鍋に殺されかけた日。
16/SEP/2015 in Chengdu
雨の成都。
この時期は本当によく雨が降る。
今日は、カウチサーフィンのホストのサラはお仕事なので、二人で火鍋を食べに出かけます。
火鍋とは、名前から想像できるように、辛い鍋料理のことです。
四川省が発祥の地とも言われています。
成都は四川省の州都だけあって、街中には火鍋の店がたくさん。
火鍋屋さんは多すぎて、どこがいいのか全然分からない!
サラに近所の火鍋屋さんの中でオススメの店を教えてもらって、そこに行くことにしました。
「家族でもよくここに食べに行くよ。」と言って、紹介してもらいました。
高そうだけど大丈夫かなぁ。。
観光客が来るような店ではないので、店員も日本人二人だけで来た私たちを見てびっくりしている様子。
オーナーや店員がみんな私たちのテーブルに集まってきました。
システムがややこしいみたいで、中国語の辞書を引きながら必死にコミュニケーションします。
どうやら具材はセルフサービスで取るようなので、店の奥に行ってみる。
こんな改札に会計用のカードをかざして具材コーナーへ入場。
さっきの店員さんたちもつきっきりでついて来てくれます。笑
”これは何?”、”これは?”
一つ一つ聞きながら具材をチョイス。
選び終わったら会計用のカードと具材の入ったトレイをレジに乗せると、一瞬にして合計金額が表示されました。具材の入った皿にICチップが埋め込まれているようです。
そして席に戻ると、さっき頼んでおいたスープがスタンバイされていました。
スープは辛いのとめちゃくちゃ辛いのの2種類ありましたが、せっかく四川省に来たのだからとめちゃくちゃ辛い方をお願いしていたのですが…
出てきたのはこれ!
グツグツしていてまるで地獄のようです。
中には大量の赤唐辛子と大量の山椒の実と、何か分からないただただ辛そうなスパイスがたっぷり!!
匂いを嗅いでるだけで辛い…。
これはやっちゃったかも、と思いながらも取ってきた具材を投入。
店員さんの必死の説明によると、このごま油をつけて食べるようです。
さっき選んだ具を入れてグツグツ。
白菜、豆腐、肉、わかめ、葉っぱなどがどんどん煮込まれていきます。
そして一口食べてみると、
ヒーー!!!
気を失いそうになる辛さ!!!
”やばい!!喉と胃が熱い!!!”
辛い物が大好きなだいごろもこの表情。
それでも取ってきた具材は全部食べなければ。
二人で励ましあいながらなんとか食べ進めます。
この食べ放題のスイカだけで口とお腹を清めます。
それにしても、
辛い!!!!
唐辛子の辛さだけじゃなくて、いろんな辛さが総動員で攻撃を仕掛けてきます!
あ”ーーーーー!!!!
あかん…、スイカまで辛くなってきた!
頭がクラクラする。
修行してるみたい。
もうグツグツしたこの鍋は地獄にしか見えない。。。
唐辛子、山椒、生姜…辛いと言われるスパイスを全部放り込んだ地獄絵図。
耳の中が辛い!!
”これヤバいと思う。これ以上食べたら死ぬやつやと思う。”
そう言ってだいごろはギブアップ。
目の焦点が合わないまま天井を見つめています。
だいごろもきっこも限界まで食べた。
取ってきた具材は気合でほとんど食べ尽くした。
でももう無理だ。火鍋に負けた。。
そして、修行を終えた後。
よほど外国人が珍しかったらしく、定員さんに記念撮影をお願いされました。
気になるお会計は、96元(約1,800円)でした。
こんな小綺麗で店員さんもいっぱいいるお店なのに意外にも安い!
しかし、お店を出て家に向かって歩き始めた途端…
うっっ
きもちわるっ
おえっっ!
辛さと油っこさで胃がむっかむか。
さっきまで何ともなかったのに、後から気持ち悪くなるなんて反則だ。
吐き気を必死で抑える。
眩暈と吐き気。
頑張って5分ぐらい歩いたけど、もう無理になって雨の降る道端に二人で座り込んでしまいました…。
15分は休んだかな。
意を決して再び歩き出すも、50m歩くたびに吐きそうになってベンチに座って休む。
”辛さで人を殺せる事が分かったな。”
そう呟くだいごろ。
吐ける場所と次に座れる場所の目星をつけながら、
眩暈とも戦いながらゆっくりゆっくり歩きます。
こんな酷い目に会うなんて思ってもみなかった。
今思えばあの唐辛子と山椒の量はおかしい。
あんなん食べる意味が分からんわ、辛すぎやろちょっと。
鍋に殺されかけて逆ギレしながら雨の中をフラフラと歩き、行きは20分で来た道のりを1時間近くかけてマンションまでたどり着いた二人。
情けない。。。笑
これが本場の四川料理の恐ろしさか。
完全にノックアウト。完敗でした。
私たちの救世主はこれ。ヤクルト的な飲み物。
これを飲んで、すっかり痛めつけられてしまった胃腸を休めたのでした。
夕方、サラが仕事から帰ってきました。
そしてノックアウトされている私たちを見てびっくり。
「え!?辛い方だけ頼んだの?!!」
「普通は辛いのと、辛くないのとを交代交代で食べるんだよ。私たちですら辛いのだけを食べたことなんてないのに!!!」
”え!そうなの?!”
そういえば他のお客さんは一つの鍋に赤いスープと白いスープが半分ずつ入っているのを食べてたような気がする。
そうと知っていればこんな事には…。
やっぱり地元の人と一緒に行かないと、正しい食べ方が分からないなぁ。
でも四川省で生まれ育った人たちも挑戦した事のない本場の四川料理を食べられて、いい経験になりました!!
つづく
kicco
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