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06/OCT/2014 in Tulumi

今日はジンカから車で数時間、エチオピアのさらに奥地にあるトゥルミという村へ向かいます。

トゥルミへ行くバスは週に1回しか無いらしく、私たちの日程とは合わなかったのでミニバスをチャーターする事に。

メンバーは私たち二人と、イクエさんケンゾーさん、よく飲みに行っていたスペイン人二人とマレーシア人のケイン、中国人のおばちゃん。それに日本人のこれまた夫婦で世界一周しているノブくんとモモちゃん、二人とも美容師です。さらに僕は昨日倒れていたのでいつの間にメンバーに加わったのか分かりませんが、ギリシャ人とアメリカ人の女の子も一緒です。
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ジンカの村を出るときに、村の観光協会の人たちに私たちがムルシ族の村にツアーを使わずに行った事にいちゃもんを付けてきて、車の前に来て進路妨害されたり、警察に連れて行かれたりしました。

観光協会の人間がかなり怒って興奮していたので大変でしたが、マレーシア人のケインが警察に一人で乗り込んで話をつけてきてくれました。

1時間ぐらいもめた後、ようやくジンカの村を出発です。
 


トゥルミへ向かう車の中ではスペイン人のミュージシャンが笛を吹いたりして賑やかでした。
写真の左がケインです。
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今日トゥルミへ来た目的はハマル族という民族の成人の儀式を見るため。

儀式は夕方かららしいので、まずはトゥルミのマーケット行ってみました。(毎週月曜日開催)

するとマーケットの中はハマル族の人たちで大賑わい!
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カイアファールにいたバンナ族と似ていますが、よくみると身につけている衣装やアクセサリーが違います。
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ちなみにバンナ族とハマル族は比較的仲が良いそうなので、バンナ族もこのマーケットに来ていました。
 

ハマル族の女性は美人さんが多い。
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マーケットの片隅にはエチオピアの伝統的なお酒”テッジ”を置いてある酒屋さんがたくさんあり、ハマル族の人たちが飲んだくれていました。
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私たちもその横でテッジを飲みましたが、ラリベラの専門店で飲んだものよりもかなり薄かったです。高いお酒なので薄めて飲んでいるのかも知れません。
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そして、ここトゥルミの近でハマル族の成人の儀式が行われるという情報をジンカで入手していたので、チャーターした車にお願いして儀式が行われているという場所へ連れて行ってもらいました。
 

それはマーケットから数キロ離れた場所にある川のほとり。

そこにはハマル族の人々がたくさん集まり、賑やかな歌声が聞こえています。
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この異様な雰囲気の漂う場所で行われていたのはハマル族の成人の儀式への序章。

足につけた鈴をシャンシャン鳴らしながら、歌い、踊り続ける女性たち。
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そしてその傍らで化粧を施されているのは以前に成人の儀を終えた男性。
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ハマル族の男性は成人の儀を終えると、木の枝でできたムチを持つ事が許されます。
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そしてそのムチを使って、私たちの想像を超える驚くべき光景が繰り広げられていたのです!
 

ムチを持った男性に踊りながら笑顔で近づいて行く女性。
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そして男性はムチを使って女性の身体を全力で打ちます。
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バシッッツ!!!

もの凄い音がしたかと思うと、女性の身体はパックリと裂け、血が流れ落ちていました。
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衝撃的なこの行為は、儀式の間、何度も何度もそこらじゅうで行われました。

ハマル族の中では、このムチで打たれたキズが多ければ多いほど良い女だとされています。

なので、女性たちは我先にとムチを持った男性へ近寄って行き、「私を打って!」「いや私よ!!」と争います。
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バシィィッッ!!
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バシィィッッ!!

叩かれているのは何と妊婦さんです!
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次から次へとムチで打たれる女性たち。

目を覆いたくなるほど激しい音。

しかし女性たちは鞭で打たれている間、一切笑顔を崩しません。

理解に苦しむかもしれませんが、それがハマル族の美学なのです。
 

若い女性たちの中には、あからさまにムチで打たれるのを嫌がり、打たれた時も泣きそうな表情をしている子もいました。

彼女は年配の女性たちから、「もっと笑顔でやりなさい!」と怒られているようでしたが、この伝統的な行事に疑問を持ち始めている若い世代も増えてきているそうです。
 


歌い踊り続ける女性たちと、その横で響くムチの音。

異様な儀式はついにクライマックスへ。

川のほとりにいたハマル族の人々が、おもむろに同じ方向へと移動し始めます。

女性の足に着いた鈴がシャンシャンと静かに響く。
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そしてその音色に誘われ向かった先には大きな広場が。
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女性たちはさっきよりもさらに激しい踊りを始め、その横からは牛たちが広場へと連れられてきます。
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そして今日の主役が登場。
成人を迎えるハマル族の男性です。
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男性陣に囲まれ、儀式の準備に入ります。
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一世一代の儀式を前に、真剣なまなざしの男性。
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そして暴れ回る牛の準備もようやく整いました。
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ハマル族の成人の儀式はブルジャンプ(牛飛び)と呼ばれ、並べられた数頭の牛の上を、成人を迎える男性が端から端までジャンプしながら駆け抜けます。

それを牛から落ちる事なくやりおおせたら、無事成人として認められるのです。
 


いよいよ始まるブルジャンプ。

気迫と不安が入り混じった表情。真剣です。
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ちなみに、ブルジャンプをする男性は肩からかけているタスキのようなもの意外は何も身に付けていません。
 

そして牛たちが落ち着いてきたタイミングを見計らって、助走を付けてジャンプ!!
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牛の上をピョンピョンと器用に飛び越えて行きます。
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これを数回繰り返し、見事成功。

成人の証であるムチをもらい、周りの男性からも讃えられ、ご満悦の表情です。
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儀式が終わるとハマル族の人々はバラバラと自分たちの家のある方へと去って行き、あっという間に広場には誰もいなくなりました。
 


数時間に渡って行われたハマル族の成人の儀式。

あまりに衝撃的だったのであっという間の出来事のように感じました。

誰もいなくなった広場にいると、夢でも見ていたのかと思うほど。

でもそこには女性たちが身にまとっていた牛の皮の匂いや遠くから聞こえる鈴の音が確かにありました。

今でも写真を見るとその匂いや音を思い出すほど鮮烈な儀式。

見るのに見学料を払わないといけなかったり、観光客がわんさかいたりと、ツーリスティックな一面もあり賛否両論あります。

でも儀式を行っている人たちの大多数は観光客には脇目もふらずに真剣そのもの。

私たちにとってはとても印象深い体験になりました◎
 


P.S.

実はこの日、きっこの誕生日でした。

僕は病み上がりだったということもあり(言い訳)、完全にその事を忘れていて、次の日にきっこ自身から言われるまで気付きませんでした。

きっこ。本当にごめん。
 

ちなみにこの件は、1ヶ月後のある出来事をきっかけに許してもらう事ができました。

でもその話は長くなるので、また後ほど、このブログで。笑
 



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