イスラムの国なのに教会だらけのオールドカイロ。
05/AUG/2014 in Cairo
この日はメトロで出かけようと、私たちが沈没しているダウンタウンの近くにあるサーダート駅へ行くと、何故か地下へ降りる階段が閉まっていました。
近くにいた人に聞いてみると、ここは開いてないからあっちへ行けと言われたので別の入口に行ってみるとそっちも閉まってる。
どうしたもんかと思って、通りかかったビジネスマン風の人に聞いてみると、流暢な英語で説明してくれた。聞いた所によると、今年の6時月末にカイロの地下鉄駅数カ所で爆弾騒ぎがあり、それ以来ずっと閉鎖されているそうです。
この駅は初めて使ったので知らなかった。
そういう事なら仕方ないので、隣のムハンマド・ナギーブ駅からメトロに乗る事に。
改札の近くにはお祈りをするスペースが。
時計がアラビア語の数字(アラビア・インド数字)なのが面白い。
アラビア語の数字は簡単なので2人ともすぐに覚えました。
エジプトはイスラム国なので、もちろん女性専用車両があります。
空いてる時の車内はこんな感じ。(きっこ撮影)
女性はスカーフが色とりどりで綺麗でした。
ちなみに、その他の車両はエジプトの濃い男ばっかりが集まり乗車率120%越え。汗の匂いが車内に充満して息苦しいし、エジプト人たちのしたたる汗を浴びながら数十分我慢しなければいけません。
毎回もう乗りたくないと思いながらも、安さと早さに負けてよく利用していました。
ダウンタウンにあるムハンマド・ナギーブ駅から南へ向かうこと30分ぐらい。
メトロのMar Girgis駅で降りると、すぐ目に飛び込んで来たのは大きな教会。
ここはオールドカイロと呼ばれる場所で、駅から見える聖ジョージ教会の他にもたくさんの教会があります。
エジプトはイスラムの国なのになんでそんなに沢山の教会が?
と思われるかもしれませんが、元々カイロはキリスト教の街。
ここはカイロ発祥の地で、アラブ人がエジプトを占領するまではコプトと呼ばれる原始キリスト教会の一派が信仰されていました。
そして、敬虔なコプトの人々はアラブ人の侵攻にも負けず、高い城壁を築き紀元4世紀頃に建てられたと言われる教会群を今まで守って来たそうです。
たくさんの教会を取り囲む城壁。
中に入ると大小さまざまな教会がありました。
これはマリアとイエスが避難していたとされる地下室。
その中でもひときわ大きな聖ジョージ教会。
円形に配置された座席がすごく特徴的。
これまで数えきれないくらいの数の教会に入りましたが初めて見ました。
あともう一つ驚いたのが、コプトの教会群と同じエリアにシナゴーグがありました。
中の撮影は禁止なので写真はありませんが、控えめな外観とは対照的な華やかな内装が印象的でした。
ちなみにどこの国にあるシナゴーグも外観が地味ですが、それは他教徒からの弾圧から逃れひっそりと集まって信仰を深める為です。
ここオールドカイロでもコプト教徒たちと一緒に、ユダヤ教を密やかに守り続けていたのですね。彼らの絶え間ない努力を想像していると、じんわりと感動が込み上げてきました。
城壁の外に出て少し歩くと、モスクが見えてきます。
ガーマアムルというこのモスクはアフリカで最初のイスラム寺院という、これまた歴史的な建築物。
中では人々が祈りを捧げ、地元の人の葬儀も行われていました。
こんなに近くに異なる宗教の重要建築が同居している事は驚きですが、イスラム教・キリスト教・ユダヤ教の人々の間に争いがなく生活が出来ているのかなぁと疑問に思ってしまいました。
世界を旅をしていると、宗教が人々に与える影響力の大きさに驚く事が多々あります。その底知れぬ力に恐ろしさを感じゾッとする事すらあります。今でもイスラエル・パレスチナの対立を始めとして、宗教がらみの戦争が後を絶ちません。それほど宗教は人々の心に強く根付いています。
このオールドカイロを私たちが訪れた時は、どの宗教の人たちも穏やかに暮らしているように見えました。見えない所では小さな小競り合いがあるのかも知れませんが、今の平穏がこの後もずっと続いて欲しいなと、キンキンに冷えたマンゴージュースを飲みながら勝手ながらに考えてしまったのでした。
daigoro
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