。

知ってる場所に来るっていうことが、今の私にとっては新鮮だった。

それにしても、この安心感はいつぶりだろう。
今までずっと緊張してたんだってことに気づいた。
 

陸地に見えるのは慣れ親しんだ景色。
私たちが生まれ育った場所。
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高くなっていく太陽の眩しい光を受けて船は進む。

進んでいく船の上から故郷を眺める。
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そして明石海峡大橋をくぐった。
橋が開通した時は大騒ぎだったなぁ。
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そしてついにその時がやってきました。

神戸港だ!!

すごく遠くにあるけど、見慣れた景色だからすぐにわかる。
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神戸のシンボル、真っ赤なポートタワーも見えています。
もしかしたら小さい頃に登ったのかもしれないけど、登った記憶がないポートタワー。地元の名所あるある。
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どこを見ても懐かしい景色!帰って来たんだ!!
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そんな景色の中を船はゆっくりと進み、いよいよ着岸!!

こんなところに神戸の国際港があったとは!今の今まで知りませんでした。
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最後の船内で石山さんと、お友達の中国人の社長さんと記念写真。
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乗客が降りるまでに1時間ぐらい待たないといけないみたいなのでデッキへ。

港に家族が来てるはずなんだけどな、と思って見てみると、だいごろの家族がいました!
(私の両親もこのとき来ていたけれど、別の場所で待っていたみたいで見つけられませんでした。)

だいごろのお母さんが、なんか持っています!似顔絵!面白いやつ!
こんなの書いてもらったのは初めてです。似てますか?笑
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だいごろの妹が、港から見た写真を撮ってくれました!
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そして1時間後。
いよいよ下船の時間。
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1年半ぶりの日本の地を踏みしめます。
神戸港…寂れてる…というか、錆びてる!なんだか歴史を感じます。
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何十年も住んでいたのに一度も通ったことのないイミグレーションと税関を通ります。
思ってたよりもたくさん乗客がいたみたい。
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パスポートに押された最後のスタンプは、”KOBE”の文字!これは嬉しい!
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荷物のチェックを受けてゲートをくぐると、ずっと帰りを待っていてくれた家族の元へ。

笑顔で迎えてくれました!!
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ここで私たちの足の色に注目!
他の人の靴と色と一緒だ!靴を履いていなくても履いているように見えるトリックです。笑
 

この写真を撮り終わった直後、”ただいま日本”のロールマットを指差して、だいごろの妹が一言。

「これ、汚い!早く捨てたら?!」

た、確かに。冷静に見たらめっちゃ汚い…。
一年以上当たり前のように使ってたから麻痺してたみたい。
慌ててフェリーターミナルのゴミ箱に放り込みました。笑
 

ということで、これにて私たちの世界ぽろり旅は終わり。

無事に帰ってこれてめでたしめでたし。

みなさんありがとうございました!

ただいま!!



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