自然ときっこ家の昔話。
22/JUL/2014 in San Jose
コスタリカは、自然豊かな小さな国。
ニュージーランドやアフリカみたいな目を見張る絶景という感じではないけれど、豊かな水と森があって、数え切れないほどの野鳥が生きる場所。
この国のスーパーで目に着いたのがこんなものたち。
石鹸やシャンプー、ハンドソープ。
いろんなものに、”Biodegradable”と書いてある。
つまり、自然が分解できる成分ということ。
今まで訪れた多くの国とは違う。そして、昔のことを思い出した。
私の母は、自然にやさしいものにこだわる人だった。
シャンプー、リンス、石鹸、洗剤、歯磨き粉…全部自然の素材でできていて、自然が分解できるものを使っていた。食品にもこだわった。無農薬の野菜を農家から取り寄せていたし、加工品はほとんど買わなかった。
シャンプーとリンスは一袋800円もする高価なもの。6人家族が使うとあっという間になくなってしまう。裕福とは言えない我が家でそのシャンプーとリンスを10年以上使い続けるのは決して簡単なことではない。母が選んで使っていたシャンプーだけど、私を含めた子供たちにも不評だった。泡立ちにくいし、いい香りもしない。何より、髪の毛がまとまらずにギシギシする。思春期の私たち姉妹は次第に嫌になって、自分のお小遣いでシャンプーを買うようになってしまった。
嫌だったのはシャンプーだけではない。すぐに生乾きの匂いのする洗濯物。不味い歯磨き粉。茶色い汁だらけのお弁当。虫のついた白菜が入った鍋。
どれだけ母に文句を言い、歯向かったか知らない。
でもコスタリカで自然にやさしい商品を見つけたとき、買いたいと思った。母の選んだようなものを選びたいと思うようになった。
旅をしてきて一番の変化は、自然を守りたいという想いが強くなったこと。
美しい自然とたくさんの動物たちを見てきた。
そして同時に、人が占有する広大な土地と、たくさんのゴミと、追いやられた動植物を見た。
想像してみる。
このゴミがどこに行くのか。
海の底にどれだけたくさんのゴミが積もっているのか。
このゴミで窒息死する動物がどれほどいるのか。
ゴミが自然に還るのにどれほどの時間がかかるのか。
明らかに下水のない街で普通の洗剤で洗濯する人を見たし、私自身も罪悪感に苛まれながらも洗濯した。
なんで人は生きているだけでこんなに自然を穢すんだろう。
無職の私だけど、ちょっとぐらい無理してでも不便しても、自然にやさしいものを選んで買うようにしよう。
みんなが使ってるから、ちょっとぐらい自分が汚しても変わらない、なんて私は思わない。
そして、日本みたいな先進国にいても、自然にやさしいものを使うべきだと思った。
先進国は、自然を汚しているのを隠すのが上手なだけ。
目につかないところに隠して、気づかないふりをする。
下水処理でどれだけの化学物質が除去できるのかなんて知らない。
ゴミを燃やせばどんな物質が出てくるのか知らない。
水田で使われた殺虫剤がどれだけのミツバチを殺すのか知らない。
最後にずっと私の心に残っている”セヴァン・カリス=スズキ”の言葉を引用します。
治し方を知らないのに壊し続けるのをやめてください。
kicco
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