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04/OCT/2014 in Jinka

昨日はカイアファールのマーケットでバンナ族とたくさんコミュニケーションできたので、今日は宿の近くで偶然見つけた車に乗せてもらってジンカという村へ。
イクエさんとケンゾーさんと4人で向かいます。
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途中の道々にある家からは、朝食を作る煙が上がっています。
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車がトヨタの4WDで超快適だったのでジンカまでは1時間弱で到着。

ここジンカにきた目的はムルシ族に会うため。
少し前まではジンカで開かれるマーケットでムルシ族に会えるという前情報だったけど、どうやらアリ族とムルシ族の対立が激しくなっていて、今はあまり来ないらしい。
先にこの街に来ていたメケレで出会ったたかこちゃんの情報でも、つい最近ムルシ族の所有する牛がひき逃げされて、怒り狂ったムルシ族は村を通り過ぎる車に無差別に銃を発砲し、ジンカに住むアリ族の人々が何人か亡くなったそうです。
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(写真は村にいた子供が持っていた薬莢)

そんな事件があったので、ジンカで開かれるマーケットにはムルシ族は基本的にやってきません。
たとえ来たとしても、最大の特徴であるお皿ははめていないそうです。

次の日にジンカのマーケットに行ってみたけどやっぱりムルシ族は一人もいませんでした。
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なのでムルシ族が住む村に直接行くのが一番確実だけど、国立公園の入場料とムルシ村の入場料、セキュリティ料、ガイド料、そして交通費を合わせると、ケンゾーさん、イクエさん、と私たちの4人でシェアしたとしても一人55USドル。

さすがに高すぎるのでどうしようか決めかねて、だいごろと二人で村をぶらぶら。

ここは空港らしいけど飛行機は飛んでいないし、みんなの遊び場になっていました。
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だいごろも子供とサッカーをして遊びます。
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しばらく散歩して日が暮れかけてきた頃、とある子供が話しかけてきました。

彼の名はDago。
自称13歳だけど、もっと若く見える。
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英語がめちゃくちゃ流暢で文章と文章のつなぎ方とかも自然なので、ネイティブかと間違えそうになるほど。エチオピアで喋った人の中で一番上手いんじゃないかな。観光客と話していく中で英語がペラペラになったんだそう。すごい!!

彼が言うには、ムルシの村にはローカルバスを使っていく方法があって、それで行けば交通費がバス代だけで済むから安く抑えられるんだそう。あとは、国立公園代を払わずに済むこともあるみたい。彼の要求したガイド料は私たち二人で150ブル(750円)で、正規のガイドを雇って車をチャーターして行く(一人約6000円)より圧倒的に安い。

彼の提案はリーズナブルだし、ローカルバスの方が面白そうなので、Dagoに明日ムルシ村へのガイドをお願いすることにしました。
宿に帰ってケンゾーさん、イクエさんに子供ガイドと約束したことを告げると、二人も一緒に行くことに。

ちなみに、子供ガイドは平日は学校に行くので土日しかガイドしていないと言っていました。
 


その日の夕方、ジンカ村で二つしかないネットカフェに向かうと、エチオピア代表のユニフォームを着た日本人に出会いました。

彼の名はケンくん。
南アフリカからアフリカを北上して、エチオピアがあまりに気に入りすぎてジンカ周辺だけでも二ヶ月も滞在してるんだとか!もう村のみんなと友達です。
(ケンくんのブログはこちら▶︎7billions of people in the world

今晩はケンくんとケンくんの友達のマレーシア人ケインと、スペイン人二人、そしてイクエさん、ケンゾーさんと飲みに行くことに。大所帯です。
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ケンくんは英語もスペイン語もペラペラで、誰とでも愛想よく話せていてすごく好印象。
マレーシア人のケインも、「I really like you!!!」とベタ褒め。ちなみにケインも英語とスペイン語がペラペラ。
そしてスペイン人が二人いたのでエチオピアにいるのに会話は主にスペイン語でちょこっと英語。
南米にいたときの事を思い出して頑張ってスペイン語をしぼりだして話しました。笑

その後も何度かこのメンバーで飲みに行きました。
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さて、そんなエチオピア通ケンくんがおすすめしてくれたのがハンナという村で明日(土曜日)開催されるマーケット。

ガイドブックにもネット上にも全く情報がない村だけど、ムルシ族の村の少し先にあるので公共バスで行けるそう。さらに嬉しい事にハンナのマーケットにはムルシ族がよく来るので、もしそこでムルシ族会えればムルシの村に行く必要もなくなるかもしれません。

ちょうど私たちは子供ガイドのDagoと一緒に公共バスに乗る約束をしていたので、彼に頼めばハンナのマーケットとムルシ族の村のどちらにも行けるだろうとのこと。ちなみにケン君はこの村にいる子供ガイドの名前と顔を全員知っていました。すごい。笑
 


次の日の朝5時。バスステーションに向かいます。

バスステーションに近づくと、すぐに子供ガイドDagoが私たちを見つけてくれました。

イクエさんケンゾーさんが来る事になって人数が増えたのと、ハンナの市場にも行きたい事を告げると、
「ガイド料は昨日の通り150ブルのままでいいよ。もし満足したら気持ち足してくれてもいいし、任せる。」
相変わらず、なんて大人な対応。まだ子供なのに。
 

バスターミナルで地元の人たちでごった返すバスに乗り込む。

ジンカからハンナまでは酷い山道で、前の座席をしっかり掴んでいないと前の座席と膝ががちがち当たる。
 

ジンカから走る事2時間。
ようやくハンナのマーケットに到着。

ハンナのマーケットは小さいマーケットだけど、ボディ族を中心とした民族たちで賑わっていました。
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赤いバナナ!初めて見た。
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ボディ族の女性は唇の下につけたボタンみたいなピアスが特徴。
ムルシのお皿も同じですが、同様に歳を重ねると大きくなっていきます。
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赤ちゃんを背中におぶっている女性が多かった。エチオピアではみんな子だくさんです。
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あかちゃんの髪の毛は赤土でまるまるになっています。
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ボディ族の男性にからまれた。ちょっとビビったけどみんないい人!
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マーケットにいる民族の人たちは本当に奇抜なルックス。
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もはやどの人がどの民族なのか全然分かりませんが、ものすごいインパクトがあります。
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このハンナのマーケットにはムルシ族の人も来ていたけど、残念ながらお皿は持ってきていませんでした。

でも唇ダラダラのムルシ族の女の子と記念撮影。
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凄くフレンドリーないい子でした。こちらはケンゾーさん撮影。
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ムルシ族やボディ族の人たちはみんな腕や足にナイフで模様をつけています。
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綺麗だけど痛そう…
麻酔もなしでナイフでざくっと模様を入れるんだろうな。。
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ちなみに民族の人たちの写真撮影にはチップが2〜5ブル必要。
ガイドを介して写真撮影することを伝えて、撮影後に一人ずつチップを渡します。
ムルシは5ブル。他の民族は2ブルだったり5ブルだったり。交渉次第です。
 


ハンナの食料品と雑貨のマーケットを見た後に、みんなで歩いて家畜を扱う市場へ向かいます。
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すれ違うのはボディ族の人たち。
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ボディ族の挨拶は「アイ・ブシ」。返事は「ブシ」。
みんな見た目は怖いけど、挨拶すれば笑顔になってくれたりして嬉しい。
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動物マーケットはこんな感じ。広場に動物が連れられています。
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牛を引っ張ってる!!笑
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お昼ごはんは市場にあるレストランでインジェラ。

Dagoは私たちの注文に紛れて、ちゃっかり自分の分のコーラを注文。笑
炭酸の飲み方はおっさんがビール呑んでるみたいで可愛くて憎めない。

”両親はガイドしてること知ってるの?”

「うん、もちろん知ってる。」

”Dagoがガイドしてることについてどう思ってる?”

「どうって、ハッピーだよ。家族のためのお金になるから。兄弟もみんな家のために何かしてるよ。」

学校の先生の月収が初年度1200ブルというエチオピアで、一日に150〜200ブル稼げるDagoはもう立派な稼ぎ頭。すごい。

自分がエチオピアに育っていたらこんなしっかりした子供にはなれなかっただろうな。
 


ハンナのマーケットでゆっくりした後は、ジンカへ戻るバスに乗ってムルシ族の村へ向かいます。

ムルシの村は立ち寄るだけで一人200ブル、写真を撮るたびに5ブルかかるので、行くかどうか悩ましいところではあったけど、私とだいごろはムルシの村へ行き、ケンゾーさんとイクエさんはまっすぐジンカへ帰ることになりました。

でもローカルバスがなかなか発車しなくて2時間近く待ちました。
車内にいたムルシ族のおじさん。
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そして昼の3時過ぎにムルシ族の村に到着。
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村に入ると子供たちがたくさん集まってきました。
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そしてまずはDagoの紹介で村長にあいさつ。
村を見学したい事を伝えます。

ムルシ族はエチオピアの多種多様な民族の中でも極めて異彩。戦闘民族。
家畜を轢き逃げされたムルシ族が腹いせにアリ族を殺したり、アリ族との蜂蜜の取り合いが原因でアリ族家族四人が皆殺しにされたり。かなり血の気の荒い民族です。
アリ族とムルシ族の抗争ではいつもトラブルとは無関係な人が殺されたているそう。

そんな話も聞いていたのでおっかなびっくりでの村長との対面でしたが、「ゆっくりしていってくれ。」とフレンドリーな感じで安心しました。
 

村の人たちの衣装は布一枚だけを肩から斜めに垂らすスタイル。
そしてたくさんのアクセサリーを手足に付けています。

インジェラを作る為に穀物を粉にしている女性。
丸出しのおっぱいがゆっさゆさしていました。わーぉ。
私はちょっとドギマギしてしまうけど、ムルシ族の人は何も気にしていない。
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マーケットで売る為のアクセサリーを作る女性。
このアクセサリーは彼女たち自身も身につけていました。
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唇にお皿をつけている女性も。
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外してもらったお皿はこんな感じ。
てっきり木製だと思っていたのですが、土で出来ているそうです。
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そして子供たちからは写真を撮って撮っての大攻撃に会う。大変。笑
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大変すぎたので村の子供たちにカメラを渡すと、写真の取り合いが始まりようやく落ち着きました。
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たくさん並ぶ丸い家々では料理を作ったり、家族で寝たり、子育てをしたり。全てがこの中にありました。
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ここに来る前は民族と言ってもテレビや携帯などがあったり、もっと現代文明が導入されているものかと思っていました。でもムルシ族の人々は簡素な住まいで質素な食事を食べ、放牧をして野菜を育て、何百年も、もしかしたら何千年も前から同じ暮らしを続けているんだろうなぁ。
 

私たちが日本で生きているとの同じ世界にムルシ族の人たちも一緒に暮らしている。

世界は広いけど、みんな同じ時間を生きている。

なんだか不思議な気持ちになりました。
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ムルシ族の村からジンカまではヒッチハイク。

通る車が少ないので1時間は待つつもりでしたが、30分ぐらいで車が捕まりました。
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乗せてもらったのは地元で働く車の整備士たち。
この車でもだいごろはチャットをたくさん食べさせられていました。笑
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そんな感じで訪れたハンナ村のマーケットとムルシ族が暮らす村。

エチオピア南部の民族巡りはツアーなどで行くとツーリスティック過ぎてげんなりすると前情報で聞いていたのですが、今回訪れた村々は全然そんな事がなくて、カイアファールのマーケット同様、民族の人々の素朴な暮らしを見ることができて大満足。

すごくオススメなので皆さんも是非行ってみてください!
 

▶︎次回:だいごろ、熱帯性マラリア&腸チフスで倒れる。
 



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