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15/JUN/2015 in Meteora

今日はいよいよあの場所へ!
キャンプサイトでもらった地図(?)を頼りに出発です。

地図のイラストには不思議な形をしたたくさんの岩と、そのてっぺんにある十字架がついた建物。
そうです。メテオラです!
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この岩場に9世紀ごろから修道士が修行のために住み着き、14世紀前半から修道院が作られてきました。
14世紀後半から、イスラム教のオスマン朝がこの地域一帯を支配した時にも、このメテオラは活動が認められていたそうです。
 

天空の修道院への道。

キャンプサイトの前からバスが出ていたけど、結構高かったので歩くことにしました。
歩いた方が修道士の気持ちに近づけるからいいよって、宿で出会った人も言ってたし。

近くのパン屋でお昼ごはん用のパンを買って、いざトレッキング開始!
でも砂糖がかかっただけのめちゃくちゃマズいパンだった…ショック。
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気を取り直して、岩のそびえ立つ方向へ住宅街の中を歩きます。
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山道に入り少しずつ岩に近づいてきます。
でも頂上まではまだまだ。
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遠くの岩の上には修道院が見えています。
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かつて修道士が歩いていた道を進みます。
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これは途中で出会ったカメ。
なんかこの道にはやたらカメがいました。
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さらに山道を歩きます。
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道の途中にあった小さなほこら。
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他にもいくつかあって、中にイコンがまつられたものもありました。
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さらに歩くとだんだん岩山に近づいてきて…
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見えてきました!
断崖絶壁に建つ修道院!奥には険しい山々。
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こっち側にも!
ほんと、よくこんなところに作ったなぁと感心してしまいます。
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観光地されゆく修道院の今の姿。

そしてさらに山道を進んで行くと、修道院のひとつに辿り着きました!

ここはヴァルラアム修道院という名の修道院で、今でも現役の修道院として使われています。
写真に写っているのは物資を運ぶ滑車。
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今は電気の力で引っ張り上げていますが、かつては人力で引っ張り上げていました。
しかも、修道士もバスケットに入って運ばれていたそうです!

かつては命をかけて修道院に辿り着いていた修道士たち。
でも今はきれいな道が整備され階段ができ、誰もが簡単に来れるようになってしまった。
ここが聖地だったのは遠い昔の話です。
 

ここから岩沿いに作られた階段を上って修道院に入ります。入場料は一人3ユーロ。
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この中には有名な画家が書いたイコン(キリスト教の聖人の絵)が残っています。
写真撮影は禁止でしたが、団体客がとにかく多くて、ちょっと待たないと中に入れないほど混んでいました。
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ここは今でも修道士が活動している場所と聞いていたので、どこにいるのかなぁ?と探してみると…

“Private” と書かれたドアがあったので鍵孔からのぞいてみると、綺麗に手入れされた花と静かな建物が見えました。いくら観光エリアと区切られているとは言え、こんなところで修行に集中できるとは思えないけど…。
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修道士が入口で入場料を徴収し、何十人もの観光客が狭い修道院にわらわらいて、フレスコ画がある部屋には入れ替わりたちかわり人がやってきた。最後にお土産屋さんを出たときにはすっかり興醒め。
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すごく騒々しかった。
俗世から逃れるためにやってきた修道士たちは完全に俗世にまみれていた。

実際、本気で修行したい修道士たちは、みんなギリシャ北東部にあるアトス山へと移動しているそう。
そこでは女人禁制で、今でも聖地としての尊厳を保っているそうです。
 

でもやっぱりメテオラの景色は素晴らしい。

修道院としての役割が失われつつあるメテオラ。
でも外から離れて眺めると、かつての修道士たちの歩みが蘇ってくるような素晴らしい景色!
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歩いて歩いて歩きまくって、いろんな角度からメテオラを眺めます。
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でもギリシャの夏は思ってたよりずっとずっと暑かった。
さっきの山道は木々の影があったけど、道路に出たら炎天下。

“疲れた。ヒッチハイクしよう。” と言ってぐずるだいごろ。
“あと1キロ歩いたらビューポイントがあるから!” と言ってなだめる私。
だってメテオラはどの角度から見ても本当に迫力があって、ヒッチハイクで通り過ぎちゃったらもったいない。
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険しい岩、そして岩にへばりつくように建てられた修道院。
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こんなに自然と一体化して調和している宗教施設は初めて見た。
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大きな岩の上に乗っかって風をあびる。最高!
久々に感動する大満足の絶景でした。
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これは最後に立ち寄ったアギア・トリアダ修道院へ向かう道。
元々は岩だったところが削られ、階段が出来ていた。
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修道院には入らなかったけど、入口に座って修道士が働いている様子を眺めていました。
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この光景を見ていると、学生オーケストラのときにお世話になったある指揮者の言葉を思い出しました。

「どうして教会の天井はあんなに高いんだと思う?」

「少しでも神様に近づきたいと思ったんじゃないかな。」
 

ここも同じだ。

高く高くそびえる不思議な形の岩。
この岩の上で祈ったら神の目に映るだろう。その声は神へ届くだろう。

そう思ったんだろうな。

ここから見下ろす町は「下界」っていう言葉が相応しいぐらいちっぽけで、自分が特別な場所にいるように感じられた。
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ここは、天国に一番近い場所。
 

結局今日は一度も車を使わずにひたすらメテオラの岩山の間を8時間ぐらい歩き倒し、下界のキャンプサイトに戻ってきました。歩き疲れて二人とも倒れそうなぐらいふらふら…。

そして、まだ昼の熱気がこもったテントに寝転がって一休み。

それにしても…キャンプサイトなのに一人7.5€もするって高すぎるよなぁ。

俗世にまみれた私は今日もそんなことばかり考えてしまうのでした。笑



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