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25/OCT/2014 in Kigali

今日は一ヶ月に一度のルワンダの特別な日。

国民全員が働くことを許されず、車に乗って移動することも許されず、とある事をしなくてはいけない日。

政府によって定められた日。
 

その名も”ウムガンダ”と呼ばれる日に国民全員で行うある事。

それは”掃除”

ルワンダはアフリカのシンガポールを目指しているそうですが、ここまでやるのならあながち不可能ではないのかもと思わせるほどです。

という事で今日はそんなルワンダの国民的行事が行われた日のキガリでのお話です。
 


 

どうも今日は朝から調子が悪い。

頭が熱っぽい、というかかなり熱がありそう。

アフリカ滞在中は「発熱=即病院」と決めていたので、重たい体を起こして宿の外へ出ると、そこにあったのは驚きの光景。
 

昨日まで凄まじい交通量でごった返していた大通りに車が一台も走ってない!!

ていうか昨日まであれだけ走りまくってたチャリタクとバイタクは???
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ちなみに昨日の同じ時間の同じ場所はこんな感じでした。
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それが突然この有様。
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バスに乗りたいのに車どころか人もほとんどいなくて愕然。。

そういえば協力隊の俊輔くんが月末に大掃除があるって言ってた気がする。。
 

呆気に取られながらも抜け殻になった街をよくよく探してみると、チラホラ人がいた。

近づいてみると全員ほうきを持って…掃除してる!!
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こっちも!
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こっちでも!!
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これまでの滞在中も綺麗好きの国民性をまざまざと見せつけられてきましたが、ここまで本気だったとは。。
 


驚きを隠せず呆然としていた私たち。

でもこれが国民的行事だろうが政府の命令だろうが、病院へは何としてでも行かせて欲しい。

”ごめん掃除中に…”と言って数人に聞いてみましたが午後になるまでバスは無いらしく、「バイタク・チャリタクも絶対に来ないよ!」と言われてしまいました。

半分分かってて聞いたんだけど、やっぱりだめっぽい。。
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こうなってしまってはどうしようもない上に、無駄に歩き回ったせいで熱は上がる一方。

だんだん頭がフラフラしてきたので、うつむいて道端に座り込んでしまいました。

”ごめんきっこ。後は任せた。”

そう言うときっこは、”任せたって言われても。。” と言いながら向こうの方へと歩いて行きました。
 


そして数分後。

”だいごろ!車見つかった!!”

え?車?どこ??

そう思って顔を上げると、そこに停まっていたのは一台のパトカー。

なんときっこは街を巡回していたパトカーをヒッチハイクして来ていました。笑

”えっ?これパトカーやん!!”

驚いて聞いてみると、パトカーに乗っていたお偉いさんにお願いしたら、僕が病気だしウムガンダ中という事で特別に乗せて行ってもらえる事になったそうです。
 


助手席に二人で乗り込むと、掃除をしている街の人が訝しげな表情でこっちを見てくる。

僕たちが連行されていると思ってるのかな?
 

パトカーにはドライバー1人と、後ろの荷台に銃を持った警官が1人。

”写真撮ったら怒られるかな??”

テンションが上がっている僕ときっこは車の中でそんな相談をしていましたが、座席の横に手錠が転がっていたのを見てやめました。笑
 


そして警察の人はわざわざパトロールルートとは関係ない私立病院の前まで乗せて行ってくれました。

お礼を言って車を降りると、病院はビックリするほど綺麗!
これまでスーダンやエチオピアでかかった病院とは雲泥の差だ。
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でも綺麗なだけあって医療費はかなり高額。

診断料が16,000Frw(約2500円)で、それにさらに血液検査や薬代が追加され、合計で大体50,000Frw(約8000円)ぐらい。日本で暮らしていた私たちですら、海外旅行保険に入っていなければためらうぐらいの金額。

医療費は保険証を持っていれば50%負担されるらしいけど、それでもかなりの高額。確実にお金持ちしか来れない病院です。
 


先に血液検査をしてからドクターの部屋へ呼ばれると、検査結果は問題なし。

炎症を起こしているだけで、全ての病気の初期症状とも言えるし、ただの疲れかもしれないとの事でした。

なので炎症止めだけもらって経過を見る事になりました。
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診察結果を聞いて安心して帰ろうとすると、どうもドクターが私たちに興味心身らしく、職業や出身地などについて次から次に質問攻め。

しまいにはシンジカガワは好きか?私はマンチェスターユナイテッドの大ファンなんだという話に。

そういえば今日はスペインリーグの伝統の一戦[エル・クラシコ]が開催されるはずだったので、

”クラシコは今日の何時から?”と聞いてみると、

「すぐ調べるからちょっと待って!!」と言って、ドクターは慌ててパソコンでネットサーフィンを始め出した。笑
 

そしてしばらくして、「試合は今日の夕方6時からだ。」と教えてくれました。

「ちなみに君はどっちをサポートしてるんだ?」と聞かれたので、”バルセロナ”と答えると、そこで突然彼の顔色が変わりました。

少しの間沈黙が流れます。
 

そして、彼はまるで重傷の患者に余命があとわずかな事を伝えるかのように十分な間をとってから、重たい口を開きました。

「私はマドリードだ。」

”…”

「そして今、この時点から私と君は敵同士。だから今日の診察はもう終わりだ。じゃあ。」

そう言って彼はカルテを閉じて診察を終えようとしましたが、僕はすかさず

"クラシコの前に処方箋だけはちょうだい"と言うと、

彼は笑って処方箋を書き、「今日、ルワンダ時間の午後6時。サンチャゴ・ベルナベウ(レアルマドリードのホームスタジアム)で会おう。」

と言ってくれたので、僕は”もちろん!”といって診察室を後にしました。
 


処方箋を持って薬局で薬を買って飲むと、直ぐに体調は回復し始めました。

でも以前エチオピアで低血糖になって倒れた事があったので、念のためにメントスを買って糖分補給。

と思ったら、メントスがマトリョーシカみたいになってました!
なんだこれは??!
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夕方になるとようやく車通りが増えてきました、

と思ったらなんだこれ!
どうなってるの??!
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ルワンダ…。

なかなか先が読めない国です。
 


そしてドクターとの約束通りBARでクラシコ。
病み上がりなのにかなり盛り上がってしまいました。
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試合が終わり街へ出て気付いたのは、道路に埋め込まれたライト。
アフリカに入ってからこんなの見たの初めてです。
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まだまだ至らない所はたくさんあるけど、本当にアフリカのシンガポールになりそう!と思ってしまうのは僕だけでしょうか?

 


という事で月に一回ルワンダで行われる国民的行事”ウムガンダ”。

くれぐれもこの日だけは体調を崩さない事をお勧めします。笑
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