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28/JUL/2015 in Shiraz

お世話になったアリ・ハイデ一家に別れを告げ、今日はシーラーズ郊外のペルセポリスに向かいます。

ペルセポリスは紀元前520年から紀元前331年頃に栄えた古都。
ペルセポリスという名前は「ペルシャの都」という意味だそうです。

シーラーズの長距離バスターミナルの隣にマルヴダシュトという村まで行くバスが発着しています。運賃は1人20,000レアル(約80円)。
ペルセポリスに直行するというタクシーの客引きが多いからちょっと見つけにくいかもしれませんが、安く済ませたい方はがんばって探してください。
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マルヴダシュトからはシェアタクシー(1人25,000レアル=約100円)に乗って、ペルセポリスの入場料150,000レアル(約600円)を支払って入場。

ペルセポリス近郊はシーラーズよりも暑いと聞いていましたが、噂通りめちゃくちゃ暑い!
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日陰を探しながらふらふらと歩いていくと、巨大な遺跡が見えてきました。
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これが遺跡の入り口の大階段。
段の幅が広いのは、馬に乗って登れるようにしているからだそうです。
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大階段を登りきると巨大な門が現れました。
牛の像の頭がなくなっているのは、偶像崇拝を嫌うイスラム教徒によって破壊されてしまったから。
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こんなに高い高い柱の上には、かつて屋根があったんだそう。
どれほど立派な宮殿だったんだろう。
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この空飛ぶ双頭鷲像はイラン航空のシンボルになっています。
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これはアルタクセルクセス2世の王墓。
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王墓は山の壁面を削って作られていて、柱のレリーフの上にあったのは馬。ドットで描かれた手綱が可愛い!
同じ石の遺跡でもエジプトやヨルダンでは見たことがないデザインです。
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王墓からはペルセポリスの街が一望出来ます。
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ここは百柱の間。
その名の通り、かつて100本の柱があったと言われています。
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そして、一番面白かったのが遺跡のいたる所に施された壁画の彫刻。

王様に捧げものをする各国の使者の姿が描かれていて、牡牛やラクダ、ライオン、馬といった動物を見つける事が出来ます。
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動物以外にも、トウモロコシや砂糖、布、短剣、斧などもあって、とにかく細かい。
使者の顔や服装も国によって描き分けられています。
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捧げものや服装を見れば、どの国からの使者か分かるんだそうです。
描写が丁寧でとにかくびっくり。

しかも、貿易していた国々は東はインドから西はエチオピアまで!
紀元前500年と言ったら、もちろん動物しか乗り物がない時代。
そんな時代に、こんなにたくさんの国々と貿易をしていたなんて。

権力の象徴でしょうか。この牡牛を襲うライオンのレリーフは随所に見られました。
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ペルセポリスはペトラに比べるとかなり小さいけれど、独特の描写が私たちにとっては新鮮で大満足。
行くかどうかちょっと迷ったけど、行って良かったです。
 

ところで、ヨルダンのペトラ遺跡、シリアのパルミラ、そしてここイランのペルセポリス。
この3つを合わせて中東の3Pと言われています。

私たちはペトラに行ったことがあるので、ペルセポリスに行った今、残すはパルミラのみ。
でも残念ながらパルミラはご存知の通りISの標的になっています。
ニュースで仕切りにパルミラが砲撃されたという話を聞くのでもうほとんど原型を留めていないんじゃないかと不安は膨らむばかり。
一度なくなってしまったら二度と取り戻せない遺跡。残念です。
 


遺跡を出るとお腹が減っていたので、バスに乗る前に近くの店でケバブを食べました。もちろん羊の肉です。
黒いのは焼トマト。ケバブ屋さんでは大抵焼トマトも売っています。お味は、うーん、見たまんま。笑
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ご飯を食べたらバスでシーラーズのバスターミナルに戻って、これから首都のテヘランへと戻ります。
テヘランでウズベキスタンビザの受け取りと、トルクメニスタンビザの申請をしないといけないから。
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情報ノートによるとシーラーズからテヘランに向かうVipバスは、食事がつくらしい。
シーラーズのホスト、アリも「テヘランへのバスはごはんが出るよ」と言っていました。

チケットを買う時に念のためバス会社の人に確認したけど、英語が通じないからよく分からなかった。
でもきっと食事がついてるんだろう。

バスは出発し、何度か休憩をして時刻は夜の8時頃。そろそろ夜ご飯の時間。
でもなかなかご飯が出てこない。

”本当にご飯あるのかなぁ?”
不安になって来たので、途中休憩の時に他の乗客を観察します。
もし晩ご飯がついてないなら、ここでご飯を買って食べるはず。
ずーっと観察してたけど誰一人として食べてない。

「May i help you?」

キョロキョロとレストランや売店を見ている私たちを不審に思ったのか助けたくなったのか、一人の男性が声をかけて来ました。

”このバスは夕食ついてるかな?”

彼に夕食付きか念のため聞いたら、バスの中で食べれるから、と教えてくれました。
安心してバスに乗り込みます。
 

でも食べ物は一向に出てくる気配がない。

10時になっても11時になってもごはんは出てこない。

みんな夜型なのかな。

おなかぺこぺこ…。

バスの乗務員にジェスチャーして、聞いてみます。

”何時にごはん?”

全然通じない。

さっきの英語が喋れた男性に”ディナーは?”と聞いてみると、なんと、”ディナー”っていう単語の意味が分からない様子…!!英語しゃべれなかったんだ…。
きっと、さっきごはんがついてるか聞いたときは、あまり分からなかったけど雰囲気で ”Yes” って言ったんだろう。
こういうことは海外では本当によく起こるけど、本人は助けようとして言ってくれてるし、悪気はないから仕方ない。こっちの聞き方も悪かったんだ。
 

乗務員と英語が喋れた風の男性を交えてジェスチャーで頑張っていると、ようやくディナーの意味を理解してくれたみたい。

”ディナーは?”

もう一度聞くと、

「…ない。」と一言。
 

晩ごはん、なかった…。涙
 

私は割と空腹には耐えられるタイプだけど、だいごろはバスで食べられると思ってお腹を減らしてたからガッカリが半端なかった。
でも仕方ない。

食べ物を買おうにも、日付が変わろうとしているこの時間にバスが止まる気配はない。

このまま朝まで耐えるしかないのか…。
あまりの空腹に目を開けたまま動かなくなるだいごろ。
無心になって空腹を忘れようとしています。

すると、さっきの英語が喋れた風だった男性がサンドイッチを差し出してくれました。
彼は私たちの前に座っていたから分かるけど、彼はまだ何も食べていないはず。彼のごはんを奪う訳にはいかないので断りました。

さらに、そのやり取りを見ていた後ろの人が食べかけのお弁当を差し出してくれます。

みんなこうやってお弁当とか食料を持参でバスに乗っていたんだ。
だから途中休憩で食べる必要は無くて、きっとバスの中でこっそり食べてたんだな。

そしたらさらにどこからともなくバナナが出てきた。
しばらくするとりんごが出てきた。
桃も出てきた。
バスの中の人みんなが食料を渡してくる。

イラン人、なんて優しいんだ!
ありがたく果物を少しずつもらって、おなかが少し満たされました。
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果物を食べていると時刻はもう深夜1時すぎ。
お腹が満たされたので寝ようとしますが、このバスは音楽がうるさすぎ。夜通しガンガンかけていて全然眠れない。

ドライバーに音小さくしてって言っても小さくするのは最初だけ。気付いたらじわじわ音量を上げてきます。
それに乗客もずっとお喋りをしている。イランで夜行バスに乗るの3回目だけど3回ともみんな夜通し起きて喋ってる。
夜行バスで寝るって感覚がないのか、人が話してても気にせず寝れる人ばかりなのか。
せっかくゆっくり寝れると思って3列シートのVIPバス選んでるのになぁ。

と言う事でなんやかんやありましたが、こうして何とか断食バスを乗り切ったのでした。
無事テヘランに到着です。やれやれ。

つづく



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