カリマにある素朴で素敵な遺跡。エル・クッル。
20/AUG/2014 in Karima
カリマで迎えた朝。
2ヶ月で南アフリカへ抜けないといけない”こうう君”と別れ、私たちはカリマから少し離れた所にある遺跡エル・クッルへ向かう事にしました。
宿の人に行き方を確認したところ、行きはマーケット近くのミニバス乗り場から行けて、帰りは大通りに出て適当に車をつかまえて帰ればいいらしい。
まずは散歩がてらミニバス乗り場まで歩きます。
女の子はみんなお揃いの白い制服で元気に通学。
お父さんと一緒にロバで通学する子供も。
大人の女性の衣装は色鮮やか。
スーダンでもトゥクトゥクが庶民の足です。
朝食を買いに商店へ入ると、地元の人たちも朝食のヨーグルトを買いに来ていました。
そんな感じでぶらぶら歩いていると30分ほどでバスターミナルへ到着。
停車していたボロボロのミニバスがエル・クッルの近くまで行くそうなので、満員になるまでしばし待つ。
結局30分待っても数人しか集まらなかったので、運転手が諦めて出発。
村を出るとすぐに昨日行ったピラミッド群が見えて来ました。
村を出ると中国が建設した舗装路を快調に走る。
途中で何度も川に架かった橋を渡った。
橋と行っても今は乾期なので干上がっています。
ミニバスは1時間ほど走って村の中へ。
なぜか一件の家の前で止まり、ドアをノック。
すると中から大きな鍵をぶら下げたおじいさんが出て来て車に乗り込んできました。
車は謎のおじいさんを乗せてさらに走ります。
そしてミニバスが止まったのは何もない砂漠のど真ん中。
すると、さっきバスに乗って来た謎のおじいさんが言いました。
「さあ行こう。」
何だかよく分からないけどバスを降りると、私たちの乗って来た車はどこかへ走り去ってしまいました。
砂漠に取り残された私たち2人とおじいさん。
状況がイマイチ飲み込めずに戸惑いましたが、既にどこかへ向かって歩き始めていたおじいさんを慌てて追いかけます。
しばらく歩くと、何やら長細い砂のオブジェが見えて来た
「これがクッルだ。」
おじいさんはそう言うと、ぶら下げていた大きな鍵をおもむろに取り出し、砂のオブジェについていた南京錠をガチャガチャと開け始める。
そして扉が開き、おじいさんは砂のオブジェの中に消えて行った。。
しばらくすると、オブジェの中から声が聞こえてきました。
「早く降りてこい!」
あっけに取られて立ち尽くしていた私たちは、おそるおそる砂のオブジェの中へ入ります。
するとそこには驚きの光景が!!
ただのオブジェだと思っていた砂の塊の中は大きな空洞になっていて、地下に向かって長い階段が設けられていたのです。
そして、階段の下にはさらに扉があり、おじいさんが手に持っていたライトでおもむろに中を照らします。
するとさらに驚くべき事に、そこには色鮮やかな彩色の壁画が地下の空洞を埋め尽くすように描かれていたのです!!
壁に描かれているのはルクソールの王家の谷で見たのと同じ神々のイラスト。
そして王家の谷と遜色の無い鮮やかさで残っています。
紀元前1000年以上も前の壁画かこんな所に残っているなんて驚きです!!
中央の奥には太陽が描かれていて、太陽の船が空を進んで行く様子を表現しているそうです。
興奮気味に地下の墓から出ると、おじいさんがこのエリアに点在するその他の遺跡も案内してくれました。
この墳墓群は、紀元前8世紀ごろ興ったクシュ王国の王族たちのお墓。
クシュ王国は一時はエジプトにまで進出する程の栄華を誇っていて、アフリカの黒人王国としては現在知られている最古のものだそうです。
柱にはヒエログリフが残る。
何もない砂漠の中にぽつぽつと残る素朴な遺跡たち。
パッと見はただの砂の塊なのに、その中には地下へと続く長い長い階段と色鮮やかな壁画。
そのギャップに初めは驚き、それからじわじわと遺跡に閉じ込められた時間の重みが心に沁みて来る。
何も知らずにここまで来たけど、ここは私たちのお気に入りの遺跡となりました◎
そんな素敵なエル・クッルに感動して砂漠の中を歩いていると、突然遠くから男の声が聞こえて来た。
「おい!こっちだ!」
つづく
daigoro
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