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25/JUN/2015 in Serbia

ハリウッド映画のロケに合流した次の日の朝。
僕たち二人にはあまりにも不釣り合いな、ダブルベッドが3つも並んだホテルの部屋で起床。

起きてみて改めてビックリです。
なんだこれ!笑
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レストランの謎。

今日はいよいよ映画の撮影日!

ホテルには朝食がついているので、レストランへ。
僕たちみたいなエキストラにも朝食をくれるなんて、さすがハリウッドです。笑

レストランのテーブルに座るとメニューを渡されたので『ベーコン入りのスクランブルエッグとコーヒー』を注文。
隣のテーブルには、他の日本人のエキストラも座っていました。

”ちえみ”と”ふじまり”、仲良しの女の子二人です。

”ちえみ”はオランダ在住のダンサーで、音楽祭の為にルーマニアに来ていてダンスの作品造りをしているそう。
僕たちの地元神戸に住んでいた事もあるちえみ。彼女の波瀾万丈の人生談は最高だったなぁ。
”ふじまり”は日本や海外で声や歌の仕事をしていて、ちえみと同じルーマニアの音楽祭やその他の仕事でセルビアに来ているそう。
なんと僕たちが住んでいた京都のバスの音声は彼女の声なんだって!

それにしても、二人の話は面白すぎる!
年齢は同じぐらいなのに、僕たちが想像もできないような経験をしてきてる。
フリーランスの生き方って、やっぱりすごいなぁ。
 


しばらくすると、レストランのおじさんが料理を持ってきました。
でも何故か『目玉焼きみたいなのにトマトが乗った料理とホットミルク』が出てきた。
頼んだのと全然違うやん!!笑

”え?こんなの頼んでないけど。”
とおじさんに言うと、英語が通じない。

仕方ないのでさっき注文の時に使った英語のメニューを指差すと、おじさんは厨房へと帰って行きました。

そしてしばらくして戻ってくると、今度はまたスクランブルエッグとは違う料理を持ってきました。コーヒーは通じたみたいで持ってきてくれたけど。どうなってるの…。

それを見ていたちえみとふじまりは、「昨日もここで食べたけど、何回頼んでも違うのが出てくるの。」と言っています。

なにそれ?どういうこと…?笑

あまりにも不可解だったので、メニューの写真を撮っておきました。
この後、昨日知り合ったセルビア語がペラペラの日本人”たつや”と散歩に行く約束をしていたから、その時に聞いてみよう。
 

まさか!!きっこの役がなくなった…。

今日は夕方の5時に集合。
昨日乗せてくれたドライバーによると、夜の7時ごろから明日の明け方まで撮影があるそうです。

朝ごはんを食べてからホテルの部屋でゆっくりしていると、「話すことがあるから」とネマニャに呼び出されました。

なんだか嫌な予感がします…

無事合流できたとは言え、まだ僕たちはちゃんとした契約もしていない状態。
ただのメールのやり取りと口約束しかしていない。

もしかして…
 

呼び出されたカフェに二人で行ってみると、待っていたのは神妙な面持ちのネマニャ。

「悪いニュースがあるんだ。君じゃなくて、きっこに。」

”やっぱり。”
…この時きっこはそう思ったそう。
 

「今日のきっこの撮影はなくなった。」

”なくなった…? 明日は?!”

「これから先の予定もまだ決まっていない。あるかもしれないし、ないかもしれない。」
 

ネマニャの話しによると、きっこが演じる予定だった幽霊は不要になったとのこと。

”ちえみ”は何とか今日の役が与えられたみたいだけど、同じホテルに泊まっている”ふじまり”も役がなくなってすごく落ち込んでた。
 

でも、後になってまだこれでも自分たちはかなりラッキーなんだと知った。

実は今回招集された幽霊は最初はもっと多かった。
何十人もの人がセルビアに呼ばれ、いざロケと合流するという段階になってキャンセルされていた。中には航空券を既に取ってしまった人もいて、いろいろもめているみたい。

僕たちの場合は何度も何度も予定の変更の連絡が来て、その度に役をキャンセルされるんじゃないかとすごく不安になったけど、こちらの希望は全く伝えずに何とかして融通をつけるとネマニャに言っていたから、きっとそれがキャンセルされなかった理由だと思う。

でも…
最後の最後できっこの役がなくなってしまった。
 

今、この映画の撮影はかなりの終盤。
あと1週間でセルビアでの撮影が終わる。
多分もうきっこに役は回って来ない…。

でも当のきっこは意外と冷静で、「だいごろの撮影日に現場を見ることはできると思うし、自分の役がなくなったとしてもこれはこれで良い経験だから」と、気にしていない様子でした。

僕が逆の立場だったらすごく落ち込んでいただろうなぁ。
 

セルビアの知られざる絶景スポットで絶品ランチ!

ネマニャからそんな重大報告を受けた後。
夕方から始まる僕の撮影までに時間があったので、昨日約束していた日本人エキストラの”たつや”と3人で散歩に出かける事にしました。

たつやは紆余曲折あってセルビアに来る事になり、今はセルビアの大学で働いているそう。
昨日の衣装合わせの時もビックリしたけど、たつやはセルビア語がペラペラです。

そしてホテルから3人で歩いて向かったのはこんな場所。
美しい山並みにエメラルドグリーンの川が流れる超絶景スポット!
セルビアの知られざる大自然です!
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今日はそんな絶景が一望出来るテラス席のあるレストランでランチです。
たつやオススメのセルビア料理をたくさんオーダー。食べきれないくらい出てきました。
肉や魚、絶品のスープもあったけど、クリームチーズがめちゃくちゃ美味しかったなぁ。
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セルビア料理に詳しいたつやが一品一品料理を解説してくれるから、食べるのも楽しい。
この辺りの名物料理の鱒もお腹いっぱい食べました◎
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”そうそう、今朝こんな事があったんだけど…。”

そう言って、たつやに今朝写真を撮っておいたホテルのメニューを見せます。

”セルビアの横に英語で説明が書いてるけど、何回頼んでも違う料理が出てきた。なんでかな?”

「ああ、これセルビア語の横に書いてある英語の説明がほとんど間違ってますね。笑」

”え?!そんな事ってある?!!”

「はい。全部じゃないですけど。」

なんと、まさかのセルビア語から英語への翻訳ミス!
そりゃあ、メニューを指差して頼んだら、何回やり直したって頼んだ料理が出てくる訳がない!!

まあ何はともあれ、これで謎が解けてすっきりした!
明日からはまともな朝ごはんにありつく事ができそうできそうです。笑
 

でも、たつやの話を聞いているとやっぱり僕たちのホテルは部屋も食事もしょぼいみたい。
たつやの泊まっている向こうのホテルの朝ごはんはビュッフェだし、ホテルも断然きれい。

やっぱり、貧乏ヒッチハイカー向けの待遇だったのかなぁ…。
まあ、それでも僕たちには身に余る贅沢なので良しとします。笑
 


そして美味しいご飯を食べているこのレストランの下には、さらなる絶景が待っていました。

それがこれ!!
写真家の間では有名な場所だそうです。
言われてみると、どこかで見た事ある気がする!
でも、まさかこんなセルビアの山奥にあるなんて!
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ご飯も美味しかったし、景色も最高だったなぁ。
たつや、誘ってくれてありがとう!!
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そして今から数時間後。

いよいよ映画の撮影が始まります!!

つづく



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