LINEで送る
Pocket

21/MAY/2015 in Krakow

私たちがSzymonの家にお世話になって滞在している世界遺産の街クラクフ。

でも、実はクラクフの近くには、クラクフ旧市街以外にも2つの世界遺産があります。

今日はその内の一つ、ヴィエリチカ岩塩坑に行ってみます。
 

クラクフ駅の近くから路線バスに乗って1時間ぐらいの距離。

バスの券売機が難しくてちょっと苦戦しました。
ちなみにポーランドのバスはバス停か車内でチケットを買うけど、それをドライバーに見せたりしなくていいので無賃乗車ができてしまいます。
P5210167

それを防止するために係員が定期的にチェックに入るそうだけど、もし見つかったら60ユーロとか80ユーロの罰金になるそうです。
ワルシャワのMichalは、「無賃乗車している人もいるけど、見つかった時の出費を考えると割に合わないよ。」と言っていました。
あと、入国したばかりでルールをよく知らないツーリストがよく捕まっていたりするそうです。
 


 

ヴィエリチカはバスを降りてから15分ぐらい歩いた所にあります。
P5210168

ヴィエリチカへの入場はツアー参加のみ。個人で歩き回ることはできません。
私たちが着いたときはちょうどツアーの切れ間だったので小一時間待つことになってしまいました。
まあ、時間を潰すことには慣れてるから大丈夫。
 

そして私たちのツアー開始時間になり、入口で無線を借ります。
いつもは高くて借りれないやつ!!ツアーで来ている人たちがよく持ってるやつ!
(ガイドの言語は英語、ドイツ語、ポーランド語などなど数カ国語から選ぶことができます。)
P5210003

ちなみに、写真撮影は別料金。シールを購入してカメラに貼付けておかなければいけないのでご注意を。
 

不思議な地下迷宮『ヴィエリチカ岩塩坑』

ツアーが始まると、まずは階段を下りていきます。

長い長い階段。
降りても降りても着かないなぁ、
P5210183

と思っていたら、びっくりするほど深い!
どこまでも下に向かって階段が続いているのが見える!
P5210181

がんばって降りまくります。

各踊り場には番号が書いてあったのですが、一番最後の踊り場には”52”の番号。
踊り場二つで1階分ぐらいだから、26階分も降りたことに。ものすごい深さです!
 

ガイドに連れられ、鉱内の気圧を一定に保つためのドアをいくつもくぐりました。

そして出迎えてくれたのがこの彫刻。
かの有名な天文学者コペルニクスです。塩でこんな彫刻が作れるなんて知りませんでした。
P5210199
 

ガイドさんの話によると、なんとコペルニクスもこの場所を訪れたことがあるそうです!

ヴィエリチカでは著名人が訪れるとその度に彫刻を作っていて、コペルニクス以外にも歴史上の人物がたくさん訪れています。
歴代の王様やローマ法皇、有名な詩人などなど。

ちなみにこれはポーランド人が愛するショパン。ショパンも1829年にここを訪れたそうです。
P5220377
 

この岩塩坑は13世紀に採掘を開始し1996年まで採掘されていましたが、今は採掘はストップしていて主に観光資源として使われています。

ここの岩塩は塩の純度が高く、グレーに見える部分でも光を当てると透明なのが分かります。
ガイドの人が懐中電灯を床に置くと、岩塩の奥の方までが透けて見えました。
P5210200
(ガイドが照らした足元がすごく透明だったんだけど…遠くに立っていて上手く撮れてなくてごめんなさい。)
 

「岩塩には有害物質が全く含まれていないのでテイスティングしてみても大丈夫ですよ」とガイドが言うので、その辺の壁をぺろっとなめてみました。うん、しょっぱい。
 

採掘の様子も丁寧に説明してくれました。
これは馬を使って地下の岩塩を上の階層へ持ち上げる装置。確か2tまで持ち上げられるって言ってたかな。
P5210225

全盛期の16世紀には90頭もの馬がここで働いていたそうです。
毎日真っ暗闇の中、黙々と歩いてたんだろうなぁ…。
P5210234
 

採掘には危険はつきもの。
やっぱりここも命を落とす人が多い危険な場所でした。

これは当時使われていた階段。
岩塩を削っただけでツルツルだし、しかも湿って滑りやすいところで作業していたそう。
P5210243

滑ったら数10mは落ちてしまうところもありました…。
P5210246
 

また、水のコントロールも安全を確保する上で重要な要素。
こんな滑車のような装置で地下水をくみ上げていました。
P5210247

時には水が塩を溶かして崩落を招くこともあったそう。
今でもここからたくさん地下水が出ています。
 

さらに、岩塩坑内には可燃性のガスが発生することもあったそうで、誰かが長い棒の先に松明をつけて定期的に確認しにいったりしていたそう。
当然、爆発して死んでしまったり大やけどをしてしまう事もよくあったそうです…。

それでも、この採掘場は一時は大人気の職場でした。
なぜなら、塩の価値が金と同じぐらい高かった時代があったから。
給料も良いし、毎日ポケットに塩を忍ばせて持って帰り、個人的に売って儲けていたそうです。
確かに、毎日ポケットに金が入ってたら…毎日大儲けだ。
当時、国の収入の3分の1がここから採れる塩だったそうです。
 


 

そんな岩塩坑には奇妙なものがたくさんありました。

例えばこのスパゲッティと呼ばれる細い塩の結晶。
たったの3ヶ月でこれぐらい伸びてくるそうで、定期的にカットしているんだって。
P5210232

あとこれはガイドさんがカリフラワーと呼んでいた、もこもこの塩の結晶。
すごい所だと、部屋一面がこのカリフラワーで覆われている場所もありました。
P5220386
 

こんなにきれいな湖もありました。
ここは観光用に作られたもので、水に塩を溶かして飽和させてあるので、塩でできた外壁が溶け出すことがないそうです。
P5210305

ガイドさんの話によると、以前にこの湖で観光用のボートツアーをしていたこともあったそうですが、今は観光客が増えすぎてボートツアーはなくなりました。
なんと繁忙期には9,000人もの人が一日に訪れるそう!!
今日も3,000人ぐらいの人がここに来ていると言っていました。
 

小さな教会もありました。
事故が多いこの採掘場ではお祈りは欠かせません。
こうしたチャペルはこの採掘場の中に40個もあるんだそうです。
P5210346

こんなに天井が高いところも。十メートル以上はあります。
坑内はこうしてサポート材を入れて崩落を防いでいます。
P5210311

ちなみにこういうホール状になっているところは最大で高さが36mもあって、上からバンジージャンプをした人や、気球に乗ったまでいるそうです。

これは採掘場の立体地図の一部。
私たち観光客が入れるのは極一部ですが、地下9階まであるそうです。
一番深いところは327m、坑道の長さは300km以上にも及ぶそうです!
P5210361
 


 

そして岩塩坑を歩き回って辿り着いた最大の見所がこれ!!
岩塩をくり抜いてできた教会です。
P5210273

この教会は地下101mのところにあって、たった3人の炭坑員がなんと70年がかりで作ったそうです。
 

シャンデリアも全部岩塩でできています。
シャンデリアの部分には透明度が高い純度100%塩を使っているそうです。
P5210293

教会の両脇には塩でできた階段があって、手すりも、壁の彫刻も全てが塩でできています。
同じ塩でもいろんな質感があって本当に面白い。
P5210275

祭壇もこの通り。
教会らしく、天使の彫刻や聖書に出てくる話などがたくさんありました。もちろん全て岩塩を削って作られています。
P5210294

これはレオナルド・ダ・ヴィンチ『最後の晩餐』を元にした彫刻。
削っている部分の奥行きはわずか18cmだけど、遠近法を利用しているのでもっと深く削られているように見えます。
P5210295

ちなみに、ここで結婚式を挙げる事もできて、岩塩坑内の別の場所にはレストランや二次会の会場まであるんだって。
 

そして帰りはエレベーターで一気に地上へ!

かなり古くて心もとないエレベーターに乗りましたが、無事に地下から脱出できて一安心。
こんな建物から出てきました。
ヴィエリチカの敷地内には、かつて馬や資材を出し入れに使われていた、これと同じような建物が他にもたくさんあるそうです。
P5210176
 

最後にヴィエリチカ岩塩坑に行ってみた感想ですが、本当にすごい規模でいつまでいても全然飽きない場所!
地下300メートル以上も広がる地下迷宮にかつて人や馬がいたのを創造すると、まるでSFかと思うほど不思議な世界でした。

入場チケット2枚と写真撮影1台で168ズウォティ(約5900円)でした。
結構なお値段ですが、初めて見る驚きの世界が広がっていたので一見の価値があり!
ツアーは全部で2時間もあり、ものすごいボリュームでした。
 

だいごろがスーパーで買ったのは…。

ヴィエリチカから帰ってから、今日も自炊のために買出しへ。
大型スーパーで手分けして食材を探していました。

すると、だいごろが急にいなくなって迷子になりました。

探しにいってみると、こんなところにいました。
ポンチュキ売り場です。笑
P5220005

”きっこ、すごいで!!この入れ物ポンチュキがちょうど入るようにできてるねん!!”
買物する時はいつも二人で相談してからかごに入れるのに、大喜びしながら勝手に4個もケースに入れてしまっていました。笑
P5220012

ポーランドに来てからというもの、毎日ポンチュキを食べているだいごろ。
だいごろが糖尿病にならないか心配です…。

(ポンチュキについてはこちら▶︎久しぶり!ワルシャワで懐かしの旧友たちとの再会ラッシュ!!
 

ちなみにスーパーにはこんなものも売っていました。
ジャムを生地でくるんである、油で揚げる前のポンチュキです。
やっぱりポーランド人はポンチュキが大好きなんだなぁ。
IMG_3073 2
 

その後、家に帰ってポンチュキを食べているとSzymonが帰ってきました。
Szymonがいつも飲んでいるポーランドビールで乾杯。仕事お疲れ様!
P5220002
 


 

そして、クラクフを出発する日の朝。

Szymonは仕事ですが、フレックス制なので10時半までに出社すれば良いそう。
時間があるので一緒にSzymonの家の裏山へ散歩に出かけます。
P5220006

上り道は急なので自転車を押して歩きます。
朝のんびり起きて、仕事前にこんな時間がとれるなんていいなぁ。
P5220009

そして登りきった先からはクラクフの街と自然を一望する事ができました。
この崖になっているところでロッククライミングする人も多いみたいで、「俺も彼女と何度か登ったよ。」とSzymonが言っていました。
P5220017

丘からクラクフの街並を見下ろすと、木々に囲まれて美しい。
街と自然が共存してる。いいところだなぁ。
P5220012 2
 

30分ぐらい一緒に散歩した後、Szymonはそのまま仕事へ。
職場は家から徒歩5分ぐらいのところ。銀行のSEをしてるんだって。
一緒に職場の前までついていくと、世界的にも超有名な銀行だったのでビックリしました。Szymonってすごかったんだ。笑

私たちはこの後クラクフを出るので、Szymonとはここでお別れです。
3日間お世話になりました。ありがとう!

そして私たちは、クラクフの近くにあるもう一つの世界遺産。

あの場所へと向かいます…。



Facebookで最新の更新情報をお届けしています。
「いいね!」ボタンを押してフォローしてね◎