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「決めたら、あとは “えい” って飛び出すだけやで。」

これは、大学院の先輩に相談したときに言われた言葉。

そして、ついに “えい” をする日がやってきた。
 

(その日の日記)

“2015年2月3日。

えい、した。

ついに、退職することを伝えた。
 

お昼過ぎのこと。

今日絶対えいすると決めてたのに、なかなかできずにいた。

眩暈がした。

画面をじっと見たいのに、画面が右に回ってしまって焦点が定まらない。

何度見ても、すぐに右に逸れてしまう。

落ち着かなければと、目を閉じたら自分の周りがぐるんぐるん回った。
 

そうこうしていたら、チームリーダーとの面談が入った。

なんかこのタイミングの良さは後押しされてる気がした。
 

そして、チームリーダーに現状を伝え、その流れで部長と話して退職の意向を伝えた。
 

一度決めた道は振り返らない。後悔しない。人のせいにしない。

自分で決めたこと。
 

 

帰り道は悲しくて涙が出そうになった。

「だいごろ、わたし仕事なくなっちゃった。」

だいごろが帰ってきたら涙がぽろぽろ零れた。

決断するということは、何かを失うことだと気づかされた。

ハードだけど、面白くて誇りに思ってた仕事がなくなった。悲しかった。”
 

思い返せば、自分で人生の決断をしたことなんて今までなかった。

小学校、中学校に入り、自分の学力に合う高校に入り、学力に合う大学の何となく自分に合ってそうな学部に入学し、なんとなく大学院に行って、それから就活で何社か受けて受かったところに入って、流れのまま働いて。

生まれて初めて、自分の意思で歩き出した。
それが良いことなのか悪いことなのか分からないけど。
 

それから退職まで1ヶ月半。

自分の心が弱い日と強い日が交互にやってきた。

心に潜んでいる迷いや不安が何度も顔を出し、この決断について悩んだけど、もう動き出したものは戻す気はなかった。ただただ時の流れに身を任せた。

不安定な気持ちを押し殺して、ばたばたと旅行の準備をし、引き継ぎをした。
 

あ、そういえば世界旅行を後押しされていると思う出来事が続いたのもこの時期だった。

①パスポートの番号が良過ぎる。
今回の旅のためにパスポートを新しく作り直したら、
パスポートの下六桁が「だいごろの誕生日+わたしの誕生日」だった!!

ちなみに最初の三桁はだいごろが10年以上愛用しているクロスバイクの形式。
(これは私はどうでもいいけど、だいごろがどうしても書いておけと言うので書きます。笑)

②2014年年賀状の1等が当たった!!
この一年は良い年になるに違いない!
まあ、もらえたのはたった一万円だったけど。笑
郵便局も羽振り悪くなったもんだ。昔はもっと良いもの当たってたと思うけどな。笑

③温泉旅行の偶然
退職を告げた日に、東京に住む大学オケの親友に連絡をとった。
「旅に出るよ、その前に会いたいから○〜○日、関東に住むみんなを誘って温泉旅行しよう!!」と。
すると、その日はもともと関東の大学オケの友達たちが集まって温泉旅行に行くことが決まっていた日とぴったり一致。

なかなかすごい偶然だと思いませんか??笑
 

そして、退職の日。
その日の日記にはこう書かれていた。

“2014年3月20日

今日、最終出勤日。
ついにこの日が来てしまった。

生きている限り時間はずっと流れ続け、来たるべき日は来る。

今日は本当にいい一日だった。
今までお世話になった方々に順番に挨拶してまわり、朝から晩まで丸一日たくさんの方に挨拶して、腰が痛くなった。

驚く人やうらやましがる人、いろいろいたけど、応援してくれる人が多くて本当に嬉しかった。

みんなの応援が力になるってほんとなんだなと、初めて実感した。
スポーツ選手がよく言うセリフだけど、ただの社交辞令だと思ってた。今までそんな経験はなかったから。

部長に相談したときの凹みっぷりからは考えられないほど、今は前向きで、本当に、応援してくれたみんなに、後押ししてくれたみんなに、心からありがとうを言いたい。

本当にお世話になりました。

すばらしい経験と、思い出と、人脈を作ってくれたこの会社に、心から感謝!!!!!

一生忘れないです。
たくさんの人に支えられた4年間でした。”
 

(同じ日の日記)

”飛び出したーーーー!!!!!!!
飛び出した、飛び出した飛び出したー、飛び出した!

眼下に広がるのは、真っ白な景色。
霧の中をずーっと落ちているような、それか逆に空を飛んでいるような、そんな不思議な気持ち。

これから待っていることが予測できない、でも怖くない。わくわくであふれている。”
 


 

そしてちょうど一年前の2014年4月6日、私たちは旅に出た。

この一年、本当に数え切れないほどの経験をした。
29カ国を旅して、感動したり、悔しい思いをしたり、けんかしたり、笑ったり、泣いたり、毎日新しいことばかりで刺激的だった。

遠い知らない国だったたくさんの国々は一気に身近な存在になり、どんな人がどんな生活を送っているのか自分の中で思い描けるようになった。

地球がどれくらいの大きさで、どれくらい厳しい自然や豊かな自然があるのかも分かってきた。

そして世界の色んな所に友達ができた。帰る場所ができた。

それってすごいことだなぁと思う。
 

でも、旅に出て良かったかと聞かれると、正直まだ分からない。

旅に出て良かったかどうかは、この後の人生のことも含めてじゃないと答えられない。
結局答えが出るのは死ぬときなんだと思う。
これからどんな人生を送って、その人生に今回の世界旅行がどう影響してくるかにかかってる。

例えば誰かが世界一周旅行に行くかどうか迷っていたとして、「絶対行った方がいいよ!」なんて私には言えない。
きっと旅が大好きなだいごろは行った方が良いって言うだろうけど。
 

結局この決断を正しくするのも台無しにするのも自分自身。

何となくだけど、旅に出て良かったって思える人生になるような気がしています。

とにかく今は日本に帰国するまでのあと半年(予定)を楽しむこと!!

そして、二人とも笑顔で帰国すること!
 

明日からいつもの旅行記に戻りますが、引き続きよろしくお願いします!



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