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11/AUG/2014 in Luxor

ナイル川の西岸は太陽が沈む方角。
そのため死んだ者たちの為の場所と考えられていました。
東側のカルナック神殿やルクソール神殿が実際に使われていたのとは対象的に、
西側には王の墓や葬祭殿(王の死後のための神殿)があります。
 

今日はそんなナイル川西岸を訪れる為、ホテルで手配したツアーで向かいます。
一人35ポンド(約500円)で、移動とガイド込。
 

王家の谷

ここは古代エジプト王の墓が集まっている場所です。
ここにあるすべての墓は、新王国時代に岩を掘って作られたもの。

盗掘を防ぐため地中深くに作られていますが、
一人の王を除く全ての王の墓は盗掘を免れることはできませんでした。

唯一盗掘を免れたのはかの有名なツタンカーメン王の墓。
彼は早逝し、墓が比較的質素だったので盗掘に合わなかったと言われています。
ツタンカーメンの墓の金銀財宝は今すべてカイロの考古学博物館にあります。
 

私たちの宿からバスで30分ほど走ると王家の谷の入口に到着。

王家の墓は大きな山の麓にあって、この山はピラミッドを象徴していると言われています。
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王家の谷の模型。このような谷の地下に、まるでアリの巣のように墳墓が掘られています。
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私たちが訪れたのは、ラムセス9世、メルエンプタハ、ラメセス3世の三つの墓。

写真撮影は禁止なので写真はありませんが、何より驚いたのが墳墓内にある壁画の色の鮮やかさ。
黄色、赤、青、茶色、全ての色が当時のままの色合いで残されています。
3000年も経つのに、その色合いはまるで数年前に塗られたかのよう。
死後の船の絵や神々の絵、空想の生き物など、はっきりと描かれていました。

そしてここにある王の墓は全て未完のまま。
王がいつ死ぬか分からないので、死ぬそのときまで作業は続きます。
墓の入口付近は丁寧に装飾されているのに、奥に入るに連れ装飾が減り、
石櫃のある部分は岩をただ削っただけ。
どんどん質素になっていった先に、棺があります。

奴隷たちの扱いは酷かったんだろうとは思うけど、こうやって何千年も残る作品を作れるっていいなぁ。
と、名も無き作者たちに思いを馳せるのでした。
 

亡き王のための神聖なこの場所。
当時の奴隷たちが、こうやって観光客に墓が踏みにじられている現状を知ったらどう思うだろう。
 

ハトシェプスト女王葬祭殿

こちらが、ハトシェプスト女王の葬祭殿。
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この葬祭殿の殆どは後になって再建されたもの。
今は三階建てですが、発掘当初は一階以外はほぼ原型を留めていませんでした。
修復する前の写真を見たけど、そっちの方が趣があってよかったと思うのは気のせい?
 

ハトシェプストはエジプトの王朝で唯一の女王。
女性だけど、なめられないように男性の格好をしていたそう。
彼女の像も男性の像と同じくあご髭がついています。
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だいごろが下痢下痢で調子が悪く写真ではうまく撮れませんでしたが、内部には壁画があって近隣の国々と貿易した様子が描かれています。
それと、ハトシェプストの後継を狙った者の手によって、この神殿の壁画にある女王の姿だけが綺麗に消されている部分もたくさんありました。
 

ちなみに、ここは1997年、日本人10人を含む63人がテロによって殺害された場所でもあります。
ガイドに言われて初めて知りました。
そういえばそんな事件もあったような…。
 

ラムセス3世葬祭殿

次に向かったのがラムセス3世の葬祭殿。
ここが一番凄かった。

入口からして圧巻です。ほんとにめちゃくちゃでかい!
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壁画には権力を示す為に戦いの彫刻が。
ラムセス3世が敵を懲らしめている絵と、そのときの戦いの記録がヒエログリフで書かれています。
右側に立っているのが神。左側がラムセス3世で、彼が倒そうとしているのが敵。
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天井などの壁画やヒエログリフには当時の色が残っているところもあります。
綺麗です。
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右上の方にぐちゃっと山になっているのが、敵の腕。左下の方は敵の舌。
これも、王の権力を表すための絵です。
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柱が切られているのは風化したためではなく、他の建築物で再利用されたためと考えられています。
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後で名前を書き換えられないように、深く深く彫られたヒエログリフ。
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メムノンの巨像

写真は帰路にみたメムノンの巨像。
これは神殿の入口に立っていたと言われています。
今はもう神殿は跡形もありません。

散々遺跡を見た後だったので、5分ぐらいだけ見てからすぐにエアコンの効いた車内に撤退しました。笑
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そして、私たちは生者の暮らす東岸へ戻り、マンゴージュースに舌鼓を打ち、涼しいホテルのベッドで惰眠を貪るのでした。



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