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06〜08/MAY/2015 in Milano

ベルギーのブリュッセルを無事二人で飛び立ち、

アルプス山脈を超え、
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一面の畑を超え、
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森を超えて、
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イタリアのミラノにやって来ました!

空港からバスで着いた電車の駅がもう世界遺産にでも登録されてそうな建物でびっくり。
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でも、なんか駅前の広場の雰囲気があんまり良くないように感じる。
もしかしたらミラノは華やかなイメージとちがって治安が悪いのかな?

公園にはホームレスなのか分からないけど仕事を探してそうな人がたくさんいて、そこらじゅうで寝ていました。
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駅からはメトロに乗って宿のあるミラノの外れへ。
通りにはいかがわしいお店がたくさん。
“Japanese Massage” と書かれたお店もたくさんありました。
うーん、いかがわしい…。
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同じ通りには商店がたくさんあって、それぞれの店の人に話しかけてみると、経営しているのは中国人、パキスタン人、エジプト人、韓国人、モロッコ人などなど多国籍。
たくさんの人がビジネスチャンスを求めてミラノにやってきていました。
 

これは鍵を付けて駐輪していた自転車の末路。
タイヤ一つでも売ろうという人がいるんだ。やっぱり治安は悪そう…。
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イタリア宿の落とし穴。

メトロの駅から10分ぐらい歩くと宿に到着。
アパートの一画をホステルとして使っているようです。
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ところで、ミラノでは慎重に宿選びをしました。
旅仲間のケンゾーさんとイクエさんから、ミラノの宿でシーツ代を取られたことがあるって聞いたから。
だから二人が泊まった宿は避けて、一番安かった宿もシーツ代が必要と小さく書いてあったから避けた。
(ふたりのブログはこちら▶︎ふたりでふらり ゆるりとぐるり

そして、ここなら大丈夫そう、と思って予約したのが “Scream Hostel” という宿。
ドミトリーで一人12ユーロです。
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受付に行くと無表情な女性が出てきて、「宿泊費は前払いね。」と言いました。

”二人で24ユーロですよね?今払います。”

「違うわ。リネン(シーツ)と市税込みで、二人で31ユーロよ。」

え!?

シーツ1.5ユーロ、市税2ユーロが足されて、一人当たり15.5ユーロになってる!
予約画面を確認して、シーツ代が要らない宿を選んだはずだったのに!
なんで?!

“ちょっと待って、予約を確認させてください”

予約した時に送られて来た宿からの自動送信メールを見ると、一番最後にこんな一文が書いてあった。

“linen 1,50 obligatory”

やられた!

予約画面に書いてあったのに見逃してしまったのかな?

分からないけど、確かにメールには書いてある。

「払わないなら他のホステルを探して。ここより安いホステルなんてミラノにはないけどね。」

“じゃあ寝袋を持ってるし、自分のシーツも持ってるから宿のシーツは使わない。”

そう言うと、
「それはだめよ。宿のシーツを使ってもらわないと。」

“どうして?宿で必ず使うものなら、宿代に含めるべきですよね。”

「私はこの宿をもう何十年もやってるけど、シーツ代で文句を言われたのは初めてよ!」

表情がどんどん険しくなる女性。
 

…そんなばかな。
こっちだって何十軒も、たぶん百軒以上の宿に泊まってきてるけど、シーツ代を取られたのなんて初めて。
それに絶対今まで文句を言ってきた人が他にもいるはず。

受付の横の壁を見ると、『シーツ代1.5ユーロ』と書かれた紙がでかでかと貼ってあって、今までの他のお客さんとの散々言い争ってきたのを示しているように見えた。

「だいたい、なんでみんな一泊とか二泊で出ていくの?こっちは毎日のようにシーツを洗わないといけなくなるのよ!」

宿ってそういうものなのに、よく分からない理由で怒りだす始末…。
 

「泊まりたくなければ出ていってくれて構わないわ。」

でも、こっちは予約サイトのデポジットを支払い済みだし、近くに宿はないのでまたメトロに乗らないと行けなくなる。宿を変えると余計に高くついてしまう。

悔しかったけど渋々シーツ代を支払って、チェックインを済ませました。
 

シーツ問題はまだ終わらない…。

でも…

この宿の問題はそれだけでは済まなかった…。
 

おばさんに案内された部屋に入ると、驚いたことにシーツは下の一枚だけ。
上のブランケットと体の間に挟むシーツがない!!

普通は、シーツは2枚あってその間に挟まって寝るのに…。

“何で上のシーツがないの?上のシーツもください。”

「じゃあ追加の1.5ユーロ払って」

“…”

もう話しても無駄だ。
 

その女性は、”No Smoking” って書いてあるのに堂々と宿の中でタバコを吸っているし、すごく感じが悪い。

これがミラノスタンダード?!

はあ…。
 

その後何人かのイタリア人たちにこのシーツ代のことを話したけど、みんなそんな宿はおかしいって。でも、少なくともミラノの安宿の安い順に3軒はみんな、シーツ代が別途必要。

この宿は2泊目以降はシーツ代不要だっただけまだましかも。
イクエさんとケンゾーさんが泊まった宿は、シーツ交換しないのに2泊目以降もシーツ代取られたらしい。
理不尽だ…。
 

ミラノの街を歩いてみる。

次の日。

ミラノで真っ先に向かったのはこれ。
レオナルド・ダヴィンチの『最後の晩餐』がある、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院。
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実はここ、予約が必須。
1回30人で15分毎の完全入れ替え制です。

予約を取るのはすごく難しいらしくて、予約用の代理店まであるほど。
私たちはそんな事も知らずにミラノ入りしたので、朝から電話をかけまくったけど繋がらず、直接行ってみることにしました。

そしたら受付の人に19時半なら予約できると言われました。
当日予約もかなり難しいみたいだけど、無事予約できて良かった!
普段は18時半に閉まるのに19時半まで入れるという事は、人数が多くて特別枠ができたのかな?
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無事最後の晩餐のチケットが取れて上機嫌で宿に帰る道でなにやら人だかりを発見しました。
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近くに行ってみるとイタリアンジェラート屋さん!
ここはどうも人気店らしいです。

イタリアに来たからには一回ぐらいは食べないとね。
高かったけど買っちゃいました。滑らかで柔らかくて、美味しかった!
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ジェラートを食べる犬。贅沢だなぁ。笑
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さらに、こんなものも見つけました。

ここは銀行。
でも窓ガラスに残っているのは無数の銃弾の跡。
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銀行のスタッフに聞いてみます。

“何があったの?”

「マフィア、マフィア」

イタリア語が分からないのでよく分からなかったけど、この辺りの銀行いくつも狙われたみたい。
昨日の出来事だそうです。
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やっぱミラノは治安が悪いんだ。。
雰囲気もあまり良くないし、移民で職が見つかってない人も多い。

なんか宿の件もあるし、イタリアは今のところまだあまり好きになれないな…。
 

昼ごはんを作ろうとしてまさかのトラブル。

その後、宿に戻って最後の晩餐の時間までゆっくりしていた時。

「あなたたちだけ分かってないようね。」

突然、宿の女性に話しかけられました。

“??”

「11時から13時は掃除の時間って壁に書いてあるでしょ。今すぐ宿を出て。」

“えっ?!”

指さされたところを見てみると、確かに掃除の時間が書いてあります。

“今日もここに泊まるんだからここにいていいでしょ?”

「だめ。今から掃除するんだから。たった2時間のことだから出て。」

”え?なに?意味が分からない…。”

それに、今まさにお昼ごはんを作ろうとていた所。
ミラノで外食なんてしたら高くつくから、お昼ごはんを作ろうと思って食材も買ってある。
そもそも、この宿を選んだのも、シーツの件があっても泊まったのも、キッチンが使えて食費を節約できると思ったから。

今追い出されたら外食で高くつく上に、昨日買った食材が無駄になる…。

「ほら、他のお客さんはみんな出てるでしょ。分かってないのはあなたたちだけ!」

見渡してみると、確かに他のお客さんは不思議なことに誰もいない。

“でも、掃除をするとは書いてあるけど出ていけなんてどこにも書いてないよ。”

「とにかくそれがこの宿のルールなんだから!掃除を始められないじゃない!」
 

その後は何度話しても平行線。

今まで数えきれないほどの宿に泊まってきたけど、連泊するのに昼間に追い出される宿なんて始めて。
昨日のシーツの件といい、今回の件といい、なんてクセのある宿なんだろう…。
 

でもここで引き下がったらおしまいだ。
苛立ちをぐっと抑えて、交渉に入ります。

お昼ごはんはどうしても作りたい。
せっかくキッチン付きの宿を選んでるんだから。

“ごはん作って食べる間だけ待って。お願い。”

下手に出る作戦。

「困るわ。だって、私は掃除を…」

“30分だけ。お願い。”

「仕方ないわね。じゃあ先に別の場所掃除するわ。」

“…OK”
 

ふう…。
なんでキッチン付きの宿でお昼ごはんを作るだけでこんなに揉めないといけないんだろう…。
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それにしても何なんだこの宿は!!
お客さんがいない方が掃除しやすいのは分かるけど、何も追い出さんでも…。
そこまでして綺麗にするよりも、宿にいさせてもらう方が宿泊客にとっては有り難いことなのに。

自分のルールが当たり前だと思って全然譲らないのが信じられない。
せめてまともに議論してくれればこっちも納得できるかもしれないのに…。
 

そして再び街へ

お昼ごはんを食べた後は、大人しく宿を出てミラノの中心部を観光します。

ここは、ミラノの中心にある大聖堂(ドゥオーモ)。
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細部にわたって彫刻が施されていてすごく丁寧な造り!
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そして大聖堂のすぐ隣にあるのがガレリア。
アーケードが美しい。150年以上も前のデザインだそうですが、古臭さを全く感じさせません。
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高級ブランド店が軒を並べています。
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そしてここにも、オオカミと赤ちゃん二人を題材にしたモザイクが。
セゴビアで見つけた銅像と同じだ!
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全ての道はローマに通ず。
このオオカミと赤ちゃんの謎は、この後訪れるローマで明らかになります。
 


そしていよいよ、ダヴィンチの『最後の晩餐』を見に行きます。

15分毎の厳しい入れ替え制。
時間になると30人ちょうどが入れる個室に入れられ、全員が入ったら後方のドアが閉まってそれから前方のドアが開く。それを数回繰り返し、『最後の晩餐』へと辿り着きました。
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天井画や壁画はフレスコ画の技法で描かれるのが主流ですが、最後の晩餐はテンペラ画で描かれています。
テンペラ画の方が柔軟な表現ができますが、痛みやすい。
最後の晩餐は完成から20年で既にかなり痛んでいたそうです。

さらに、この写真のように戦争で修道院が壊れて吹きさらしになっていたこともあるそう。
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実際に目にした最後の晩餐は噂通り鮮やかさが失われ、見えにくい部分も多かった。
それでも、この絵にまつわる不思議やダヴィンチの試みはすごく興味深くて、15分がとても短く感じられました。
 

そして宿の女性の意外な一面に出会う

今日はだいごろが楽しみにしているサッカーチャンピオンズリーグの準決勝が行われる日。

宿に大きめのテレビがあって、受付の女性が見ていました。
このテレビで見れたら最高なのになぁ、前々から目をつけていただいごろ。

試合が始まる30分ほど前、受付の女性に話しかけます。

“今日はチャンピオンズリーグの日だから、サッカーが見たいです。見せてくれませんか?”
と、だいごろ。

「そんなの知らない。私はサッカーが嫌いだから見ない。」
冷たく言い放つ女性。
 

この近くにサッカーを見れそうなバーはない…。
治安が気になるからあまり出歩きたくない…。

だいごろはかなり意気消沈。
楽しみにしてたのに。

バルセロナ×バイエルンの一戦です。

バルサの試合を球場で見た直後だったから、だいごろのバルサ熱はかなり高まっていて、どうしても見たい。
でも見れない。。

部屋に戻ってがっかりしていた矢先。
 

ちゃーちゃーーーー、ぱぱらぱらぱらぱ
ちゃちゃーーちゃーーー、ぱぱらぱらぱらぱ

え??

これは!

遠くから聞こえてきた、チャンピオンズリーグのアンセム。

テレビの方に走って行ってみると、なんとチャンネルがチャンピオンズリーグの中継に替わっていました。

そして、宿の女性が笑顔で迎えてくれました。
ああ、初めてこの人の笑顔を見た!

「やったー!」と言って女性の横に椅子を持っていくと、「サッカーは嫌いだけど、いいわよ。」と言って笑ってくれました。

この宿に来てからというものずっと冷たく突き放してきたのに、今はちゃんとサッカーを見せてくれて、笑顔まで見せてくれるなんて。
こういうのをツンデレって言うんですね。笑
 

そしてすぐに試合開始。

この女性。根はいい人なのかも。
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サッカーの合間に女性と雑談してみます。

女性の旦那さんが元サッカー選手で、引退後に抜け殻みたいになって、酒に浸る生活になってしまい、それ以来サッカーが嫌いになったそう。

「サッカーでたくさんの人の人生が台無しになるのよ。勉強もしないからロクな仕事につけない。」

だからきっと、この女性が宿の切り盛りをしてがんばって生計を立ててるんだろうなぁ。
人生いろいろですね。

今回はいろいろ揉めたり嫌な思いもしたけど、最後の最後でいい一面を垣間みることができて良かった。



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