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19~21/DEC/2014 from San Antonio to Puerto Madryn

ルベンと別れた後のガソリンスタンド

もらったエンパナーダを泣きながら食べてからヒッチハイク再開です。
 

”今日はプエルトマドリンまで行けたらいいなぁ。”
 

プエルトマドリンは私たちが最初の目的地にしている街。

ブエノスアイレスからウシュアイアまでのだいたい3分の1ぐらいの距離の所にあって、パタゴニアの玄関口とも呼ばれています。
 

ヒッチハイク旅最大のピンチで茫然自失。

ガソリンスタンドの近くで ”Madryn” と書いた段ボールをかかげて待つ事3時間。
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フォォーン!!

もの凄いエンジン音を響かせた車が私たちからかなり離れた所で停まった!

そしてもの凄い勢いでバックしてきました。
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「マドリンに行くのか? 俺はその先のカレタオリビアまで行くから乗せてってやるよ。」

やったー!めちゃくちゃ速そうな車だ!!
 

ザックと離れた所でヒッチハイクしていたので、急いでザックを取りに戻ります。

”きっこ、待たせると悪いから先に乗り込んでて!”

「分かった!」

マテ茶とおやつの入った袋を片手に急いで車へ駆けて行くきっこ。
 

そして二人分のザックを担いで車へ行くと、車の中からきっこの声が。

「だいごろ。どうしよう…。」

何か様子がおかしい。

”どうしたん?”

車の中を覗き込むと、きっこが後部座席に座って茫然自失になっていました。

”え? 何かあったん?!”

と聞くと、きっこがボソッと言いました。

「マテ茶こぼしちゃった…。」
 

きっこが指差したのは助手席。

恐る恐る見てみると、そこには目を疑う光景が!!
 

本革張りの助手席はヘッドレストから足元までびしょびしょ!!

しかもマテ茶の葉っぱまみれ!!

もうこぼしたというよりはぶちまけたというレベル!

どうやったらこんなにまんべんなくぶちまけられるのか意味が分かりません…。泣

そしてドライバーの男性はその様子を棒立ちで眺めています。

(後で彼に聞いた話ですが、この車はつい最近買ったばかりの新車。しかも1500万円以上する超高級車だそうです…。)
 

 

あまりの出来事に僕の頭も一瞬真っ白になりかけましたが、今やるべき事はひたすら謝り続けながらぶちまけられたマテを拭き取る事だけ。

ショックで動けなくなっているきっことドライバーの前で、必死にびしょぬれになった座席を拭き続ける自分。

体はなんとか動いていたけど、頭の中はフリーズしていました…。
 


 

マテ茶のぶちまけられ方があまりにひどくて拭き取るのに15分もかかり、ずっと待っていたドライバーは「もういいよ。大した問題じゃないし行こう。」と言ってくれました。
 

走り出した車の中は当然ながら気まずい空気。

きっこはマテをこぼしてしまったショックで完全にダウンしていたので、ドライバーに少しでも僕たちを乗せて良かったと思ってもらえるように必死で話をします。
PC200969

彼の名前はラウール。

仕事でボリビアに行っていて、なんと昨日の夜から一晩でここまで運転してきたんだそう。

ボリビアからここまでってもの凄い距離なんじゃ…。
 

“暇な時間は何をしていますか?”

「女遊びだよ。笑」

彼はこれまでに4回も結婚を経験していて、今は奥さんと奥さんの両親と一緒にカレタオリビアで暮らしているそうです。
 

その他にも仕事の話や、ラウールの住んでいる地域の話、アルゼンチンや日本の政治の話など、スペイン語のほどんど話せない僕にはかなり難しかった…。
 


しばらく走ると、「ここで休憩しよう。」

そう言って、ラウールは車の中でお湯を沸かし始めました。
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すごい!こんな高級車にもガスボンベを積んでいるなんて!

やっぱりアルゼンチンの人はみんなマテの事が大好きなんだ!!
 

ラウール愛用のカップで飲んだマテは美味しかった。

マテはやっぱり年季の入ったカップで飲むに限ります!
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しばしのマテタイムの後、車は再び走り始めました。

ラウールの車はすごく速くて、時速は常に200km/h越え!

それに加速がすごい!

牛の横断待ちで停車しているところからアクセルを踏むと、あっという間に180km/hまで加速します。

”凄い!速い!!”

二人ともこんなに良い車に乗ったのは始めてだったので大興奮。

ルベンの時速50km/hのトラックとは大違いです。笑
 

ラウールの車はもの凄いスピードで他の車をどんどん抜かし、ぐんぐん進んでいきます。
 

何とかしてマテをこぼしてしまった失敗を取り返さないと…。

今の自分に出来る事はひたすら喋って彼を楽しませる事だけ。

スペイン語の本3冊を手に、頭をフル回転させながら話し続けます。

ラウールもよく喋る人だし、分かりやすい言葉を選んでくれるので話しやすい。

優しい人で良かった。
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「日本からの飛行機代はいくら?」

“うーん、往復で20万円ぐらいです。高かった…!”

と言うと、「あれ?思ったほど高くないな。この車は3台目だけど1500万円ぐらいしたし、それよりは大分安い。」

”1500万?!!”

「そう。今年買ったばかりなんだ。」

そう言われて車のメーターを見てみると、まだ12000kmぐらいしか走っていませんでした…。

また頭が真っ白になりそうになるのを必死にこらえます。

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(よく見るとマテの葉っぱの拭き残しが…。)
 

その後もラウールと話し続ける事およそ3時間。

彼の家族の話や車の話、仕事の話などなど、色々話していると、あっというまにプエルトマドリンの近くまでやってきました。

「どこで降ろしてほしい?」

と聞かれたので、彼の家のあるカレタオリビアとプエルトマドリンとの分岐点で降ろしてもらいました。

”マテをこぼしてしまって本当にごめんなさい”

そう謝ると、「気にしなくていいよ」と言ってくれました。

ありがとうラウール。
 


ラウールに降ろしてもらった所は街からかなり離れた場所。

車通りが少ない上に、風が強くてかなり寒い。

本格的にパタゴニアに突入した感じがします。

日も暮れて暗くなり始めていたので、急いでヒッチハイクを始めます。
 

でもなかなか車が来ないどころが、雨も降り出してしまいました。

きっこはマテをこぼしてしまったショックでまだ落ち込んでいるし、寒すぎてもう笑顔も出来なくなり、二人で代わる代わる座り込みながらヒッチハイクを続けました。
 

すると止まってくれたのは一台の乗用車。

プエルトマドリンに住むマリオが手頃な宿まで乗せて行ってくれました。
PC200987

でも残念ながらその宿は満員。

近くにあった別のホステルまで歩き、同じタイミングで宿に到着していたドイツ人たちと3人部屋を4人でシェアする事になりました。
(通常一人150ペソのところ、特別に130ペソ。)

初めてのヒッチハイクで疲れていたし、宿がキッチンもあって快適だったのでここで2泊する事にしました。
 

プエルトマドリンで過ごした日々。そして…。

プエルトマドリンは海沿いにある綺麗な街。
PC211000

この街の近くにあるバルデス半島ではクジラやペンギンなどの動物がいるそうですが今はシーズンの終わりかけ。

クジラもペンギンもこの先でも見れそうなので、ビーチを歩いたり、街歩きをしたりして過ごしました。
PC211003
 

そんなのんびりした滞在中に、この街でやっておかなければならない事が二つありました。

一つは最初のヒッチハイクでお世話になったアレハンドロに電話して、無事に到着した事を伝えること!

着いた次の日に、さっそく電話です。

アルゼンチンのSIMをまだ買ってなかったので、公衆電話から。

店の人にかけ方を教えてもらうと、アレハンドロと電話が繋がりました!

電話口にはマルタもいます。

”無事着いたよ!”

と言うと、アレハンドロはすごく嬉しそう。

片言の英語で「ハッピー!ハッピー!」と興奮気味に言っています。
PC210998

でも電話だとジェスチャーが使えないので、私たちのスペイン語力では向こうが言っている事をなかなか聞き取れず、何回も何回も同じことを言ってくれました。

単語を一つ一つ言ってくれるので、必死でメモを取ります。

Arejandro y marta esperan regresen a mi casa en Tres Arroyos.

「アレハンドロとマルタはトレスアローショスの家で待ってるよ。」

その後何度も電話を切ろうとしましたが、アレハンドロとマルタはいつまでも電話を切ってくれませんでした。
 

そして宿に帰るとアレハンドロからメールが来ていました。

Hermosa sorpresa!!
Regalo de fin año , Kiko y Dai !!

「素晴らしいサプライズ!
KikoとDaiは年末のプレゼント!」

読んでいるとアレハンドロの優しい笑顔を思い出してまた涙が出てきました…。

なんかヒッチハイク旅を始めてから泣いてばっかりです。
 


 

そして、プエルトマドリン滞在中にやっておきたかったもう一つの事。

それはテントの購入。

ブエノスアイレスにいたときからずっと二人用のテントを探していたのですが、安くて使えそうなテントがなかなか見つかりませんでした。

そしてプエルトマドリンに着いてかなり寒くなった気候。

これから南下を始める前にどうしても手に入れておきたかったのですが、街を探しまわっても全然見つからずほとんど諦めかけていました。
 

そしてプエルトマドリンを出発する前日の夜。

宿のリビングで寛いでいると、同じ宿に宿泊していた香港出身の女の子二人がテントを買って帰ってきました。

”あれ?そのテントどこで買ったの??” と聞くと。

「近くのスーパーに売ってたよ。二人用のテントに寝袋2つ付きで400ペソ。」

”え?!安い!!でも寝袋は持ってるしなぁ。”

「テントだけのも売ってたよ。確か345ペソ。」

”マジ?!そのスーパーどこ?!!”
 

 

上着も着ずに慌てて宿を飛び出し、閉店間際のスーパーに駆け込むとありました!!

安くて軽くてコンパクトで理想的!

完璧なテント!!

嬉しすぎて4人で記念写真。
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その後も嬉しさがおさまらず、宿の中でこっそり組み立てていたら管理人のおばちゃんに見つかって怒られました。笑
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その後、明日の出発に向けて早めのシャワーを浴びてリビングでブログを書いたりしていると、一通のメールが来ました。
 

件名:hola dai soy raul
 

”ん?何だこれ?”
 

”ラウール??”
 

”…”
 

”えーっ!!”
 

なんとそのメールは、あの「マテ茶をぶちまけたBMWのラウール」からだったのです!!

つづく


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