生ガキを食べる宇宙人と国連で働く日本人。
21/APR/2015 in Casablanca
エッサウィラを出た次の日の早朝。
夜行バスに乗ってやってきたのはモロッコ最大の都市カサブランカ。
でも朝5時半ぐらいに着くと思ってたのに、バスターミナルに着いたのは早朝4時。
バスって遅れることはあっても早く着くことはなかなかない。
変な時間に起こされて眠いよ…。
朝6時。
そろそろ公共交通機関も動き出したはず。
バスターミナルからタクシーで最寄りのトラムの駅まで向かいました。15ディルハム、約180円。
まだ真っ暗なカサブランカの街中。
トラムの自動券売機でチケットを買うと、何故かお金を入れたのにチケットが出てこない!!
券売機の不具合だけど、車掌さんに言っても信じてくれる訳もなく、買い直すしかない。
朝っぱらから悔しい!
結局チケットを2回も買う羽目になっちゃったので、トラムに乗らずに直接タクシーで行った方が安かった。。
トラムがやってきました。
乗り込んだトラムはめちゃくちゃきれい!!
マラケシュやエッサウィラですらアフリカとは思えないほど綺麗な街並だったけど、ここはもう完全にヨーロッパです!
これを見て、ここがモロッコって思える人は少ないんじゃないかな?
本当にモロッコに入ってからは、その発展っぷりには驚かされてばかり。
私の中での旅に出る前のエジプトとモロッコのイメージが完全に正反対だった。
エジプトはもっと発展してると思ってたのにぐっちゃぐちゃで混沌としてたし、モロッコは砂地の道路ばかりの埃っぽい街と思ってたのにこんなに綺麗なトラムが走ってる。
国連で働く日本人。
そして、待ち合わせの場所に到着しました。
今回お世話になるのは、国連で働くみうらさん。
私の姉夫婦の友人です。
3人は高校で一年間イギリス留学をしていたときに出会いました。
街中のカフェで待っていると時間通りに迎えにきてくれて、家に案内してくれました。
広々としたリビングルーム。
実はこの部屋、リビング兼オフィスなんだそう。
国連のオフィスはカサブランカにはなくて、みうらさんは普段ここで仕事をしています。
勤務時間は完全に自由だし、成果さえ出していればどこで働いてもいい。
フィンランド人の上司と会うことは一年にたった数回しかないんだって!
そんなみうらさんは、今日は外でお客さんとの会議があるので、夜また会う約束をして一旦別れました。
生ガキを食べる宇宙人。
みうらさんが仕事に行ったので、私たちは街歩きに出かける事に。
再びトラムに乗って向かったのはカサブランカの市場!
ここで美味しい生ガキが食べられると聞いて真っ先にやって来ました!
市場に入ると、ありました!生ガキ!!
お値段一個10ディルハム(約120円)。
モロッコの物価からすると決して安くはないです。
注文すると、ぐりぐりとカキを開いてレモンをたっぷり搾ってくれました。
うわー、楽しみ!!
丸っとひとのみ!!!
ひゃー!!
美味しすぎて、顔の輪郭が宇宙人になってる!!笑
あまりに見事な宇宙人!
こんな輪郭の人間見たことない!!笑
ちなみにこの写真はだいごろに「宇宙人みたいやからブログに載せたらあかん!」って散々言われたけど、私は面白くて気に入っているから載せます。笑
美味しい!!
あー、幸せ♡
何個でも食べたいけど高いから一個だけ。
余韻に浸るだけで我慢しよう。笑
市場の次に向かったのは、モロッコ最大のモスク、「ハッサン2世モスク」。
確かにめちゃ大きい!
これまで数えきれないくらいのモスクを見てきたけど、こんなに大きいモスク初めて見た!!
1993年に完成したモスクです。
中に入ることも出来るけど、私たちの経済的な事情により外からだけ見学しました。笑
なんとこのミナレットは高さが210mもあって、世界一の高さを誇っています。
外でも熱心にお祈りしている人たち。
モスクの中は25,000人も収容できるそうです。
細かい装飾が丁寧。全て手作りです。
お祈りしていなくても、地べたに座って休憩している人がたくさんいます。
みんなこの広々としたモスクが気に入ってるのかな。
でも中に入らないのはなんでだろ?ムスリムの人なら無料で入れると思ってたけど。分からん…。
モスクから家まではかなり距離があったけど、時間があったので歩くことに。
しばらく歩くと、カサブランカのメディナ(旧市街)に入りました。
カラフルな可愛い家。
カラフルなペットボトル!
”これ何??”って聞いてみたけど、飲み物ではないって言ってるみたいだった。
洗剤かな?たぶん大きい業務用のやつを小分けにして売ってるんだ。
カサブランカのメディナも他のモロッコの街と同じで、やっぱり道が入り組んでいて迷路みたい。
でもそんなメディナの向こうには都会らしいビル群が見える。
さすがカサブランカ!
メディナを抜けると見事な大都会!
さっきのメディナとのコントラストがすごいなぁ。
豪華ディナーによだれを垂らす貧乏人たち。
街歩きをした後は家に帰って、しばし休憩。
しばらくするとみうらさんが帰ってきたので、一緒にごはんを食べにいきます。
家からタクシーに乗って連れて行ってくれたのは…
ん?遺跡?!
と思ったら、なんとここがレストラン!!
昔の要塞を利用したお店です。
お金持ちそうな人やビジネスマンたちで賑わう店内。
高級な香りがぷんぷんです!!
破れた服や靴を身にまとってみすぼらしい身なりをした私たちは恥ずかしくなったけど、開き直って楽しむ事にしました。笑
いつもは自炊か安食堂でしかご飯を食べない私たち。
今夜は久々のごちそうです!!
前菜は、たこやレンズ豆のアルガンオイル和え、ムッタバルなどなど、色とりどりで見た目も楽しい、味も豊富な品々。
そうそう、こんな高級レストランでも、この国はイスラム教の国だからお酒が出ないのにはちょっと驚きました。
私はお酒ほとんど飲まないから関係ないけど。笑
国連で働くみうらさん。
今はモロッコにいるけど、その前はリベリアで国連の職業訓練のプロジェクトに携わっていました。
でもプロジェクトの真っ只中でエボラが流行。
みうらさんはガーナに脱出して、そこからリベリアの現地スタッフに指示を出して何とか回していたそうです。
しかも国連の前はコンゴ民主共和国の大使館で働いていたそう。
本当に世界を股にかけて仕事をしています。
フランス語も英語もペラッペラなので、西アフリカで活躍できる貴重な人財です。
あー、自分がちっぽけに思える。笑
ディナーのメインディッシュに出てきたのはモロッコではすっかりおなじみのタジン。
でもこれまでに食べた事のない高級店ならではの深みのある味わいでした!!
あー、こんなごちそう今度はいつ食べられるんだろう!?笑
そんな美味しいごはんを食べながらだと話も弾みます。
ここで、みうらさんに聞いたコンゴ民主の面白いエピソードを一つ!
コンゴでは警察官の給料は月たったの60ドル。
パートのレジ打ちのおばちゃんは月120ドル。
レジ打ちのおばちゃんよりも、警察官の給料の方が少ない!!
でも、そんな訳ないですよね。
実は、警察官の給料は賄賂を前提としたもの!
賄賂をもらうのが当たり前。そうしないと生活できない。
そりゃいつまで経っても警察官が腐ったままな訳だ…。
単純に警察官の給料を上げても賄賂がなくなるとも思えないし、根本から徹底的に直さないと直りっこない。
海外にいると、警察官のひどい話は飽きるほど聞くので、日本の警察ってすごいなぁって思ってしまう。
みうらさんによると、モロッコは今まで働いてきたコンゴ民主やリベリアやガーナに比べると遥かに発展していて、そういう面ではすごく楽だそう。
モロッコでは政府が治安の維持に力を入れていて、諜報機関が優れているからテロ組織もすぐに摘発されています。だから治安の面でも安心。
モロッコはアラブの国の中では圧倒的に綺麗だしインフラも整ってるし見所も多いし、短期での旅行を考えている方にも自信をもっておすすめできる国です。
そんな感じで、面白いお話もたくさん聞けて大満足のディナー。
おなかいっぱいごちそうになりました!
食事のあと家に帰ってから、みうらさんはまた仕事。
パチパチとパソコンを叩いていました。夜中2時まで。
明日大事な会議があるそうです。
でも、そんなめちゃくちゃ忙しい中で、私たちのために貴重な時間を割いてご飯をごちそうしてくれました。
実はみうらさんが私たちのためにこんなに時間を取ってくれたのには理由があります。
それは、みうらさんと私の義兄が大親友だから。
2人は高校生の時にイギリスに留学していた時に出会い、仲良くなりました。
その後意気投合し、義兄に「これ読んでみろ」とむりやり読まされた沢木耕太郎の『深夜特急』の影響でバックパッカー旅に出るようになりました。
そしてレバノンやUAE、モロッコからイギリスまでの放浪の旅などなど、中東を中心にたくさん一緒に旅したそうです。
先に触れたコンゴ民主での大使館の仕事を紹介したのも義兄だったんだそう。
だから、義兄のことを「自分の人生に一番影響を与えた人だって言えるんじゃないかな」って。
そんな義兄のお願いだから、かなり無理してでも私たちを受けいれてくれたんだ。
こんなにも深い人間関係を築けるってすごいことだなぁ。
そんな二人の話を聞いて、私もこんな風に人と深く関わっていきたいなと思った夜でした。
kicco
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