エボラ!エボラ!と言われ続けてもう我慢の限界です。
27〜29/OCT/2014 from Kahama to Moshi
朝5時半。
カハマからモシへ向かうバスへ乗るために起床。
宿からは歩いてバスターミナルへ向かいます。
6時発のバスだったけど、宿から徒歩二分なので余裕で間に合いました。
でも実は、昨晩iPhoneで目覚ましをセットした時に、時計がルワンダ時間のままだったのに二人とも気付かずに寝てしまっていたのです。
たまたま僕が深夜に目が覚めた時に気づいて目覚ましの時間を一時間早めたから間に合いましたが、
もし気づいてなかったら完全に寝過ごしていた所でした。危なかった…。
バスが出発してしばらくすると夜明け。
空が明るくなるにつれて、山のように大きな岩がごろごろと転がっている不思議な景色が見えてきました。
今回乗ったバスは四列シートで快適そのもの。
しかも乗ってたのはたったの四時間だったので、寝ていたらいつのまにかシンギダの街に着いていました。
シンギダでモシ行きのバスに乗り換える。
シンギダのバスターミナルには東のダルエスサラームへ行くバスと北のアルーシャ&モシへ行くバスの両方が来るので、頻繁に大型バスが出入りして賑やか。
まずはずらりと並んだバスオフィスに順番に聞いて回ってモシ行きのバスを探す事に。
すると最初に行ったオフィスで20分後にモシへのダイレクトバスがあるとの事だったので、そこに即決。
値段は20000シリング(約1400円)でした。
ちなみに私たちのルートならルワンダのキガリからモシまで通しでバスチケットを買う事もできましたが、自分たちのペースで移動したかったので、行った先でその都度バスを探す事にしました。
結果的に複数のバスを乗り継いだ方が安かったのでラッキーでした。
バスは20分後に来ると言ってるけど、ここはアフリカなのでまあ少なく見積もっても一時間はかかるだろう。
屋台でのんびりとエッグ&チップスを食べながら待ちます。
バスターミナルにはマサイ族らしき民族の人がたくさんいました。
しばらくするとバス会社の兄ちゃんが慌てた様子で私たちを呼びにきました。「バスがきたぞ!」
あれ?ほんとに20分で来た。びっくり。笑
そして大型バスがターミナルに入って来ると物売りがバスに殺到。
一気に数十人がバスに群がって来て商品を持ち上げながら叫びまくります。
なんか恐い…笑
売り子はバスの中にも売りにきます。
カハマの街を出発すると、バスの窓から見える景色はルワンダの山並みからだんだんとサバンナへ。
栽培しているのはサイザル麻かな?
木で出来た小さな家が増えてきました。
そしてバスはモシへの経由地であるアルーシャの街へ。
ここで乗客の一部を降ろしてから再出発。
のはずが、ここでバスから全員降ろされます。
そしてダイレクトだと聞いていたのに別の小型バスに乗り換えさせられました。
くそ。やっぱり嘘だったか。
でもこういうのはよくある事なのでもうあまり気にしません。
乗り換えたのは完全なローカルバス。
ローカルすぎて数十メートルおきに人が乗り降り。
まったく前に進みません。
ノンストップで行けば1時間の距離なのに、モシの街まで2時間半もかかりました。
やれやれ。。
キリマンジャロの麓にある街
モシはキリマンジャロの麓にある街。
そして野生動物のたくさんいる国立公園からも近いので、キリマンジャロ登山やサファリツアーの拠点となっています。
さっそく街を歩いてみると、ここでも大活躍なのが日本の中古車。
バスターミナルで見つけたこの車は私たちが4年間住んでいた京都の有名料理店のバス。
あまりにもよく知っている店だったので二人でテンションが上がりました。
ランチはウガリと煮魚とキャッサバの葉っぱ。
やはりケニアなどの周辺諸国と食べる物が似ていますね。
だいごろ、ついにカメラのレンズを手に入れる!
モシに着いて僕たちが真っ先に向かったのが郵便局。
「なんで郵便局?」と思うかも知れませんが、実はここに日本からある大事な物が届く事になっているんです。
それはカメラのレンズ!!
何度か日記でも書きましたが、僕の使っていたミラーレス一眼のメインのレンズがエチオピアで壊れてしまって、かれこれ1ヶ月以上コンデジを使って写真を撮っていたのです。
関連記事はこちらから
①だいごろ愕然。レンズが壊れて撮影不能に。
②だいごろの執念。まさかの一眼レフゲット。
壊れてからというもの、大きな街へ行く度に、「修理できないか?」「手に入らないか?」と聞き続けてきました。
そして一番期待していたナイロビでも手に入らなかったのを機に、現地入手を諦めて日本で購入したレンズをモシへ向けて郵送してもらっていたのです。
前置きが長くなりましたがレンズは無事モシまで届いていて、着いたその日に無事受け取る事が出来ました!
やったー!!!
部屋に帰って1ヶ月半ぶりにレンズをボディに装着。
嬉しすぎてニヤニヤが止まりません。
これでやっと本格的に写真が撮れる!!
あまりの嬉しさに部屋の中を撮りまくってしまいました。笑
だいごろ、キリマンジャロコーヒーの香りに酔いしれる!
キリマンジャロと言えばキリマンジャロコーヒーを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
僕ももれなくその一人。
コーヒーが大好きなので、本場のキリマンジャロコーヒーが飲めるがモシにあると聞いてずっと楽しみにしていました。
レンズをゲットした喜びもそこそこに、さっそくその店にやってきました。
小綺麗な店内に漂うコーヒーの香り。
高級店なので地元の人はあまりいなくて、お客さんのほとんどが外国人です。
そして店の人のオススメで頼んだアメリカンをブラックでごくり。
うまーーい!!
酸味が控えめで香りが強い。
僕的には苦みが足りませんが、それでもこの香りは本物だ!
ホットなのにごくごく飲めます。笑
キリマンジャロの麓でキリマンジャロコーヒー。
うーん、最高!!
南京虫襲来!やっぱりきっこがやられる。
モシに着いて嬉しい事ばかりが続いている僕。
それとは対照的にきっこは散々な日々でした。
=以下、きっこの日記=
モシに着いたとある日の深夜。
身体がむず痒くなり目を覚ました。
寝ぼけ眼でベッドを確認する。
すると、目に入ってきたのは蚊帳にくっついた黒い物体。
よくよく見るともぞもぞと動いている。
一気に目が覚めてその物体に近づくと…出た!!
南京虫!!!
すぐさまティッシュで成敗する。
さらに蚊帳をじーっと見回すと、もう一匹発見!
今度は私の血でおなかがぱんぱんに膨れたやつだった。
倒す。
そして今度はシーツを念入りにチェックする。するとやっぱり出た!もぞもぞ動いているあいつが。
容赦無くつぶす。
一通りシーツのチェックを終えたのでもう一度眠りにつく。
また目が覚めてしまった。
今度は咳が止まらない。
思えばカンパラで咳をし始めてから、もうかれこれ一週間以上続いている。
苦しい。
トローチを舐めながら何とか咳を落ち着ける。
うとうとはするけど身体は完全に警戒モードになってしまって眠りが浅い。
それから一時間ほど寝れたけど、また何かが身体の上を這っている気がして目が覚めた。
もう一度念入りにシーツをチェックする。
すると、1mmにもならないぐらいの小さい粒がてくてく歩いているのが目に入った。
すかさずティッシュを取り出して潰す。
目を凝らして見ると他にもたくさん小さい粒が歩いていた。
ダニなのか南京虫ベイビーなのか知らないけどどちらにしても歓迎すべきものではない。
10匹ぐらい見つけては潰した。
そしてもう一度眠りにつこうとして頭上をぼんやり眺める。
今眠っているのは二段ベッドの下の段。
上の段のベッドのマットレスをぼんやり眺めると、黒い粒がのそりと動いた。
ここにもいたか!
また倒す。
またベッドに転がって上の段のマットレスの裏側をじーっと見る。
色が暗いのでもうそれ以上は見つけられなかった。
諦めてうとうとする。
しばらくして、またしても何か違和感を感じて起きるとなんと枕元に一匹の南京虫が!!!
しかもぷっくり膨れている。
また?!!
苛立ちながら捻り潰す。
さらにもう一度シーツとマットレスと蚊帳を入念にチェックし、南京虫一匹とノミたくさんを倒した。
そして次の日。。
こんなにも被害に遭っていました。。
き、きもい。
特に背中…!
エチオピアを過ぎてからもまだこんな目に会うなんて…!
=きっこの日記終わり=
という事で、またしてもきっこだけ南京虫とダニの被害にあってしまいました。
かわいそう…。
何で!!? 街のみんなにエボラ!エボラ!と言われる日々。
ダニと南京虫の攻撃で瀕死のきっこ。
でもそれより酷いのが咳。
ウガンダで一度調子を崩し、ルワンダで回復しかけていたのですが、再び空気が悪い街に入り症状が悪化。
マスクをして咳止めを飲む日々です。
街中は埃と排気ガスが酷いから外出するときはもちろん、宿にいるときもずっとマスクを付けているきっこ。
水で湿らせたマスクをしていると少しは咳がマシになるそうです。
しかし、このマスクが問題を引き起こしました。
モシに着いた次の日の事です。
マスクをつけて街を歩いていると、突然「エボラ!」と言われたのです。
でも遠くから聞こえて来たので誰が言ったのか分からないし、最初は気のせいかと思いました。
でもその後も歩いていると「エボラ!」「エボラ!」と言われ、クスクスという笑い声まで聞こえてきました。
聞き間違いなんかじゃない!!
周りをよく見ながら歩いてみると、若い客引きの男性はもちろん、おじさん、物売りのおばさん、女子高生までが指差しながら「エボラ、エボラ!」と言ってきます。
一体どういう事?!!
訳が分からず混乱する僕たち。
ただマスクをして歩いているだけなのにどうして「エボラ!」と言われ笑われなければならないのか?
彼らがエボラという病名を使って私たちをからかう理由が分からないし、それを面白いと思う感覚も分からない。
何より、この上なく不愉快だ。
それからも街中の人からエボラと言われ続けたので、怒りを通り越して呆れ返ってしまいました。
この国、この場所、狂ってる…。
その夜は思い出したら苛々してしまって眠れないほどでした。
エボラとの戦い。その果てに。
そして次の日。
昨日の事を考えれば考えるほどイライラしてきます。
あー!もう我慢できない!!
こうなったら地元の人たちと直接話すしか解決策はありません。
二人とも圧倒的多数の地元民と喧嘩になる事を覚悟して宿を出ます。
マスクをつけたきっこが前を歩きおとりに。
そして少し離れて後ろを歩く僕が「エボラ!」と言った地元民を追いかけて捕まえる作戦です。
すると案の定「エボラ!」という笑い声。
すぐに走って行ってその人を問い詰めます。
「エボラって何?!」「何の事か分かって言ってるの??」
するとある人は、「え、何のこと?知らない」と苦笑い。
またある人は「何でもない、ただの歌だよ。」とニタニタ。
ウソだろ。
小学生がふざけて友達をからかうのと同じレベルだ。。
単純にマスクをつけている人を見慣れてないから珍しいんだろう。
エボラのニュースに出てきた人がマスクをしていたから面白いんだろう。
もしかしたらエボラの影響で観光客が来なくなったから悔しいのかもしれない。
でもだからって普通そんなこと言う?!
たとえどんな理由があったとしても、今まさに何万人もが苦しんでいる病名を使って、ただマスクをして歩いているだけの人をからかうなんて間違ってる!
しかもからかう対象が初対面の外国人。
いくらなんでも酷過ぎる!!
完全に怒り心頭の僕は逃げないようにエボラと言った人の腕をつかんでさらに問いつめる。
「冗談でもよくそんな事言えるね? 西アフリカで一体何人亡くなってるか知ってるの??」
と言うと、みんな「ごめんごめん」とは言うものの反省の色が全く見られない。
どんなに問いつめても、理由を聞こうとしても、分が悪くなると英語がわからない振りをして現地語でよく分からない事を言ってきます。
「実際に亡くなってる人や苦しんでる人が世界にはたくさんいるんだから、これからは絶対に言わないで!!」
釈然としない気持ちをぶつけるように、その後も「エボラ!」と言われる度に言った人に理由を確認し、二度と言わないように言って回りました。
彼らが何故こんな事をするのか?
結局、ほとんどのケースがただ観光客をからかいたいだけのようです。
でも大の大人までモラルが欠如しているこの街の人たちは、僕たちからしたら異常としか思えなかった。
理解に苦しみました。
でも、まだまだそういう国も広い世界にはたくさんあるのだろうと思います。
ただ、中には追いかけてきて謝ってくれる人もいたので、時間をかけさえすればお互いに理解し合う事はできそうでした◎
という事で納得はできないものの、この一件で二人のイライラは大分おさまりました。
やっぱり疑問は人に直接ぶつけないと何も始まりませんね。
とりあえず今日のところは「エボラと言われてから直ぐに行動を起こさなかった自分たち」を反省しておきます。笑
daigoro
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