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今回は、明石市議会議員の丸谷さとこさんの講演を聴講してきたので、その事について書いてみたいと思います。

丸谷さとこさんは、もともと自然が大好きで環境に関する活動をされてきた方で、2015年から市議会議員をされています。
それまで誰も発言してこなかった環境についての話題を議会でもどんどんしてくださっています。
今回の講演では、『恵まれた自然を生かした街づくり〜自然環境行政の現状と課題から考える〜』というタイトルで、明石の自然の現状を分かりやすくお話してくれました。

私はいつも世界の環境ばかり考えがちだけど、私が今住んでいるここ明石でも身近な自然が失われていっている。
そのことを教えてくれました。


講演の中で印象的だった例え話。

『生物が一種減るということは、飛行機のネジが一本なくなるようなもの。
飛行機のネジが一本なくなっても、飛行機は何も変わらず飛び続ける。
でも、何本かなくなったとき突然崩壊してしまう。
生物多様性も同じで、一種なくなっても一見何も変わらないが、いくつかの種が失われたときに突然全てが崩壊する。』
 
私自身は生物が一種なくなってしまうことはそれだけでただただ悲しくて胸が痛くてたまらなくなるのだけれど、何も感じない人も確かにいて。そういう人にとったらこの例えは効果的かもしれない。

どうでもいいけどエンジニアの夫にこの話をしたら、「飛行機ってネジ使われてないんちゃうん?リベットやんな。」と言っていた。さすが。笑。
(私も一応エンジニアだけど全く気にならなかった…)

明石の話に戻ると、明石にもいくつかの絶滅危惧種がいて、この広いとは言えない明石でも絶滅危惧種がいることにまず驚いた。
明石にいる絶滅危惧種のひとつに「アンペライ」という植物がいて、その溜め池が埋め立てられ宅地化されてしまったという話もされていました。丸谷さんと地元の方で「埋め立てられる前になんとか救出しよう」と植え替えてみたけど、上手くいかなかったそう。
それに、最近やっと明石にもコウノトリがやってくるようになったのに、その飛来地がまさに新幹線の車両基地になろうという話が出ている。
『明石に新幹線基地と新駅 市がJR西のイメージ図公開』神戸新聞NEXT

コウノトリは生態系の上位の種なので、コウノトリが来ているということは豊かな生態系がある証だそうです。
コウノトリがやってきているのは田畑のあるところなので作られた自然ではあるのだけれど、その自然を利用して生きている生き物もたくさんいて。長年かけてため池や田んぼを利用して人と共存してきた生き物たちが住処を奪われていく。

新幹線車両基地の話を聞いたとき、「でもため池なんて他にもいくらでもあるけどな」と一瞬思ってしまった。でもしばらくして、そうやって少しずつ失われてきた自然が一体どれほどあっただろう、と思い直した。遠い東南アジアのジャングルでも南米のアマゾンでも地元の人はきっと同じように考えている。「まだ他にあるし。」そしてどんどん自然が失われている。

日本の明石以外の場所でも同じことが繰り返されている。
今日もこの10年で大阪府の面積に迫る居住区が生まれたという記事を目にして、ショックを受けた。
それだけ野山が失われたということ…
『遠いコンパクトシティー 止まらぬ居住地膨張 大阪府ひとつ分に』日本経済新聞

 


 

先日、車両基地予定地を探鳥してみました。
コガモ、オナガガモ、ミコアイサ、カルガモ、タゲリ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、カワセミ、ジョウビタキ、イソヒヨドリ。
他にもたくさんの鳥たちがわんさかと幸せそうに寛いでいた。

ここがなくなってしまうと、この池を目掛けて遥かシベリアから渡ってきたこの鴨たちは別の場所を探して彷徨わないといけないのだろう。運良くいい場所があればいいけど、そんなところがあるとも限らなくて。

私がちょっとやそっと抵抗したところで、もっともっとずっと強い力で、あっさりと、車両基地はできてしまうんだろう。
でも少なくとも、そういう場所に車両基地ができるんだということを少しでも多くの人に知ってもらいたい。
そしてこの切なさを少しでも分かち合いたい。
そしてそれがきっと意味があることだと信じたい。

そう思って、やっとのことこの文章をしたためました。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
(もっと早く文章書ける人になりたい…)



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