チベットで杖をついたおばあちゃんが何時間もかけて歩き続ける理由。
8/SEP/2015 from Achen to Ganzi
次の日。
今日は朝から雨が降ったり止んだり。
でも、元々の天気予報が2週間以上雨の、雨季のチベットで天気な日が続いてくれていたからそれだけで十分だ。
朝ごはん。昨日と同じ食堂へ。
家族3人で仲良く料理をする雰囲気が気に入ってやってきました。
食事の後は大きな広場へ。
ここで朝に説法があってたくさん僧侶が集まる日があるらしいけど、今日は雨が降っているせいなのかやっていませんでした。
でも、何やらお経のような音が聞こえてきたので、音のする方へ行ってみることにしました
音がするのはどうやらこのお寺みたい。お邪魔させてもらうことにしました。
中にはたくさんの僧侶たち。男性もいるし、女性もいる。
ここは男性が住むエリアと女性が住む川の向こうの間にあるので、男女共有エリアみたいです。
みんな赤い袈裟を着てマニ車を回したり、お経を読んだり。
奥の部屋でマイクを通して一人の尼僧がお経を唱えていて、その声に合わせて全員が読経する。
スピーカーからはたまに咳払いが聞こえる。
全員がマニ車をくるくる回しながら歌うようにお経を唱えていた。
部屋の隅には仏具のようなものが並んでいました。
初めて見るものばかり。
こうやって何時間もお経を唱え続けるんだ。
読経の途中で建物に僧侶ではない人が入ってきて、100元札(約1900円)を何枚も寄付していました。
少なくとも500元はあったはず。
私からしても大金なのに、この地域に住む人からしたらとんでもない額なんだと思う。
チベット族の農民は、寄付をたくさんすることが自慢だという話も聞いたことがあります。
これだけたくさんの、お勤めだけを仕事にしている人を養おうとしたら大変な寄付金が要るのは明らかだもんな。
何千人もの僧侶が住んでいるのに、皆がのたれ死なないだけのお金が集まるんだ。
チベット仏教を信仰している人にとってみれば不謹慎な考え方かもしれないけど、ある意味僧侶になることはセーフティネットなのかもしれない。
どうしても仕事がなくて、餓死しそうになったら出家すればいいんだ。
出家ってそんなに簡単にできるものなのかも分からないけど。
丘を一周するマニ車の周回コースへ
さて、私はこのアチェンに来てから、どうしてもやりたくなったことが一つありました。
それは、グル・リンポチェ像がある丘の周りを回る周回コースを歩くこと。
丘の上の黄金のグル・リンポチェ像の周りに、小屋みたいなのがあって、これが全部マニ車。
マニ車をぐるぐる回しながら、丘をぐるっと一周する。
たくさんの僧侶が回っていたから、私も回ってみたくて仕方ない。笑
「私、あの周回コース回ってみたい。」
だいごろにそう言うと、
”まじで!?昨日丘の上から見た時、先が全然見えへんかったやん!何キロあると思ってるん?!果てしないで!”
だいごろは歩く気がまったくないみたい。
「そんなに遠くないって。1時間ぐらいちゃうん。」
”いや、絶対遠い。3時間はかかると思う!”
「そうかな」
”しかも雨降ってるし。どうしても行きたいんやったら一人で行ったら?”
「わかった。一人で行く。」
ということで、珍しく一人で行動することになりました。
尼僧の住むエリアと丘を隔てる川辺りからスタート。
なんやかんやで空も晴れてきた。
丘の頂上にはグル・リンポチェの巨像がある。
神聖なものの周りは右回りしか許されない。
この周回コースの途中に、少ないけれど民家があった。ここに住んでる人は大変だ。
写真の左奥の方までずっとマニ車が続いているのが分かります。
中盤になると、マニ車がなくなって、タルチョが道しるべになりました。
どこまでも続く時計回りの道。
杖をついてゆっくりゆっくり歩くおばあちゃん。
そして終盤。マニ車がまた現れました。
みんな、道沿いにある大きなマニ車を右手で回しながら、左手で手持ちの小さなマニ車を回していた。
背中も曲がって、杖をついているのに、それでもマニ車を回しているおばあちゃん。
きっと、毎日毎日この道を歩いているんだろう。
何かを信じる力ってすごいな。
1周するのに、私の足でたっぷり1時間かかりました。
だいごろの予想では3時間だったけど、さすがにそんなに遠くなかった。やっぱりなー。笑
でもあの杖をついたお婆ちゃんだったら3時間はかかっていたと思う。
だいごろの予想もあながち間違いじゃなかったかも。
これで、満足してアチェンを離れる事が出来そうです。
そして、無事に宿に戻ってきました。
ん、あれは?
子供ちゃん!かわいい!美人になるにちがいない!
宿でだいごろと合流してアチェンを離れる準備をします。
アチェンからガンゼへ
ここから向かうのは、ミニバン乗り場。
帰り道に、水を汲んでいる少年に出会いました。
各家庭には水道はないから、こうやって水汲みするしかない。
上半身裸の上にずた袋を被っているのがちょっとだけ気になります。
帰りは12時半にシェアタクシーが出発。
結構待つことも覚悟していたけど、意外と30分待ちぐらいで人が集まって出発してくれました。
相変わらずヤクに道を遮られながらも順調に進みます。
帰り道もすごい絶景だった。
どこまでも続く平原。
そして15時にガンゼ着。2時間半の道のりでした。
行きは3時間半だったから、この車は速かった。
着いたら手頃な宿を見つけてから晩御飯。
中華料理は相変わらず、あっという間に出来上がります。
今日泊まったのは、バスターミナルの近くの路地を入ったところにある幸運旅館。
城信賓館のすぐ近くの路地です。
この部屋で、一泊二人で50元(約950円)でした。
Wi-Fiは部屋にはなくて、受付付近だけ使えました。
部屋はタバコ臭いのが難点だけどまずまず。
でもシャワーとトイレが最悪だった。。。
中国式ぼっとんトイレの個室に、シャワーが付いてる。
トイレ臭いぼっとん便器の上でシャワーを浴びなくちゃいけないからほんと最悪…。
でも、アチェンでシャワー浴びれなかったから頑張って浴びました。苦行。笑
つづく
kicco
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