え?なんで??パタゴニアでヒッチハイクをしてたら意外な車が止まりました。
23/DEC/2014 from Rio Gallegos to Ushuaia
リオガシェゴスのガスステーションで目覚めた朝。
寒空の中テントをたたみます。
朝ご飯をガソリンスタンドの横の売店で食べていると、地元の若者がフレンドリーに話しかけてきたり、店の中に野良犬がたくさん入って来たりして楽しかった。
そしてそろそろヒッチハイクを始めようと準備をしていると、さっきまで寝ていたファビオの車が動きだしたのでダッシュで追いかけて道路まで手を振りに行きました。
ファビオはすぐに気付いてくれてクラクションで返してくれた。
笑顔だった。
”ありがとう”
朝っぱらからまた泣いてしまいました…。
僕たちが目指すアルゼンチン最南端の街ウシュアイアまではここから500キロぐらい。
今日も元気にヒッチハイク開始です!
まずはガスステーションに泊まっている車に声をかけてまわりますが、1時間探しても乗せてくれる車は見つかりません。
場所が悪いのかもしれないと、荷物を全部持って”Ruta3”を歩いてウシュアイア側へ進んだ所でヒッチハイク再開。
そこで30分ぐらい頑張っていると1台の乗用車が止まりました。
名前はガビ。明るくて溌剌とした女性です。
ガビはこの街に住んでいて、街の出口のところまで乗せて行ってくれるそうです。
そこなら通る車はウシュアイアかチリのプンタアレナス行きのどちらか。
交通量は少ないけど、ウシュアイアまでの車は見つけやすい。
僕たちのために家とは全然違う方向なのにわざわざ乗せて行ってくれました。
ありがとう、ガビ。
ガビに降ろしてもらったのは街の外れにある警察の検問所。
風がびゅんびゅん吹いていて寒い。
検問所の先には線路があって、制限速度が20キロになっていたので、そこでヒッチハイク開始
車の台数は少ないけど、一台一台にアプローチできていい感じ。
でも、ヒッチハイクを始めてからいつまで待っても車が全然やってきません。
ここは元々交通量が少ないらしいのですが、クリスマス前なので今は極端に少なくなっているみたい。
これは丸一日かけても見つからないかもしれないな…。
ここからウシュアイアまでは気温もぐっと下がる上に、これまでテント泊や食事をするのに頼みの綱にしていたガソリンスタンドも殆どありません。
しかもアルゼンチンはキリスト教徒が大多数を占める国なので、クリスマス前後は店も閉まるし仕事も休み。
だから、もし明日のクリスマスイブ、明後日のクリスマスに入ってしまったらトラックも車もほとんどいなくなる。
そしたら間違いなくこの何もない場所でテント3連泊が確定。
それは精神的にも体力的にもきつすぎる…。
一時間に数台しか走ってこない車に全力でアピールしながら、祈るようにヒッチハイクをし続けました。
そしてヒッチハイクを始めてからおよそ2時間。
僕たちの前を通り過ぎた先で1台のトラックが止まりました。
”もしかして止まってくれた??”
きっこが走って確認しに行きます。
”だいごろ!乗せてくれるって!!”
笑顔で走りながら戻って来たきっこ。
一緒にザックを担いでトラックへ乗り込みました。
僕たちを乗せてくれたのはチリ人のセシール。
これからどこまで行くのか聞いてみると、チリのプンタアレナスへ向かうそう。
ウシュアイアへ行くのにも、一旦チリに入ってからアルゼンチンに戻らないといけないので、国境までは同じルート。
なので国境まで乗せて行ってくれるそうです。やった!!
トラックの中はびっくりするほど広くて本当に家みたい。
これまで乗せてもらったトレーラーに比べてもかなり広くて、運転席の後ろには2段ベッドまでありました。
セシールは個人経営のルベンやファビオと違って、大きな運送会社に勤めているそうです。
彼は日本の寿司が大好きで、チリにも美味しい海鮮料理がたくさんあるよと教えてくれました。
セシールはお腹の減っていた僕たちにオレンジをくれました。
ホントにみんな優しい人ばかり…。
そして走り出してから1時間ほどで国境へ到着。
ここの国境はアルゼンチンとチリのイミグレが一つになっていて、出国と入国がまとめて出来たので楽チンでした。
そういえばアルゼンチンとウルグアイの国境も同じシステムだった。
他の国境も同じようになればいいのになぁ。
という事で無事チリへ入国し、セシールとはここでお別れ。
国境から再びヒッチハイク開始です。
ここからウシュアイアまではかなり距離がありますが、ウシュアイアまで直行する車を探します。
というのも、国境にいた人たちに聞いた所、ウシュアイアまではリオグランデという街を除けば家やレストラン・ガソリンスタンドがほとんどないそう。
途中で降ろされたら冗談抜きで死んでしまうかも…。
その後も国境でヒッチハイクを続けますが、なかなかウシュアイアまで乗せて行ってくれる車が見つかりません。
国境には建物はあるものの、気温がかなり低い。
それに風がめちゃくちゃ強くてただ立っているのも辛いぐらい。
もしここでテント泊になったら、僕たちの持っているテントでは耐えられないかもしれない。
それに降ろしてもらった時点で食料もほとんど残っていませんでした…。
なんとか止まって欲しい…。
国境警察の目を盗みながら必死に親指を立てます。
風は強くて目も開けられないし、寒くて顔は硬直してくる。
それに連日のヒッチハイクの疲れで腕を上げるのが痛くて痛くて泣けて来る。
でもヒッチハイクのしすぎで筋肉痛になる経験なんて初めてでちょっと笑えます。
そして国境でヒッチハイクすること1時間半。
僕たちの前に止まった大きな車。
え? もしかして止まってくれた??
でもこの車はヒッチハイクとは無縁のはずだし、きっと別の人を乗せるんだろう。
そう思いながら再びヒッチハイクを始めようとすると、車の中から運転手が出て話しかけてきました。
「ウシュアイアまで行きたいのか?」
”え?”
”なんで? この車で??”
「ちょうど二人分の椅子が空いてるからウシュアイアまで乗せていってやるよ。」
”???”
混乱する私たちをよそに話し続けるドライバー。
ヒッチハイク旅7日目にして迎えた意外な展開にただただ戸惑う二人なのでした。
つづく
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daigoro
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