ラリベラにあったラピュタに出てきそうな絶景レストラン。
18/SEP/2014 in Lalibela
今日はいよいよエチオピアで一番の観光名所、ラリベラの岩窟教会に向かいます。
「ラリベラ」というのは、もともとエチオピアの昔の王様の名前。
王様の名前にちなんで、村の名前がつけられました。
エチオピアでは昔も今もほとんどの人がキリスト教系のエチオピア正教を信仰していますが、ラリベラ王の時代は周囲をイスラム教の国に囲まれてしまい、キリスト教の聖地エルサレムへの巡礼ができなくなってしまいました。
そこでラリベラ王はエチオピアの中に聖地エルサレムの代わりになる場所を作ることにしました。
そうしてできたのがラリベラの岩窟教会。
この教会のすごいところは、地面の下にある大きな一枚岩を掘って掘って、教会を作ってしまったところ。
その建造方法は現在の技術でも解明できないそうです。
教会の数は12個あって、すべての教会は地中のトンネルで繋がっているとも言われています。
そして現在ではユネスコの世界遺産にも登録され、エチオピア随一の観光資源となっています。
でも長期旅人にとって問題なのがそのお値段。
なんと50USドルもします!!
チケットは4日間有効なのですが、1日あれば十分見て回れる規模の教会群だし、エチオピアは物価の安い国なので値段の高さが余計に際立ちます…。
私はその値段の高さから一時入場を断念しようかとも思ったほど。
そこで、ちょっと考える時間が欲しくて、昨日は岩窟教会群の観光をせずにトレッキングに行くことにしたのでした。
トレッキング中には一緒に登っていた2人から説得されました。
「今は高いと感じるかもしれないけど、日本に帰ったら50ドルなんて大した事ない金額だよ」とYin。
「日本に帰ってから後悔してももう戻ってこれへんで」とだいごろ。
その後もいろいろなことがあって、最終的には全員が岩窟教会群に行くことになりました。
今振り返ってみるとやっぱり行っておいてよかった。本当に見応えのある場所でした。
岩窟教会群は道が複雑に入り組んでいて、それぞれの教会と教会とが繋がっています。
こんな小道を通って教会に向かいました。
どんな教会が待っているのか、期待が膨らみます。
背丈程の小さいトンネルを通り、まず目の前に現れたのは聖エマニュエル教会。
写真では伝わらないかも知れませんが、高さは3階建ての建物ぐらい。それが地面を掘り下げて作られています。
窓のデザインが特徴的です。
たくさんの十字架が彫られていて、エチオピア正教徒にとって十字架が如何に尊いものであるのかがひしひしと伝わってきます。
上から見下ろすと、その深さと大きさがよく分かります。
もともとはなにもないただの地面だった場所。
次の教会へは小さなトンネルを抜けて行きます。
熱心に祈りを捧げるエチオピア正教徒。
次に現れた教会も窓の形もやっぱり十字架。
ちなみに左右に見える鉄筋は、屋根を支えるためのもの。
景観を損なっているのが残念に思いますが、風雨から教会を守るために建てられたそうです。
中に入ることができる教会もあります。
薄暗い内部に入ると、十字架から眩しい光が差し込みます。
どこの教会にも必ず祈りを捧げるための絵がありました。
次は岩窟教会群で最古の聖マリア教会に向かいます。
柱には目を見張るほど丁寧な彫刻がなされていました。
天井には美しい模様。
途中で通りかかった穴から音が聞こえてきたので覗いてみると、司祭が穀物をすりつぶしていました。
ゴンダールでもそうでしたが、司祭たちは教会の敷地内に住んでいるようです。
これが司祭が眠る穴。
人一人がぎりぎり入れるぐらいの大きさ。ずっと教会と一緒に生活するんですね。
祭りの時に使うであろう太鼓もありました。
エチオピアの中で最も神聖な場所であるラリベラには、エチオピアンクリスマスやトゥムカット祭などの祝日には多くのエチオピア人が押し掛け、祈りを捧げるそうです。
教会は全部で12ありますがどれも個性的。
その深さに圧倒されます。
これだけ彫るのに、一体どれくらいの年月がかかったんだろう。
この教会の中にもやっぱり絵が飾られていました。
エチオピア人が描く人物はいつも目がくりくり。色合いも鮮やか。
至る所にあるレリーフが美しい。
そして最後に訪れたのが、岩窟教会群の中で最も有名な聖ギオルギス教会(St.George Church)。
街中のレストランなどで飾ってある絵も大抵この教会がモチーフになっています。
聖ギオルギス教会にはこんな逸話があります。
教会群建設が終盤にさしかかっていた頃、ラリベラ王の前に聖ギオルギスが現れ「私のための教会はどこだろうか」と尋ねました。ラリベラ王は聖ギオルギスのために最も美しい教会を建てることを約束したそうです。
…ところで聖ギオルギスって誰だろう。聖書に出てくる天使の名前とかかな?
でも確かにその美しさは他の教会と比べて秀でています。
聖ゲオルギス教会の近くには墓地もありました。
この場所で眠れることは名誉なんでしょうね。
細い小道を通って教会の入口をくぐります。
今度は下から教会を見上げてみる。
苔の黄色や緑が入り混じっている感じがすごく好き。
内部に柱はなく、十字の形にくり抜かれています。
本当に美しい教会でした。
聖ゲオルギス教会の近くにはマーケットがありました。
今日はマーケットの日じゃないので閑散としていますが、いくつか開いているお店も。
穀物や豆をたくさん売っています。
見た事がないものばかりだったので名前を聞いてみましたが、アムハラ語だったので全然分かりませんでした。
写真を撮ってほしいと言ってきた女の子。
慣れていないのかちょっと緊張してるのが可愛い。
ちなみにラリベラ観光には丸一日かかるので途中でお昼ごはんを食べに行ったのですが、そのレストランが凄すぎたので紹介します。
前日の夜に出会ったドイツ人と南アフリカ人のカップルに教えてもらった、”Ben Abeba”という名前のレストランです。
場所はラリベラのメインストリートを北にまっすぐ歩いて行ったところ。
何もない田舎道をとぼとぼと進みます。
通りかかった家々からは子供たちが飛び出してきて無邪気について来る。
小さな手をつないで歩くと嬉しそうです。
そして街から20分ぐらい歩くと、辺りには何もない山あいに突如こんなレストランが現れました!
あまりに唐突に不思議な形をした建物が目の前に出てきたので3人ともかなりびっくり!
ジブリの作品にも出てきそうな独創的なデザイン。
庭は綺麗に手入れされ、可愛らしい花が咲き乱れています。
ちなみに店の名前の”Ben Abeba”の”Abeba”は”花”という意味だそうです。
(エチオピアの首都”Addis Abeba”は”新しい花”)
そしてこのレストラン、どの席からでも絶景が見渡せるように作られています!
そして席に着くと…360度に広がるこの絶景!!!
思いっきり伸びをして深呼吸してこの絶景を全身で感じる事ができます。
食事のメニューはもちろん普通のレストランよりは高いですが、私たちがその外観から想像していたほどは高くなくどれも美味しかったです。安いメニューなら一食50ブル(300円)ぐらい。
それでこの絶景が手に入るなら何ともお安いもの!
しかも全席でWi-Fiが使えるという至れり尽くせりの設備。
すごくオススメのレストランなので、ラリベラを訪れた際は是非行ってみてください!!
詳しい場所やメニューはこちら。
http://www.benabeba.com/lalibela/Home.html
▶︎次回:超絶品アボカドジュースと驚愕の魚フライ。
kicco
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