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25〜26/JUL/2015 in Shiraz

バスターミナルの待合室で爆睡するきっこ。
雨降る山奥で彷徨ってテント泊して、その次の日は南京虫にさされまくって。疲労困憊です。
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ちなみに今回の南京虫被害はサラエボでの悪夢を越える史上最高の虫さされの数でした。
全身に百カ所を越える虫さされがあって、見るに絶えないので写真は載せないでおきます。
(サラエボの被害の様子はこちら▶︎南京虫の攻撃で顔面フルボッコ × 世界大戦の震源地
 

今はエスファハーンからシーラーズまでの夜行バスの出発待ち。
深夜になると路線バスがなくなってタクシーでバスターミナルまで来ないといけなくなるので、早めに来ました。暇です。笑

バス会社のオフィスでシーラーズまでのVIPバスのチケットの値段を聞いてみると二人で600,000リアル(¥1,200)。
イランのバス会社は観光向け価格とかは無くて適正な値段を言ってくれると聞いていたのですが、暇だったし英語が通じたので ”もうちょっと安くならない?”と何の気なしに聞いてみました。

「えー、それは無理だよー。」と軽い感じのスタッフ。

それにかぶせるように、”じゃあ他のバス会社に聞いてみよっかなぁ。”と軽い感じで返すと”分かった、ボスに聞いてくる。”と言って、いとも簡単に二人で400,000リアル(¥800)にまで下がりました。まさかこんなに値切れるとは思ってなかったのでびっくり。
こんな事なら前に夜行バスに乗った時も値切っとけば良かった!

これはバスのチケット。
エジプトにいた時にアラビア語の数字を覚えていたので、料金や日付、時間ぐらいはこれを見れば分かります。
でもイランでは西暦ではなくイラン暦が使われている場合も多く、例えば「西暦1999年8月11日は、イラン暦1378年5月20日」になります。
なので日付と時間には要注意です。
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これはバスターミナルにあったデジタル時計。
これも深夜22時過ぎなのに変な日付と時刻が表示されていました。
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時間になったらバスに乗り込みます。
イランには普通のバスとVIPバスの2種類があって、VIPは3列シートでパック詰めされたおやつとジュースがもらえます。
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バスに乗り込む時に”このバスはVIPバスだよね?”って確認すると、「もちろん!VIPはベリー・インポータント・パッセンジャーっていう意味だからね!」って言って笑ってきました。
もちろんそれは間違いだけど、ジョルファのバスターミナルには車体にデカデカと書いてるバスもあったし、イラニアンジョークなのかなぁ?

乗り込んだバスは3列シートだけどぼろぼろ。
VIPって言ってもバス会社によってはぼろぼろでリクライニングが出来なかったりする場合もあります。
僕が思うにVIPバスの唯一の利点は客層が若干リッチな人たちになること。
ワイワイ騒いだりしない事が多いし、金品を狙われる可能性も比較的低いと思う。

ちなみに、この日乗ったVIPバスは夜通し音楽がなりっぱなしで全然眠れませんでした。
お喋りをしているお客さんも多かったし、やっぱりイランの人は夜行バスでは寝ないでもいいというスタンスみたいです…。
 

イランで最初のカウチサーフィン。

次の日の早朝。
シーラーズのバスターミナルに到着。眠い…。
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寝ぼけ眼をこすりながら、泊めてもらう約束をしているカウチサーフィンのホストの家へと向かいます。

バスターミナルからホストの家へは路線バス。
イランは厳格なイスラム教の国なので、バスの車内ももちろん男女別。
バスの前半分が男性で後ろ半分が女性用。僕ときっこも別々のドアから乗り込みます。
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バスを降りた後は、街の人に道を聞きながらホストに教えてもらった住所を探します。

この辺りのはずなんだけどなぁと思っていたら、近くにいたおじさんが教えてくれました。
どうやらこれが今回のホストの家みたいです。
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まだ朝早かったので、約束していた時間になるまで家の前で待ちます。
案内してくれたおじさんは「これがベルだから。俺が鳴らそうか?」と何度もベルのボタンを押そうとしてくれましたが、”まだ時間じゃないから”と、必死で止めました。ありがとう。笑
 

それから待つこと30分。
時間になったので家のベルを鳴らすと、女性が門を開けてくれました。
今回のホストのハイデです。

ハイデは僕たちを部屋に案内してから旦那さんのアリを呼んできました。
「荷物はここに置いておいて。それと、僕が仕事に出かける8時から夜7時までは家にいる事はできないから。」

そうだった。
今回のホストとの約束では、『日中の旦那さんが仕事をしている時間帯は家に滞在できない』んだった。

イスラム教には色々とルールがあるらしく、旦那さんがいないのに男性の客人を招いたりできないみたい。
カウチサーフィンで連絡を取る時も、ハイデがホストなのに毎回アリにメールを送っていました。
 

と言う事で、荷物は家に置かせてもらえたけど、今から夜までは外にいないといけません。
でもシーラーズの見所を何も知らない僕たち。

いつものようにPDFにして持ち歩いているガイドブックを読んで行き先を決め、朝のシーラーズの街へと出かけたのでした。
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美しすぎる!全面鏡ばりの霊廟。

そしてやって来たのはここ、シャー・チェラーグ廟。
シーラーズ最大の見所の一つです。

入り口に行くと無料で英語ガイドをつけてくれるそうなのでお願いしました。
神聖な場所なので、女性であるきっこは受付でチャドルを借りました。
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ガイドの説明によると、ここはアフマドというイスラム教シーア派の聖人の遺体が祀られている霊廟。
ちなみに霊廟の入り口は男女別になっていて、内部も中央で仕切りがしてあって男性と女性が一緒にならない様になっています。
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広場を取り囲む様に建物がたくさんあるけどどれもすごく華やか。
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しかも、よく見ると至る所にきめ細やかな装飾が施されています。
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そして廟の中に入ってみるとさらなる驚きが…
 

まんと壁から天井まで、全てが鏡張り!!
何だこれは!!驚きで空いた口が塞がりません!
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しかも、近くで見ると細かいパーツを組み合わせて作られている。
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建物の内部を全てこのクオリティで作り上げたなんて、考えただけでも気が遠くなります。
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霊廟の中央には棺が置かれていて、ムスリムの人々が押し寄せて人だかりが出来ていました。
みんな熱心に祈りを捧げています。
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霊廟の中もガイドの人が案内してくれて、色々と説明をしてくれました。
例えば内部を総章句している鏡の意味。

『細かく分けられた一つ一つの小さい鏡に映ることで、自分が小さい存在だと気づく。』
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『そして自分が悪いことをすると悪いことを、良い行いをすると良い行いが映し出される。』
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そうやって自分と向き合う為の鏡の装飾。

過度にある部屋には壁一面にステンドグラスがあって、カラフルな色が鏡に反射しています。
その美しさに、しばらく床に座り込んで見とれてしまいました。
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鏡ばりの霊廟の先には4ヶ月前に完成したばかりの大きなスペースが。
ここは男女両方が入れるようになっていて、家族でお祈りをしたり寛いでいる人たちがいます。
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このスペースにはこんな棚がいくつもあって、イスラム教の聖典であるコーランが山積みにされています。
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コーランの横には何やら石けんのような物が。
案内してくれたガイドの人に聞いてみると、これは土で出来ているブロックで、お祈りに使うそうです。
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ガイドの人の説明によると、人のおでこにはチャクラがある。
そしてお祈りで頭を床につける時にこの石に頭を置いて、チャクラを伝え易くするんだとか。
さらに、『人間は死んだら土になる。この小さな石の前でお祈りをする事によって、自分が小さい存在だと知る。』という意味も込められているそうです。
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このお祈りスペースは本当は寝てはいけない場所ですが、あまりに眠たそうな僕たちの様子を見てガイドの人が30分だけ眠る許可を取ってくれました。笑
床には絨毯が敷かれていて気持ちよかったので、寝転がったと思ったら30分が経っていました。
 


霊廟から出てもまだ寝たりない。
どこかに寝られる場所は無いものかと霊廟の広場をうろうろ。
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一眠りしたら喉が乾いたし外は暑かったので、霊廟の広場にある水場で水分補給。
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その後は、建物の日陰に座って、来る前に買っておいたトマトや昨日のバスでもらったお菓子を出してランチタイム。
周りにはお弁当を持ってきて食べている地元の人たちがたくさんいました。
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時計を見るとまだ昼の1時過ぎ。
約束の夜7時までまだ6時間もあります。

シーラーズには他にも見所がたくさんありそうだけど、今朝夜行バスで移動してきたばっかりだし、バスではほとんど睡眠がとれていない。疲れ過ぎてて歩き回る気力がなかなか出てこないなぁ。

どこかで一眠りしたい所だけど、霊廟の中は無理だし、ここは地面が堅くて寝心地が悪い。
普段はいつも宿に泊まってるから、帰る場所が無い事がこんなに大変だとは思わなかったな…。

そしてこの後、この『日中は放置プレイ』スタイルのカウチサーフィンで、きっこに悲劇が訪れたのでした。

つづく



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