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22~23/JUL/2015 somewhere in Iran

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雨が降り続けるイラン西部の山奥。
太陽が山の向こう側に沈み、白んだ空の色がグレーへと変わっていく。

サルアガセイエッドという村へ向かう道中で知り合ったアスカルという男性。
彼の家に行くために途中でバスを飛び下りたはいいものの、辺りには険しい山々と雪解け水が流れる小川だけ。
日没後の山道には車通りがない。それどころか人の気配すら全くない。

さっきまでこの近くにいたはずのアスカル。
でもたったの20分ぐらいの間に山の中へと消えてしまった。
僕たちが知っているのは彼の名前だけ。
一度別れてしまった彼と連絡を取る手段はもうない。

”今日はここで野宿するしかないかな…。”
きっこがつぶやく。

日が暮れてしまった上に移動手段もない今の僕たちにはここに留まる以外の選択肢はなかった。
雨の降る山奥。まだ山に雪が残っているということは、夜は相当冷え込むだろう。
しかもバスに乗った時点で今日はサルアガセイエッドまで行ける予定だったから、食料を何一つ持っていない。

こんなところで野宿…。
考えたくもなかったけど、ぐずぐずしていたら真っ暗になってしまう。
幸いテントと寝袋は持って来ていたので、急いでテントを張れる場所をさがそう。
 


雨風をしのげそうな場所を探しながら2人で山道をさまよっていると、きっこが言いました。

”今、声が聞こえた!”

え?

”また聞こえた! あ、山の上に誰かいる!”
 

きっこが指差した丘の上を見ると、遠くの山の上で少女が手招きをしていました。

もしかしてアスカルの家族や知り合いかもしれない!
急いで崖を登ります。

でも雨でぬかるんだ斜面に足を取られてなかなか進まない。
と思っていたら、さっきの少女が下まで降りてきました。

”アスカル・アブドラヒ?”

バスでアスカルからもらったメモを見ながら名前を読み上げます。

すると少女は頷き、きっこの背負っていたバックパックを指差しました。

”持ってあげるって言ってるみたい。”

きっこがバックパックを渡すと少女はサンダルしか履いてないのにスタスタと山道を登り始めました。
僕たちも急いでついていきます。
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何度も僕たちの方を振り返りながら登っていく少女。
ようやく丘を登り切り山の尾根が見えてくると、そこには他にも人影がありました。
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その尾根の向こうにはなんと少女たちが暮らしているテントが!
道路からは全然見えないこんなところにあったなんて!
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テントの周りには毛むくじゃらのヤギがたくさんいます。
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テントの中へと手招きする家の人たち。

言われるがままに中へ入ります。
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家の入り口では火が焚かれ、鍋の中で何かがぐつぐつと音を立てていました。
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テントの中はびっくりするほど広くて、下にはペルシャじゅうたんが敷かれています。

僕たちを迎えてくれたのはさっきの少女と、少女とは別の女性と、おじいちゃんとおばあちゃん。
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それに女性の子供の男の子と、
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女の子。
子供好きのきっこにすぐになつきました。
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女の子が持っているのは、僕たちがイタリアのクレモナでお世話になったミナから貰った花のぬいぐるみ。
きっこがバックパックに付けているのを見て女の子があまりにも気に入ったので、あげることにしました。
大喜びです。
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しばらくすると、家族と思われる若い男性がやってきました。
この男性が英語の単語をほんの少しだけ知っていたので、彼に通訳代わりになってもらって家の人たちと話します。
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家の人たちはシャイを入れてくれて、雨でぬれていた僕たちに毛布まで用意してくれました。
テントは屋根の部分だけで側面は全部吹きさらしですが、石を積んで風防を作ってあるのでそれほど寒くありません。
何より、これまで誰もいない山道でさまよっていたので、人の温かみを感じます。

そんな家族と1時間ぐらいコミュニケーションして分かったのは、ここはアスカルの家ではないという事。
ここの人たちはアスカルの親戚で、この若い男性がアスカルの兄弟かいとこ。
女性と子供たちは、この若い男性の家族。さっきの女の子と若い男性が兄妹のようです。

「外は寒いから今日はここに泊まっていけ。」
話の途中で男性はそう言ってくれました。

迷惑かもしれないけど、外でテントなんて張ったら寒くて凍えてしまう。
ここは素直にお言葉に甘えることにしました。
 


みんなと楽しく話していると、おばあちゃんとお母さんが夕ごはんを用意してくれました。

え?ごはんまでもらっていいの?
僕たちが戸惑っていると、「早く食べて!」と言ってきます。

出てきたのはこんな料理。
スパイスで焚きこんだライスと、生玉ねぎと、ヤギのチーズ、
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それにイランでいつも食べている薄いパン。
パンは家の前でおばあちゃんが焼いてくれたものです。
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飲み物はヤギのミルクで作ったヨーグルト。
さっき家の周りにいたヤギから採ったものです。
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日が沈み切って空が完全に真っ暗になったら、テントの中にランプの明かりが灯りました。
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こんな小さな火があるだけで暖かくて、心も落ち着きます。
そして家族の笑顔とぬくもり。

今日は極寒の山岳地帯で野宿かと思っていたから、その暖かさに心の奥がジーンとします。
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ご飯の後は、家の人たちに折り紙を折ってプレゼントしました。
おばあちゃんもお母さんも女の子も大喜びです。
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すると、突然男の子がぐずって泣きはじめました。

どうやら女の子だけ花のぬいぐるみと折鶴を貰った事に嫉妬してしまったみたい。
急いでカエルの折り紙を折って渡しますが、全く機嫌が良くなりません。

家の人は放っておけと言っていますが、何とかならないかなぁ。
しばらく考えていると、ザックの奥底に眠っているあるものの存在を思い出しました。

それがこれ!地球儀ビーチボール。
1年前にブラジルのマナウスにいた時に、雑貨屋さんを営んでいた日系中国人の方にいただいたものです。
僕がお店でビーチボールを物欲しそうに見ていたら、不憫に思ったのか無料で譲ってくれました。笑
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そのボールで男の子と遊んであげると大喜び。
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あまりにも楽しそうだったので、小一時間ほど子供たちとドッジボールをして遊びました。
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機嫌がなおってよかったよかった◎
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子供たちが疲れ切って静かになったらお休みの時間。
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今日はここで家族7人と僕たち2人の計9人が横に並んで一緒に寝ます。

夜は寒いからと家の人たちが僕たちに毛布を2枚ずつ分けてくれました。
本当にいいの?と何度も聞いたけど、自分たちは慣れてるから大丈夫と言ってくれました。
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月明かりに照らされてうっすらと浮かびあがる山のシルエット。
遊牧民の家族たちが暮らすテントから漏れる暖かい光。
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テントの中で家族の人たちと一緒に絨毯の上に横になります。

お母さんの毛布に潜り込む子供たち。
僕たちの代わりに皮のコート一枚で眠るお父さん。
夕食の片づけを終えてテントに戻ってきたおばあちゃん。

おじいちゃんが明かりを消すと、静かな静かな夜が僕たちを包んでいったのでした。



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