エチオピアのバス事情とイスラム教の聖地ハラール。
23/SEP/2014 from Addis Ababa to Harar
エチオピアでのバス移動の選択肢は主に3つ。
1、ローカルバス
左3列、右2列の狭い大型バス。
もちろんリクライニングなんてない。
全く馬力がなく、登り坂は時速20kmが当たり前。
エチオピアは基本的にすべて山道なので、めちゃくちゃ時間がかかります。
さらに問題は発車までの待ち時間が長いこと。
夜も明けない5時前後にバスステーションに行かされ、6時〜6時半に満席になってようやく発車します。
2、ミニバス
トヨタのハイエースに、乗客をぎゅうぎゅうに詰め込むタイプのバス。
二人席に三人座るのが基本。
通路にも椅子を並べ、12人乗りの車に20人以上は乗せる。
小回りが効くし、登り坂もすいすい。
1の大型バスより1.3倍ぐらい高いけど、満車になればすぐ発車してくれるのでタイミングが良ければとても使い勝手が良い。
3、セラムバス(Selam Bus)、スカイバス(Sky Bus)
この2社は高級バスで、右2列、左2列の広々シートでリクライニングもできる、日本のバスと遜色ないバスらしい。(結局一度も乗らなかった。笑)
パンやジュースが配られたり、発車時刻がはっきり決まっていたりと、利便性◎
車内にトイレも着いているので安心です。
ローカルバスと比較すると、1.8〜2倍ぐらいの値段。
エチオピアで過ごしたこれまでの3週間、全ての移動をミニバスかローカルバスでがんばってきた私たち。
もうお尻と精神力が限界に近づいていたので、アディスからハラールの移動ではリッチにセラムバスかスカイバスを使ってみたい。
という事でまずはピアッサのTaitu Hotel内にあるスカイバスのオフィスに向かう。
でも、あいにく私たちの出発予定日にバスはなし。
もう一つのVIPバス、セラムバスのオフィスはピアッサから少し離れたマスカルスクエアにあるらしい。
わざわざ行くのは面倒なのでセラムバスに電話してみるも繋がらず。止むなくピアッサからミニバスでマスカルスクエアへ。でもセラムバスも、私たちの出発予定日には便がないらしい。
残念極まりありませんが、今回の移動もローカルバスにすることになりそうです。。笑
貧乏旅行に徹しろという思し召しかな。
まあ節約になるからいいけど。
という事で、ローカルバスのチケットを買いに向かったのはアウトブス・テラ(Autobus Tera/Autobes Tera)というローカル長距離バスのターミナル。
アディスアベバの中で最も治安が悪いと言われているアフリカ最大の市場、マルカートの近くにあります。
ピアッサからマルカート行きミニバスに乗って、降りた所から歩く。
確かにエチオピアにしては治安が悪そうな所です。
久しぶりに警戒モードのスイッチをONにした私たちは、写真も撮らず足早にバスステーションに向かいました。
バスターミナルに併設された場所にチケットオフィスがずらりと並びます。
ここでエチオピア各地へ向かうローカルバスのチケットを買う事ができます。
ちなみに長距離のローカルバスではまだ一度も料金を正規の金額よりも高く請求された事がありません。
ちゃんとチケットに値段が書かれているので、他の乗客と比べて確認ができて安心です。
日付が変わってハラールへ移動する日。
朝4時に起きて、4時半にホテルを出る。
昨日と同じくピアッサからマルカートに向かうバスを探しますが、時間帯が早すぎて全く走っていなかったのでタクシーを拾う。
交渉後の料金は30ブル。
ネットで調べた情報では100ブルはすると書いてあったから、安くて助かった。
チケット売場のおじさんの指示通り5時にバスステーション到着。
入口チケットを見せると、係の人がバスまで連れて行ってくれました。
首都だけあってバスステーションはめちゃくちゃ広かった。
たぶん、100台ぐらいバスが止まってたと思う。
でも目当てのバスに辿り着いたら、案の定ガラガラ。
結局バスが発車したのは6時半。
1時間半待ちでした。
そしてアディスアベバから1時間ほど走ったあたりでこの国で初めて高速道路に乗りました!
地図にもない新しい道。
ちゃんと道路の両側に柵があるので家畜たちが入ってくることもない。
すごい!快適!!
これで家畜に道を塞がれて減速する必要がなくなる。
道路の速度制限は時速100km。
しかも今回のバスのエンジンはローカルバスにしてはかなり優秀な方で、時速80kmぐらいは出てる模様。
先進国ではそんなの当たり前ですが、これは私たちが知っているエチオピアの常識を大きく覆す事態!
二人とも車内で声を出して驚きました。笑
昼食はいつも通りインジェラを食べる。
なかなか美味しいベイアイナトゥでした。
あと、このバスでは車内で全員にパンが配られました。
サービスの良さをアピールしているっぽいけど、固いし味もないし食べている人もあまりいませんでした。
それからさらに走る事11時間。
さすがにもうエチオピアのローカルバスで移動するのにも疲れてきました。
いつもは気付いたら目的地へ着いている感じなのに、今日は二人ともいつ到着するのかばかり気になって来る。
大音量で流れる単調なリズムのエチオピア音楽の中で本を読んだり寝たりおやつを食べたり。家畜を車内に乗せる人がいたり、みんながゲロを吐いていたり、ガタガタの道で天井や車の前の座席に体をぶつけたり。
最近立て続けに移動してるから、車内でやる事がいつも同じで飽きてきたのかも。。
日が暮れ始めた頃、窓の外に見えてきたのはこの赤い看板。
ハラール名物のハラールビールだ!
もう目的地は近いようです。
ハラールはイスラム教の街で16世紀から19世紀にかけてイスラムにおける「第4の聖地」とも考えられていました。イスラム教徒はお酒を飲まないはずなのに、ハラールがビールの名産地というのは不思議な話です。
そして窓の外でたくさん見かけたのが、何やら草のようなものを運ぶ人々。
この草の正体については後で分かるのですが、実はこの草はハラール、ひいてはアラブ圏を含めた周辺諸国で非常に重要な役割を果たしているのです。
そしてハラールのバスターミナルに到着したのは18時。
着いたらもう真っ暗だったけど、ここから宿探し開始。
街の中心に向かって歩き始めます。
しかし、この宿探しが移動疲れで参っていたきっこにトドメを刺す事になろうとは、この時は思いもしなかったのでした…。
▶次回:ついに限界突破。きっこがエチオピアでへこたれた日。
出発地:アディスアベバ(Addis Abeba/Ababa)
目的地:ハラール(Harar)
運賃:175ブル
発車時刻:6時半ごろ
所要時間:11時間半
daigoro
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