どうなる? 初めてのスーダン国内移動。ワディハルファからカリマへ
19/AUG/2014 in Wadi Halfa
朝、自転車旅行者のRueを見送ってから、私たち二人とこううくんはバスに乗り込む。
出発したのは8時半ごろ。
私たちはカリマまでの値段を払ったけど、一緒に乗ってる人たちはこのバスはワディハルファとカリマの間のドンゴラまでしか行かないと言う。
どうやらドンゴラでバスを乗り換えることになりそう。
…嫌な予感。
ドンゴラでカリマ行きのバスに乗り換えるときに、カリマまでの運賃をもう一度要求されそう。
運転手に本当にカリマまでの料金か?と聞いても英語が分からなくてうまく伝わらない。
バスの事務所の人も、ノープロブレムしか言わない。
これは一悶着ありそうだ。
そう思いながらもバスに乗り込む。
バスの車内はこんな感じ。
道は舗装されている一直線の道だったのでかなり快適でした。
数年前のドキュメンタリー番組ではここは完全なオフロードだったので、最近できた道みたいです。
オフロード時代は、タイヤがスタックしたり砂埃が大量に舞っていて大変そうでした。
このバスは車内も汚くないし、エアコンが効いていて意外。
ただ足の居場所が狭くて、お尻痛くなった…。
車内にはテレビがついていて、テレビからはスーダンの音楽が流れていました。
スーダンの音楽は、ものすごく単調。
演歌みたいな曲調で、スローテンポの同じリズムで盛り上がりも盛り下がりもない。
真ん中に歌っているおじさんがいて、その後ろは演奏隊。
バイオリン弾きもいたけど、弓さばきもぎこちないしビブラートもしてなくて、私よりもよっぽど下手。
でもあの音程の外し方は、ある意味身に染み付いていないとできないかもしれない。
ディナーショーみたいな感じで丸テーブルが並べられていて、
でもテーブルには何も置かれていない。
観客は曲に乗るでもなく寝るでもなく、無表情で歌手を眺めている。
黒っぽい山々。
あまりの暑さに、石まで焦げてしまったんじゃないかと思えるほど。
一口に砂漠と言っても、その姿は様々。
砂山がいくつにも連なる砂漠とは全然違うけど、ここだってサハラ砂漠の一部なんだ。
ナイル川沿いだけ、少しだけ緑がある。ヤシの木が多い。
そして、こんなところにも人が住んでいる。
こんな厳しい自然の中でも暮らしている人がいるのに驚く。
川沿いとはいえ、本当に厳しい環境。
途中、バスの休憩所でごはん。
チキン二切れとパン2個で20ポンド(230円ぐらい)。はっきり言って高い。
絶対ぼったくられてると思って、同じものを頼んだスーダン人に聞いたら、その子も20ポンド払ったと言っていた。
スーダンは単にコストパフォーマンスの悪い国なのかもしれない。
休憩所のトイレはレストランから少し離れたところ。
スーダンのトイレは大抵こんな感じで、穴が開いているだけ。
でも、極度の乾燥地域なので匂いは殆ど気にならないです。
休憩所を過ぎると、少しだけ緑が増えてきた。
ヤシの木の畑や、野菜のようなもの。
そして5時間後。ドンゴラの街に到着。
ここで案の定バスを降ろされ、乗り換えることに。
私たちはバスの中で入念に作戦を練っている。
まずは、メモ帳に文字を書いて、カリマまで支払ったと言い張ろう。
カリマ行きのバスをこのドライバーに捕まえてもらって無料で乗せてもらうまでは、私はミニバスから降りずに駄々をこねよう。
事務所に電話しろ、と言ってみよう。
そして、戦闘態勢でミニバスを降りるだいごろ。
だいごろ「カリマ、ノーマネー??」
ドライバー「ノーマネー、ノーマネー。」
え、ほんまに?
そして、私たちのバスのドライバーがカリマ行きのドライバーにさっとお金を支払って、私たちはすんなり乗り換え。
…唖然とするだいごろと私とこううくん。
なんか拍子抜けした。
エジプトだったら絶対こうはいかないもの。
払った、払ってない、のやりとりが延々続くのがいつものパターン。
陸続きの国なのに、まるで文化が違う。なぜ?
そしてそのまま順調にカリマに到着。
昼の3時頃だったかな。
カリマに来て、ひとつびっくりしたことがある。
空に雲があった。
エジプトからスーダンに下る道中で、初めての雲。
その後、カリマ唯一の安宿”Al Nasser”を目指して人に聞きながら歩きます。
ちょうど下校時間だったみたいで、制服姿の女の子たちが仲良さそうに歩いていました。
ムスリムなので、きちんとストールを巻いています。
今日の宿はこんなところ。
屋外にベッドがずらり。
これがスーダン名物、野戦病院ホテル!!
このスプリングベッドの上にマットを乗せて寝ます。
地元の人はこの野外ベッドに10ポンドで泊まれるけど、外国人は泊まれない。
以前は外国人も泊まれていたけど、物を盗まれたりいたずらされたりトラブルが絶えなかったから禁止してしまったとのこと。
野外ベッドに泊まりたかったけど、どうにもこうにも泊めてくれないので
仕方なく一人30ポンド(約340円)支払って、3人で個室に泊まることに。
確かに荷物を部屋に入れておけるのは安心だからまあいっか。
でも、室内はやっぱり空気がこもるので暑い。
扇風機はついていたけど、それでも外の方が涼しい。
結局、荷物だけ部屋に残してベッドを部屋の外に出して寝ることになりました。
一段落つくと、宿のおじさんが宿の設備を案内してくれました。
まず向かったのは手を洗うところ。
水道を捻って見せてくれる。
茶色!!手足を洗う水とシャワーはこの水。
「これはあまり良くない、ナイル川から直接ひいてる水。」
うんうん、そうだよね。この茶色さは。
出てくる水が茶色いから、水場全体に茶色い砂の色がびっしり。
いくら洗ってもこの状態なんだろうな。
そして…、
「こっちはいい水。飲み水はこっち。」
と言って、大きなタンクに入った水を見せてくれる。
えっ…
の、飲めない…私にはとても…
さっきの水と何ら変わりない…
というか、タンクに溜められている分こっちの方が汚いんじゃないかと思ってしまう。
思わず絶句。
でも、こんな水を地元の人はごくごく飲んでる。
カルチャーショック。
シャワーはこんな感じ。もちろん茶色い水が出る。
トイレはお茶の間のみなさんにお見せすることはできませんが、ぼっとん。アラブ式。
小さいポリタンクに水をためてトイレに入り、用を足した後は水を流します。
この国では、泊まる街ごとにセキュリティオフィスに行ってパーミッション(滞在許可)を取らなくてはいけない。
なんのためかよく分からん。めんどくさい。
宿の人に言われたとおり、オフィスに向かいます。
オフィスで仕事の遅い係員にパスポートを預け、手続きを済ませます。
ちなみにパーミッションは無料。
パーミッションオフィスの近くの建物から、楽しそうな声が聞こえてきました。
何かと思って入ってみると、サッカーをしていました。
芝生の状態が悪くてかわいそう。大学生っぽかったです。
サッカー好きのだいごろに言わせれば、「足場が悪いせいでドリブルとか細かいテクニックを使うことができなくて、ロングパスやラフプレーが多い。個人のポテンシャルは高いのにもったいない。」とのこと。
塀に登ってサッカー観戦をしていた青年たち。
ところで、スーダンは写真撮影に厳しい国。撮影してはいけない建物や場所も多いし、個人個人も厳しい。
女性はほぼ100%写真を拒むし、男性も半数が「写真撮って撮って〜」と言ってくる反面、残りの半数は「写真を撮らないで!」と言ってきます。
年配の人が写真を撮らないでと言ってくるかと思いきや、若い人でも嫌がる人が多いのが意外。
この写真ぐらいの人が全員、「写真いいよ!」と言ってくれるのは稀。なので貴重な一枚。
なかなかややこしい国です。
それから、カリマの観光名所ピラミッドへ向かいます。
宿の人には15分と言われたけど、歩けど歩けど辿り着かない…。
ピラミッドに向かう途中でもサッカーしていました。
こっちの方が地面が平らでサッカーしやすそう。
下の写真の奥に見えている山がジェベル・バルカル(Jebel Barkal)で、この裏側にピラミッドがあるはずです。
まだまだ遠そう…
夕日までにはピラミッドにたどり着きたいので、山を目指してどんどん歩きます。
子供が「ちゃいな、ふぉと!」と言ってこっちを見てきます。
お母さんは写真に撮れないけど、子供は女の子でも写真撮っていい子が多いです。
自転車くん。兄弟で同じポーズ!
日干し煉瓦を作る人たち。
泥を型に入れてぺちゃぺちゃっとまとめて、型を抜いて日に干します。
ずらっと並べられたレンガ。
村の中心部はコンクリートの家が多いけど、少し村の外れに行くと泥で塗り固められた家がたくさんありました。
30分ぐらい歩いてもピラミッドが見えなくて困っていたところ、たまたま通りがかった人が「乗せてあげるよ!」とありがたいお言葉。
荷台に乗せて連れていってくれました。お金の請求もなし!さすがスーダン^^
そして、いよいよ視界にピラミッドが入ってきました!
車見つけられなかったら、この骨と同じ運命を辿っていたかもしれない。笑
(この骨は遭難した後じゃなくて食べられた後だと思うけどね。)
▶︎次回:スーダン初の世界遺産。カリマにあるピラミッド群。
移動日:2014/8/19
出発地:ワディハルファ(Wadi Halfa)
目的地:カリマ(Karima)
手段:バス 前日に予約可。
運賃:105ポンド(交渉制)
発車時刻:8時半
所要時間:6時間半
kicco
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