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18/AUG/2014 in Wadi Halfa

長い長い船旅が終わり、ついにスーダンに足を踏み入れた。

一斉に荷物を降ろしだす人たち。
冷蔵庫とか洗濯機とか、大型家電も次々と紐で吊るされて降ろされていきます。
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やっぱりすごい暑さ。40度は軽く超えていたと思う。
辺りを見渡すと一面茶色い砂の世界。
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周りの人の肌の色が黒くなった。
服装もエジプトとは全然違う。
男性は白い帽子と白いワンピースの人が多い。
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女性は頭を布で隠しているのはエジプトと同じだけど、エジプト人女性は服装は肌は出していなければ自由で長袖シャツにジーパンの人がいるのに対し、スーダンの人は頭から足まで覆い尽くす大きな布を巻いている。
スーダン人の方が圧倒的に厳格なイスラム教徒であることが分かる。
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エジプトとスーダンの国境は直線。
ヨーロッパが植民地支配してた時に決めたただの線。
だから、文化は徐々に混ざりあってエジプトからスーダンになっていくと思ってた。

でも、国境を越えたるとその差は一目瞭然。
見た目も文化も、全然違う。
サハラ以南のブラックアフリカに突入したことを肌に感じた。
なんでだろう。サハラ砂漠の厳しい自然が作った境界線と、ヨーロッパが引いた国境線がうまく一致したのかな。
フェリーじゃないと国境を越えられない不便さが、国境を明確にしてるのかもしれない。


ところで、アスワンから乗ったフェリーには外国人(エジプト人とスーダン人以外)が私たちの他に二人。

一人はこうう君。
中国国籍だけど、生まれも育ちも日本で中身は日本人。
大学2回生で、夏休みの2ヶ月を利用してアフリカ縦断。
英語も流暢だし、すごくしっかりした男の子。
心配性のお母さんの反対を押し切って、アフリカまでやってきました。
普通のバックパッカーは4ヶ月ぐらいかけて縦断するので、その倍の速度で縦断。かなり弾丸です。
この写真の緑のバックパックの男の子です。
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もう一人はドイツ人のRue。
クラウド関連の事業を運営する傍ら、長期旅行では自転車で大陸横断。
とある休暇で自転車で行けるところまで走って、その次の休暇でその続きからまたスタートするという。変わってます。笑
そんなRueのWebsiteはこちら
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実はこの二人、ほんとはこのフェリーの一個前のフェリーに乗りたかったんだって。
私たちと同じようにまずは一週間前にチケット予約しようとしたけど売り切れて予約できず、さらに当日キャンセル待ちをしたけど、女性の数名が買えただけでチケットは売り切れ。
臨時便もなかったので、丸々2週間足止めをくらってしまった。

二人とも短期旅行者なので一週間のダメージが半端ない。
こうう君はルワンダ・ウガンダ行きを諦め、Rueはスーダンの一部の行程をバスに変更。

私たちは何とか当日チケットが買えて、ほんとにラッキーだったみたい。


フェリーを降りるとまず通関で荷物チェックを済ませます。
奥の倉庫みたいな建物がそれ。
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そして乗合バスでワディハルファの村へ。
もちろんRueは自転車で向かいます。
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村に着くとすぐ両替できました。
フェリー降り場では両替屋さんがいなかったので、手持ちのエジプトポンドが両替できずに残ったらどうしようと心配してたけど杞憂に終わりました。
スーダン側はエジプト側やフェリー内よりも、両替レートが良い。
100エジプトポンド=125スーダンポンドでした。

スーダンは公式レートよりも闇両替した方がレートがいい。なので、銀行などには行かず、闇両替屋さんを探すのが旅行者にとっては一般的です。
闇両替屋さんと言っても、堂々と話しかけてくれるので簡単に見つかります。
ちなみに、スーダンは海外のキャッシュカードやクレジットカードが使えない国。アメリカからの経済制裁を受けているので、VISAやMasterCardを初めとするアメリカの会社のシステムを導入することができない。
旅行者にとっては、両替するしか方法がない国なのです。

 

両替が終わると今度は宿探し。
通りすがりのヒッピー風の欧米人がおすすめしてくれた宿に向かいます。
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4人部屋で一人25ポンド(約280円)。
エジプトよりもコストパフォーマンスが下がってる。
トイレ・シャワー共同でこの値段。トイレはスーダンに入ってからアラブ式(和式に似たやつ)になりました。

それにしても室内が暑過ぎる…。
虫除けのために、アルミシートを敷いて昼寝していただいごろ。
汗がシートの上にびっしゃり溜まっていました。
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それから、レジストレーションへ。

スーダンを旅する人にとってめんどくさい&よく分からない手続きがレジストレーションとパーミッション。

レジストレーションは外国人登録のようなもの。外国人は入国後72時間以内(エジプト人は1週間以内)にレジストレーションを済ませないといけません。
お値段320ポンド(約3600円)で前情報より大幅に値上げされていました。
ビザ代50ドルに加えてこの出費。
多くの旅人がスーダンを飛ばしてエチオピアに行く理由も頷ける。
レジストレーションを避けるために、72時間以内にスーダンを脱出する人も多いです。

パーミッションは旅行許可のようなもの。各滞在先で取ることになっています。
こちらに関しては宿の人の指示通りにしていれば問題なかったし、パーミッションなしで泊まった宿もありました。
ハルツームでは自分たちでパーミッション取りに行ったけど、誰からも確認されることもなかったし、特に必要なかったな。
詳しくはハルツームの記事で書きます。

 

さて、町の人に聞いてまわって無事レジストレーションの手続きができるオフィスに到着。
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VISAのページと顔写真のページのコピー、写真、お金を払って、入国書類みたいなものを書いて、あっちこっち歩き回ってレジストレーション完了。
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これが領収書です。
アラビア語で308ポンドと書かれています。
308ポンド+印紙12ポンドで合わせて320ポンド。
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スーダンはボラない国と聞いていたけど、このレジストレーションでは最初340ポンドと言われ、本当は320ポンドなので20ポンドずつ高く要求されていました。
Rueが領収書にアラビア語で書かれた値段がおかしいと気付いて怒ったお陰で取り返せた。
やれやれ。


レジストレーションを終え宿に戻ると、自転車で汗だくのRue。一番にシャワーを浴びます。
そしてシャワーを終えて一言。

「今までの人生で一度も、シャワーからお湯が出ることが不満だったことはなかった!」

タンクに溜まった水が、天然の熱々のホットシャワーになっていたようです。
40度越えのこの暑さでホットシャワー浴びたい人はいない。笑

 

宿でゆっくりしていると、猛烈におなかが減ってきた私。
朝ごはんもおやつで食いつないで、お昼も抜きでもう15時ごろ。
食べ物を求めて出かけてみるけど、レストランでごはんを食べてる人は誰もいない。
というか人がいない。
みんな暑すぎて日陰で寝てるみたい。

仕方ないのでジュースを買って帰る。
1本3ポンド(約35円)。疲れを癒す甘さとのどを通る冷たさが心地よい。
たぶん普段飲んだらびっくりするほど甘いんだろうな。
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ジュースを飲んだら、空腹のまま夕方までがまん。うう。


宿に戻ると、道端で変なごはんを作ってる人がいた。
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こんな木の棒でまぜまぜ〜
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あと、これはアイロン。
木炭を中に入れて使う。初めて見た!
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夕方になると、メッカの方向を向いてお祈り。
さすがイスラム国家です。
いつも思うけど、膝とか腰とか痛めそうで大変そう。
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日が沈んでから、みんなで待望のごはんを探しに出かけました。

料理の名前も何も分からないので、厨房に入って見せてもらいます。
そして見つけた今日の昼食兼夕食はこちら!
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トマトやナスの中にひき肉とごはんが詰めてある。
味付けはマイルドで私たちの口によく合いました。
あとはエジプトでも食べたファラーフェルサンド。

サハラ以南に入り、手で食べるごはんデビューです!
慣れればこっちの方が美味しいかも。
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でも、残念なことに時折砂がジャリッ、ガリッ、と口の中で音を立てます。

これだけ砂まみれの環境では砂なしで調理するのも難しいんだろうな…。
砂さえなければなぁ。美味しいのになぁ。残念。


夜になると、みんなお茶屋さんに集まってゆっくりしていました。
イスラム教の国なのでお酒の代わりのコミュニケーションです。
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スーダンのお茶屋さんは、紅茶の葉、ハイビスカスの葉の他にも香草みたいなものがずらり。
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お茶屋さんはスーダンの国中どこにでもあって、ちょっと広い駐車場とか広場とか河原とか、必ずと言っていいほどお茶屋さんがずらりと並んでいました。
エジプトだったら水タバコやタバコのところ、お茶屋さんなのがスーダンの穏やかさを象徴しているようでした。

ビリヤードをしている人もいました。
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部屋に帰って寝る準備。
室内は暑すぎるので、みんな部屋の外にベッドを並べて寝ることにしました。
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ほんと、この暑さでは何をするのも大変。
例えば作物を育てるとき同じように種を植えたとしても、スーダンの方がはるかに暑いから種植えに必要な労力はスーダンの方が日本よりよっぽど多いし、水やりの回数も圧倒的に多くないと育たない。水場からの距離も遠い。
同じことをするにしても暑さのせいで不利なことが多過ぎる。
生きていくだけで大変な国。


翌朝、自転車旅人Rueに別れを告げ、私たちはこうう君と3人で次の目的地であるカリマへ向けてバスに乗り込んだのでした。
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